平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

小湊鉄道の財政支援要請と、休日の列車利用促進策

小湊鉄道の休日利用促進に、全駅鑑賞列車と久留里線連携企画を提案します

4月28日のNHK首都圏NEWS  WEBで、小湊鉄道は厳しい経営状況が続き、このままでは利用者の少ない上総牛久-上総中野間の廃線を含めた検討も必要になるとして、市原市に対し4月20日、財政支援を要請したとの情報を知りました。

小湊鉄道は五井(市原市)-上総中野間39.1kmの路線で、上総牛久-上総中野は22.7km、全線の58%にあたります。

設備、車両維持、補修等に今後10年間で60億円が必要であること、上総牛久-上総中野22.7kmについては廃線を含めた検討も必要だとしています。
要請を受けた市原市は、廃線時の影響や安全運行等調査経費として補正予算2,764万1千円を計上しました。

小湊鉄道の駅は上総中野駅大多喜町であるほかは、市原市に位置しています。

市原市では、小湊鉄道沿線人口減少による厳しい経営状況は承知していること、まず調査を行って今後の方向性を考えたいとのことです。

2020年度の小湊鉄道の1日平均乗車人員数は899人でした。

 

小湊鉄道の利用者減による今後に先立ち、小湊鉄道と南側の位置に並行する形で走るJR久留里線の末端区間、久留里-上総亀山の9.6kmは1日55人の利用状況から、JR東日本は2023年3月9日付けで君津市及び千葉県に対し、沿線地域の総合的な交通体系に関する議論の申し合わせを行なっています。

千葉県内の鉄道で将来が取りざたされる路線として、久留里線久留里-上総亀山と銚子電鉄が知られていますが、銚子電鉄は企業努力で奮起している姿が伝えられています。

小湊鉄道の上総中野側の利用状況も厳しいだろうことは想定するものの、廃線検討の話が急に入ってくるとは思いませんでした。

 

小湊鉄道の列車の話題として「房総里山ロッコ」列車の運転、JR東日本からキハ40系気動車の導入があります。

主力のキハ200形は沿線風情の自然と重なる存在です。

企画切符としては、往復割引運賃の設定、1日フリー乗車券、房総横断記念乗車券、里山フリーきっぷ、上総鶴舞・高滝湖周遊乗車券があります。

イベントとして、懐石列車企画を以前にも実施していますが、2023年6月10日(土)に五井から養老渓谷までキハ200形列車内で食事を味わう1日乗車券付き「里山に動くジピエ懐石料理列車」企画があります。

ほかにも、房総横断と五井駅での気動車エンジン音を堪能するJR東日本いすみ鉄道との共同企画「里山夜行ミッドナイトかずさ」、久留里線を含めた「ディーゼルマニア@」などを実施してきました。

 

Webサイトでは、小湊鉄道の各駅が写真と簡明な説明文で、途中下車したくなる気品さがあります。

また、路線名の由来である安房小湊駅も「小湊駅延伸の夢」として添えられており、延伸は果たせなかったものの、建設経過が貴重な写真とともに懇切に紹介されていて、貴重な資料価値があります。

 

小湊鉄道の観光客の乗車を増やすには

いすみ鉄道と一体での房総横断が思いつきますが、この点については房総横断記念乗車券の発売と、小湊鐵道Webサイト「房総横断鉄道」でも紹介されています。

ここでは、以下2点を提案したいと思います。

 

(1)JR久留里線と連携の房総内陸往復企画

久留里線との協調による五井-上総中野-上総亀山-木更津の房総内陸一周企画です。

上総亀山駅上総中野駅間にバスを設定し、五井-小湊鉄道-上総中野-バス-上総亀山-久留里線-木更津-JR内房線-五井の、房総内陸周遊コースを設定するものです。

 

(2)小湊鉄道全駅下車&10分停車鑑賞企画

五井-上総牛久は定期列車での全駅下車、上総牛久-上総中野は各駅に10分間停車して駅前を鑑賞する臨時列車を設定する企画です。

土曜・休日ダイヤで時間を下記に示します。

 

① 定期列車での途中下車による後続列車到着までの駅付近鑑賞(五井-上総牛久)

五井7:11発→上総村上7:15着、8:05発→海士有木8:10着、9:15発→上総三又9:18着、10:04発→上総山田10:07着、10:42発→光風台10:46着、11:36発→馬立11:39着、12:50発→上総牛久12:57着

 

②臨時列車設定による全駅10分停車の駅前鑑賞(上総牛久-上総中野)

五井13:05発上総牛久行き19A列車を2両編成で運転し、上総牛久13:33到着後に編成を分割して、上総中野側の1両をそのまま上総中野まで臨時列車で延長運転する形で設定。

上総中野到着後は定期列車で列車内から駅を再度見ながら五井へ戻ります。

上総牛久13:34発→上総川間13:37着、13:47発→上総鶴舞13:50着、14:00発→上総久保14:04着、14:14発→高滝14:17着、14:27発→里見14:32着、14:42発→飯給14:46着、14:56発→月崎15:01着、15:11発→上総大久保15:16着、15:26発→養老渓谷15:31着、15:41発→上総中野15:56着→上総中野で駅付近鑑賞→上総中野16:23発五井行き定期列車に乗車し、五井17:39着後、解散。

 

以上ですが、上記2案のポイントは小湊鉄道の列車に乗ることです。

とはいえ、車での列車写真撮影の方が乗車よりも多い現実もあります。

市原市小湊鉄道の直接収入にはならなくても、小湊鉄道の列車の存在により、遠くから市内の沿線店舗で買い物をしてくれればという視点が望まれるところです。

なお、小湊鉄道のWebサイトでは4月30日現在、財政支援要請関係の情報は掲載されていませんでした。

 

※「小湊鉄道」はWebサイト上では「小湊鐵道」です。