平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

奥羽線福島-米沢に臨時(仮称)「板谷峠旧スイッチバック3駅跡地訪問号」の企画を

板谷峠スイッチバック3駅は団体ツアーバスよりも列車で訪問したい願望

JR東日本びゅうツーリズム&セールスから、「奥羽本線スイッチバック駅をガイド付きで見学 団体臨時列車『復刻カラーつばさ号』で行く 奥羽本線を北上・旧スイッチバック駅と廃線の鉄道遺構散策もお楽しみの2日間」「大沢駅・峠駅・板谷駅の旧スイッチバック駅を峠駅元助役をはじめとした元職員のガイド付きで見学!」の旅行ツアーが、6月18日から19日の1泊2日で実施されます。

すでに25名の募集定員に達していて、キャンセル待ち状態の人気です。

6月18日は、同じ団体臨時列車に東京-山形間乗車の、「蔵王温泉2日間」のツアーもあって、米沢まで同列車で一緒に移動する形となります。

 

このツアーのポイントは、

〇 「復刻カラーつばさ号」の乗車

〇 奥羽線大沢駅・峠駅・板谷駅の旧スイッチバック駅を米沢からのバス移動により、元職員のガイド付きで見学

〇 約1300年の歴史を誇る史跡 尾去沢鉱山の見学

〇 小坂鉄道レールパークの見学

〇 新庄-東能代の在来線移動

〇 新青森経由での東京帰途

以上が挙げられます。

今回は、このコースの中での板谷峠スイッチバック3駅訪問について触れます。

大沢・峠・板谷の旧スイッチバック3駅の訪問と、元職員のガイド付きは興味深い内容ですが、唯一気になるのは米沢からのバスでの訪問です。

ツアーのコースは、

〇 東京8時発の山形新幹線列車が米沢に10時過ぎに到着後、バスに乗り換えてまず大沢駅スイッチバック跡地を見学。

〇 バスで峠駅に移動し、同じく跡地を見ながら峠の茶屋で昼食。

〇 再びバスで板谷駅の跡地を見学後、バスで米沢に戻る。

そして、米沢-新庄を山形新幹線列車で移動し、新庄駅付近で宿泊します。

 

東京-米沢の「復刻カラーつばさ号」乗車まではよいのですが、バスでのスイッチバック3駅訪問はいささか残念です。

米沢到着後、再び同駅から新庄行き列車に乗るまで約6時間ありますが、列車同様に道路も難路であり、とくに峠駅へ向かっていく道路は難所として知られます。

道路で峠駅を訪ねること自体も貴重な体験ではあります。

スイッチバック3駅の見学設定時間は不明ですが、列車と同じ所要時間では無理なので、昼食休憩を兼ねた峠駅以外は、板谷駅から再び板谷峠で米沢に戻る道路事情を考慮すれば、大沢と板谷の両駅でさほどの長い見学時間は取れないかと想定します。

 

◆米沢→庭坂→米沢に「板谷峠スイッチバック3駅跡地訪問号」の設定はどうか?

筆者はスイッチバック3駅の見学に際し、JR東海の「飯田線秘境駅号」を思い浮かべます。

バス訪問の方が3駅の見学時間に余裕はありますが、スイッチバックという鉄道特有施設、駅設備の遺構見学にあたっては、その3駅に停車する列車で訪問した方が喜びがあると感じます。

バスは廃止駅ホーム付近の見学時間に余裕はあるとしても、廃止駅ホームからもう一つ別の、スイッチバック引込線の見学欲求はバスでは満たしにくく、列車からの方が車窓見学の方が果たせると思います。

米沢→庭坂→米沢のコースで、719系普通列車を臨時急行列車として、同区間に設定するのはどうかということです。

以下は、今回の列車時間に合わせた、719系臨時急行列車による勝手な想定列車です。

 

米沢10時04分到着後、10時36分発上り「つばさ136号」の後、10時40分発の庭坂行き団体列車「板谷峠秘境駅号(旧スイッチバック跡地訪問号)」を設定します。

大沢駅板谷駅でそれぞれ約20分停車し、両駅を見学して庭坂駅へ11時50分頃に到着します。

後続「つばさ138号」の庭坂駅通過前までの到着が要件です。

庭坂での折り返しは「つばさ」退避と折り返し配線設備によるものですが、庭坂から(旧)赤岩駅に向かう急勾配線路を右に見ながら、福島盆地を見下ろす区間は車窓の名所でもあり、理想的な位置にある駅です。

 

庭坂到着時刻の頃、福島11時35分発下り「つばさ133号」が同駅を通過します。

「つばさ133号」庭坂通過後、米沢に向かって折り返します。

廃止された赤岩駅の跡地、スイッチバック駅の名残り線路、行き止まり式スイッチバックのトンネルを列車内から見学します。

急勾配途中区間ですが、影響のない範囲での低速運転をしてもらえればありがたい配慮になります。

板谷駅経由後、峠駅で下車して峠の茶屋で昼食後、スイッチバック設備を見学します。

峠駅の滞在時間は40分程度です。

 

そのあとは大沢駅経由で米沢に13時頃に到着します。

後続「つばさ135号」米沢13時07分着までの到着も第二の要件です。

米沢16時12分発「つばさ141号」までの3時間は米沢駅周辺の散策に充てます。

なお、先程の峠駅において、下り団体列車で到着後、団体列車の乗車は終了して、峠駅13時20分発定期普通列車に相乗りで米沢に向かうとすれば、峠駅の滞在時間は30分拡大することを追記します。

 

スイッチバック3駅の経路は、今後の山形新幹線高速化に伴う新線完成後は列車が通らなくなります。

スイッチバック設備が1990年に廃止されて33年になります。

2017年から通過扱い、2021年正式廃止の赤岩駅に続き、板谷と大沢の両駅は冬期間、停車しなくなっており、2023年は1月10日から3月26日まで通過の措置が取られています。

こうした状況から、スイッチバック3駅訪問は今後一層人気が出るのではないかと予想されます。

今回、「つばさ」団体臨時列車に合わせた団体列車設定時間を想定しましたが、今回のツアーと切り離せば福島→米沢→福島での設定も東京からの一般客誘発策としては有効と思います。(豊橋起点のJR東海飯田線秘境駅号」と同じ視点です。)

JR東日本奥羽線(愛称:山形線)米沢-庭坂-米沢の区間で、いささか長い愛称ではありますが「板谷峠スイッチバック3駅跡地訪問号」のような列車を設定企画してはいかがでしょうか。