平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

只見線オリジナル観光列車導入時のダイヤを考える

小出、会津若松の両方から東京起点で日帰り可能なダイヤを

只見線にオリジナル観光列車導入検討の記事を見かけました。

福島県や観光団体等で構成する只見線利活用推進協議会が、2027年度までに五能線リゾートしらかみ」の只見線版のイメージの観光列車を投入、「海の五能線、山の只見線」を目指す意向とみられます。

福島県が観光列車のタイプや運行方法、運行区間、ダイヤ等を検討するとのことです。

今回は、只見線観光列車(以下、「観光列車」)のダイヤについて考えてみました。

 

現在の只見線全線直通運転列車は3往復で、始発及び終着時刻は下記の状況です。

会津若松発小出着時刻は、6:08発→10:41着、13:05発→17:47着、17:00発→21:26着。

小出発会津若松着時刻は、5:36発→10:32着、13:12発→17:24着、16:12発→20:55着。

観光列車ダイヤのポイントは以下の点と考えます。

 

〇定期列車はそのまま残しての増発設定か?定期列車を観光列車に置き換えるのか?

→増発設定で考えるべきところです。

仮に定期列車置き換えになると会津若松発、小出発とも13時台の列車がおのずと置き換え対象になります。

その場合、一部の駅だけの停車となり、地元の利用が制約されるほか、指定席料金が伴い、満席時は乗れなくなります。

早朝と夕方のみの定期列車設定では地元利用がさらになくなる結果になります。

 

〇 万一、13時台の定期列車を観光列車に置き換える場合は?

→ 観光列車は全車指定席と思われますが、地元の人が乗る際の指定席料金の扱いや満席時の乗車配慮ができるかどうかになります。

観光列車の1両または半車をロングシートにして、それを補う方法もあると考えます。

日中唯一の定期列車置き換えを選択するならば、観光列車の品格だけでなく、地元に愛される気軽な座席設置の配慮が必要と考えます。

 

〇 会津若松と小出発時刻を、上越新幹線上越線東北新幹線磐越西線の接続を受けての時刻設定とするか?

→ 新幹線接続考慮のダイヤと考えます。

観光列車の意義の一つとして、遠方からの只見線利用の誘発があります。

東京発一番列車の新幹線と、上越線磐越西線接続列車で小出、会津若松に着いたとき、観光列車時刻に間に合わないダイヤでは、同列車の利用の伸びが期待できなくなります。

または小出、会津若松まで車移動となり、JR東日本上越東北新幹線収入を失うことにもなります。

 

〇 観光列車は1編成のみか。2編成新製するか?

→ 当初からいきなり2編成投入は困難と思われ、当面1往復での利用促進になると考えられます。

 

〇 1編成投入の場合、会津若松→小出→会津若松の日帰り1往復運行か?

観光列車の所管は福島県と思われるので管理上、会津若松→小出→会津若松の運用となり、小出→会津若松→小出の運用はないと考えられます。

 

〇 会津若松→小出→会津若松の設定時刻は?

→ 会津若松起点の場合、東北新幹線で東京6時04分発「やまびこ1号」で郡山7時24分着後、磐越西線列車は8時29分発、9時41分着がもっとも早い会津若松到着時刻です。

このダイヤが変わらないとすると、観光列車の発時刻は早くても9時50分となります。現在の只見線全線運転列車の所要時間は最短4時間12分、最長4時間56分、平均4時間35分の状況です。

観光列車ゆえ、小出→会津若松の帰路も車窓が見える時間帯の設定が要件となります。

観光列車設定時間は、会津若松9時50分→小出14時30分着、小出14時50分発→会津若松19時15分頃が望ましいと考えます。

帰路は夏場以外、途中で暗くなりますが、会津坂下会津若松の車窓は暗くても割り切れると考えます。

また、会津若松着後は、19時23分発郡山行きに乗り継げることが観光列車ダイヤのポイントです。

同列車が郡山20時36分着後、20時42分発「やまびこ70号」乗り継ぎで東京22時00分着の、東京からの日帰り往復を可能とすることも大事な要素です。

 

〇 もしも2編成投入の場合、会津若松→小出→会津若松と、小出→会津若松→小出の、日帰り各1往復のダイヤか?

または2編成とも会津若松→小出→会津若松のダイヤか?

→ 福島県の車両保有であれば、2編成とも会津若松→小出→会津若松の運用の方が管理しやすい面はあります。

その場合、1往復は前記の東京日帰り可能ダイヤ、残1往復は東北新幹線磐越西線接続を考慮しない、会津若松付近前泊ダイヤと考えられます。

会津若松付近前泊ダイヤは、会津若松8時00分発→小出12時30分着、小出12時50分発→会津若松17時20分着が望ましいと考えます。

 

〇 2編成投入の場合、残1往復は小出→会津若松→小出の運用にした場合は?

→ 只見線へのアプローチは、会津若松側よりも小出側の方が乗りやすい位置にあります。

福島県の車両管理を別に置くとすれば、利用者側から見た観光列車ダイヤの理想は、会津若松→小出→会津若松の運用と、小出→会津若松→小出の運用とに分けることです。

会津若松→小出→会津若松の2往復運用よりもはるかに効果的です。

ダイヤの一案として、東京7:04発「とき303号」→浦佐8:22着、8:35発上越線→小出8:44着、小出9:00発観光列車→会津若松13:30着。

折り返し、会津若松13:50発観光列車→小出18:20着、18:31発上越線浦佐18:41着、18:53発「とき342号」→東京20:12着です。

 

〇 新幹線接続便宜を図って、観光列車の運転区間会津若松-郡山、小出-浦佐-越後湯沢までの設定は?

→ 新幹線乗り継ぎを配慮しての郡山、浦佐までの延長運転は誘発効果のある延長運転です。

上越新幹線の場合、浦佐でなく越後湯沢までさらに延長されれば浦佐通過の「とき」対策にもなります。

地域にお金が落ちなくなるという課題はありますが、車内販売や停車駅での買い物利用のしやすさで補うことを考えてほしいと思います。

まずは会津若松-小出間の安定した運転が先決で、そのあとに考えるべき点と思いますが、小出-浦佐は距離が短いので、実施はしやすい状況にあります。

かつては急行「奥只見」が1972年から1988年まで只見線全線を運行していた中で、上越新幹線接続を考慮し1982年から小出-浦佐を延長運転していたこともありました。

 

只見線観光列車のダイヤ関係については以上です。

列車内容等についてはまた別の機会に。