平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

JR東日本の座席上方ランプの隠れた効果とは?

空席に荷物を置く2座席占領がなくなる効果

JR東日本の特急の座席未指定券方式と、座席上方ランプが定着してきました。

指定席であっても空席で赤ランプが点灯していれば空席と分かり、着席できます。

2023年3月18日ダイヤ改正からは「あかぎ」にも採り入れられます。

この座席未指定券と座席上方ランプには、鉄道側だけでなく乗客側にも実用上で効果がありました。

その最大効果は2座席占領を防げることです。

 

新幹線や特急の自由席では、隣の空席に自分の荷物を置き、他人が置いた荷物のような振りをして着席してほしくないような光景が見られます。

空席かを尋ねられるのを避け、仮眠又は寝た振りをして、着席をあきらめさせる光景もあります。

そこには、他にも空席があるだろう、何で自分の席の隣に来るのかという2座席を占領したい心理が働いています。

 

実際にあった光景の一例ですが、特急自由席で空席がわずかにあった列車内での話です。

列車走行後、空席かを尋ねられた人が、無言で首を左右に振りました。

尋ねた人は他の空席探しをあきらめ、その席の脇にずっと立ち続けました。

無言で首を振った人は、列車走行中、車窓を見続けていました。

その後、30分経過しましたが、空席の状況は変わりません。

立っている人は何も言いませんでした。

仮に「本当にこの席の人はいるのか。30分経っても席に戻ってこないよ」と問いただしても「知り合いではないから、いつ戻るのかなんて知らない」と返されるだけだからでしょうか。

やがて座っている人の下車駅が近づいてきたようでした。

隣席の人が置いたことになっている他人の荷物(?)を着席客が手に持つと、尋ねられた人を無視したままさっさと席を去り、隣の車両のデッキへ移動していきました。

自分の荷物を他人が置いたことにしていただけだったことがやっと判明しました。

そもそも食堂車、カフェカーなど連結していないのに、30分以上座席を離れることはあり得ないのですが、何度か車内を回る乗務員からも特におとがめはありません。

ずっと立っていた人はその人が立ち去る時、悲しい世の中になったものだなという虚しい表情にも見えました。

その後、2つの空席の窓側に座りました。

 

以上は、ごく一部だけの例外的な光景とは思いますが、このような現象も全車指定席による座席上方ランプの導入により、無くすことができます。

座席上方ランプは、座席が1人1席である基本原則を間接的に伝えます。

自由席では2座席占領を防ぐことはできません。

鉄道側にとっては、自由席での特急券拝見の車内検札が大幅に減らせる効果もあります。

指定席料金と自由席料金の中間に新たな指定席料金を設定したことや、車内料金を若干高めにしたのも適切です。

自由席のある新幹線や特急列車を走らせる他のJR各社は、JR東日本の座席未指定券による全車指定席化、座席上方ランプ方式の効果に着目してもよいのではないでしょうか。

なお、その際は僭越ですが、2022年10月21日の拙「特急の座席上方ランプ区分の改定を」の中で触れましたが、赤色ランプを現在の空席から指定券発売済みに変更し、緑色ランプを現在の指定券発売済みから空席に変更した方が、混乱しないと考えます。

緑色は進めイコール着席可能、赤色は停止イコール着席不可の方が自然で受け入れやすいからです。