平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

自分流 何度乗っても胸が高鳴る車窓3区間

何回乗っても飽きない車窓3区間の紹介です

今回は、特別に行きたいところがなかったら迷わずに行く、自分のお気に入り3区間の話です。

 

1.奥羽線山形線庭坂板谷(旧赤岩)

山形新幹線で福島から米沢へ向かい、福島から2駅目、庭坂を通過すると車窓右手に板谷峠に立ち向かう急勾配の電柱(架線柱)が見えます。

ここが非電化であったなら線路配置は伝わりにくく、電柱が急勾配を教えてくれる重要な役割を果たしています。

左端と右端の電柱の高さが明らかに異なり、左から右へ行くに従い、これから急坂を上っていくことがわかります。

山の中腹に張り付いた右肩上がりの方向への電柱の連続に胸が高鳴ります。

列車がその急勾配を登りつつ、右側車窓の後ろを振り返ると雄大な福島盆地が展開します。

急に展開する福島盆地の車窓は、米沢から福島方向への列車の方が感動するかもしれません。

篠ノ井線善光寺平の姨捨の車窓が、急に展開する下り列車の方が感動するのと共通する点があります。

そのあとの車窓右側には、途中まで松川と並行しながら、向かいの山側中腹に道路が並行しているのが見えます。

松川の鉄橋を渡ると廃駅となったスイッチバック駅の赤岩の跡地を通過しますが、貨物列車退避用にスイッチバックの行き止まり式トンネルのコンクリートが見え、長い貨物列車編成の全盛期を思い起こさせます。

列車は板谷、峠、大沢と続く、かつての奥羽線名物だった4駅連続スイッチバックの名残を横目に通過します。

これら、庭坂からの急勾配、4駅スイッチバック跡地の体感、峠駅の力餅は、山形新幹線「つばさ」では味わえず、福島からの普通列車で楽しみたいところです。

唯一、福島駅を出て庭坂へ向かう時は高架橋で眺めが開ける「つばさ」の方が勝りますが、地平に降りてしまえば普通列車に乗りたい区間です。

板谷峠は今後、新たな長大トンネルにより福島-米沢を短絡する計画で、庭坂の急勾配、山越えの電柱、4駅スイッチバック駅を見ることができなくなるのは残念で、今のうちに楽しみたいところです。

 

2.京都丹後鉄道丹後神崎-丹後由良間の由良川橋梁

国鉄時代の宮津線第三セクター化され、現在は京都丹後鉄道となりました。

ひとまず、廃止されなくてよかったと大きく安堵した路線です。

福知山-宮津宮福線、西舞鶴宮津宮舞線宮津-豊岡の宮豊線の3路線に分けていて、宮福線第三セクター後の開業路線です。

京都丹後鉄道と言えば天橋立が思い浮かびますが、宮舞線丹後神崎-丹後由良の間にある由良川橋梁からの日本海雄大な展望が貴重です。

長さ約550mで、トラスがないため海を渡っているかのような気持ちになります。

列車の窓から車窓の線路側を見ると、山側は保線用の通路があり、列車の窓下に直接の水面は見えませんが、海側(若狭湾側)は水面で、一層の感慨があります。

 

JR東日本鹿島線延方-鹿島神宮間の北浦橋梁も由良川橋梁と似た、展望に優れた1,236mの長さを誇りますが、太平洋を臨むことはできません。

山陰線で有名な餘部橋梁は日本海まで距離があります。

海を渡るかのような錯覚的感動は由良川橋梁が随一です。

その意味で、橋梁の長さは短くとも日本海が見える由良川橋梁はずっと残してほしい財産です。

 

3.千歳線植苗→沼ノ端の上り線

室蘭線の直線の線路は有名ですが、運転席背後からの前面展望をしていない限り、列車からはなかなか体感できません。

千歳線の下り線で苫小牧側から札幌に向かうのと、上り線で札幌側から苫小牧に向かうのとでは、沼ノ端-植苗間での車窓が異なります。

下りの千歳線は、岩見沢へ向かう室蘭線の複線が原野を一直線で進む下り線の左脇を走りながら左へ分かれていき、築堤を上がっていくと植苗に着きます。

右側座席の方が室蘭線と寄り添う線路、分かれていく線路、室蘭線の直線状の線路がある程度分かります。

 

上り列車、植苗から沼ノ端へ向かう列車では、直線状の室蘭線の上をまたぎますが、左右のどちらを見ても室蘭線直線状の線路を見下ろせるところで胸が高鳴ります。

室蘭線を乗り越える橋梁上で、列車を1分でも停めてほしい雄大な見晴らしの位置です。

左右両方に展開する室蘭線の複線の線路が見どころです。

室蘭線を越えた後、沼ノ端の直前まで室蘭線の線路が見ることはできないほど離れた距離を走ります。

室蘭線の線路が見えると同時に沼ノ端に到着します。

 

奥羽線板谷峠、京都丹後鉄道由良川橋梁、千歳線植苗付近の室蘭線のいずれも広く知られている区間です。

板谷峠由良川橋梁は下り列車の右窓、千歳線植苗の室蘭線交差は上り列車の右窓です。

乗る都度、飽きずに毎回ワクワクする感動は、いささか大げさではありますが、自分の鉄道趣味を越えての人生の喜び、楽しみ、財産の一つとなっています。

 

※写真は本文と無関係です。