「のぞみ」「しなの」の名古屋経路が「サンダーバード」「かがやき」敦賀経路に移行?
先般、新大阪-長野の移動について、東海道新幹線名古屋経由中央本線の3時間52分が、来春の北陸新幹線敦賀経由で3時間7分まで短縮される旨の記事を見ました。
地図で見ると、北陸新幹線富山-長野は上越妙高、飯山を経由するため大きく北へ迂回しています。
そのため所要時間は中央線経由とさほど変わらないだろうという先入観があり、現況はどうなっているかを見てみました。
コース① 新大阪-東海道新幹線「のぞみ」-名古屋-中央線特急「しなの」-長野
コース② 新大阪-湖西線特急「サンダーバード」-敦賀-北陸新幹線「かがやき」-(金沢)-長野
ただし、以下の2条件が整っている前提での話です。
敦賀発着「かがやき」が毎時1往復、定期列車で設定されていること。
敦賀-富山の停車駅が福井、金沢だけであることです。
「かがやき」の敦賀-富山の停車駅は福井、金沢が基本ですが、それに加えて新高岡、小松、加賀温泉、芦原温泉、越前たけふの5駅のいずれか1~4駅に停車する可能性があります。
追加停車駅が多いほど北陸新幹線経由の時間短縮効果は薄れます。
敦賀から福井、金沢、富山のいずれかの駅まで各駅停車とする可能性もあります。
各駅停車化により「はくたか」の富山、金沢折り返しや、「つるぎ」廃止も可能になるからです。
各駅停車区間が敦賀-富山ならば所要時間が25分程度延びるかと思われます。
一部各駅停車の「かがやき」でも利用者が気にしないかどうかにかかります。
東海道新幹線、中央線名古屋経由の列車乗車時間は「のぞみ」50分、「しなの」は約3時間です。
湖西線、北陸新幹線敦賀経由は「サンダーバード」1時間16分、「かがやき」1時間50分です。
新幹線では「のぞみ」の勝ちですが、「しなの」は3時間、振子式列車に揺られながらの移動は酔いとの戦いも加わり、一般の人には北陸特急より長く感じる時間と思われます。
東海道新幹線の輸送力は圧倒的ですが、乗車時間は50分。
「しなの」は3時間乗車なので着席が必須条件です。
「しなの」は8両、10両編成の時もありますが6両編成が基本で、輸送力が大きいとは言えません。
「サンダーバード」は大阪-敦賀の運用になった際、何両編成になるか不明ですが、9両の可能性が高いと思われ、「しなの」よりは十分な輸送力です。
「かがやき」12両編成は「のぞみ」より輸送力はないものの、北陸区間で1時間50分は適度な輸送力です。
〇運賃・料金:「しなの」名古屋経由
北陸新幹線敦賀経由は「しなの」名古屋経由よりも約50km長いほか、上越妙高を境にJR西日本とJR東日本の特急料金の別計算が負担になります。
「しなの」は塩尻でJR東海とJR東日本との境界があっても特急料金は通算です。
東海道新幹線は降雪時期になると「のぞみ」であっても徐行運転をします。
雪の多い北陸新幹線の方が雪に強いのが皮肉です。
〇車窓:「しなの」名古屋経由
北陸線新疋田ループ線、湖西線琵琶湖車窓も捨てがたいですが、一つと言えば篠ノ井線善光寺平の展望をとります。
◆お勧め経路は、新大阪→名古屋→長野→(金沢)→敦賀→新大阪です
時間に余裕があるなら、新大阪→東海道新幹線→名古屋→中央線→長野、長野→北陸新幹線→敦賀→湖西線→新大阪で、往復の経路を変えます。
コースが違う方が変化に富みますが、ほかに二つの理由があります。
新疋田ループ線で列車が一周する光景は敦賀→京都方向の特権です。
なお、上記と逆の、北陸新幹線→中央線→東海道新幹線コースでは新疋田ループ線はなく、善光寺平の展望演出効果も薄れますのでお勧めしません。
※写真は本文と無関係です。