今回は新京成の「何を今更」の話です。
新京成のくぬぎ山駅と言えば、新京成本社のある駅ですが、そのほかにもくぬぎ山車両基地の最寄り駅、乗務員が交替する駅、始発や終電に備えて乗務員が寝泊まりする駅であり、新京成にとって重要な位置を占めます。
そのくぬぎ山駅に隠れた名物があります。
改札口を出て真正面に置いてある、昔懐かしい伝言板です。
スマホ全盛の中、伝言板は役割を終えて駅からも消えていきましたが、くぬぎ山駅には以前から今日まで置いてあります。
伝言板は見出しが左右に分かれています。
右側は伝言板の表題、日、時分、記事の見出し項目で、下段に「6時間を過ぎたものは消すことがあります。」と黒板に刷り込んであります。
左側は伝言板の表題は右側同様で日、品名、記事の見出し項目があり、下段は「上記の品は駅長室に保管してあります。」となっています。
つまり右側は新京成の利用者相互の伝言用ですが、左側は新京成から利用者への忘れ物、落とし物に対するお知らせ用であり、物品はくぬぎ山の駅長室で預かっていることを伝える、鉄道側の実用的な役割でした。
その意味では左側の見出しは伝言板よりも案内板とした方がよいように思いますが、左側の伝言板文字の部分にはテープのようなものを被せて、新たに伝言板の表記に修正しているように見えました。
以前は何と書いてあったのでしょうか。
黒板にチョーク自体は置いておらず、黒板消しもありませんでした。
書きたいときはどうするのでしょう。
有人改札口付近の駅員の人に申し出てチョークを借り、書き終わったらチョークを返すのか、黒板に置いていっていいのか、その辺は不明でした。
黒板の近くに寄ってみると、チョークで文字が書かれた形跡は確認できませんでした。
それは、右側の伝言板に書く用件のある人がいなかったからか、チョークが置いてあれば誰かが何か書いていたのか、どうだったのでしょうか。
くぬぎ山駅の伝言板は実用性よりも文化財として設置してあるような空気を感じました。
余談ですが、スマホの定着により、駅などでの待ち合わせ約束時間を守らない人が増えている気がします。
クルマの渋滞による遅刻も同じです。
遅れることをメールやLineで待っている人に送信すればいいという思考になるからです。
その意味ではスマホのない時代の、駅での約束時間に遅れた人に対し、目的地に先に行くことを伝言板に書いて立ち去っていた頃を懐かしく感じます。
人との約束もスマホのない時の方が守っていたように思いますが、気のせいでしょうか。