四国特急の1列車単位での自由席と指定席の割合は?
JR四国が、2023年7月13日から9月30日までの中で連続3日間(8月8日から16日を除く)、JR四国全線の特急自由席に乗降自由な「夏の四国あちこちきっぷ」を発売するとのニュースリリースがありました。
普通車指定席、グリーン車は別に特急料金、グリーン料金が必要です。
「四国フリーきっぷ」(18,000円)とまったく同じ条件ながら5,000円安い点で、喜ばしい企画切符です。
◆JR四国の主なフリー切符の発売状況
ここで、JR四国の主なフリー切符の有効期間、価格、利用できる座席条件を整理してみます。
以下の「指定席」「自由席」はいずれも普通車です。
〇 夏の四国あちこちきっぷ:3日間、13,000円、自由席
〇 四国フリーきっぷ:3日間、18,000円、自由席
〇 週末乗り放題きっぷ:1日間、12,000円、自由席
〇 四国グリーン紀行:4日間、23,000円、グリーン車、指定席、自由席
〇 バースデイきっぷ:3日間、グリーン車用15,000円、自由席用12,000円
こうしてみると、四国グリーン紀行とバースデイきっぷのグリーン車用以外は特急でも自由席専用です。
バースデイきっぷにはグリーン車用と自由席用がありますが、自由席用を選択すると、して咳やグリーン車に乗れるフリー切符は四国グリーン紀行が唯一となります。
自由席と指定席の差額530円を支払って指定席に乗ることはできません。
指定席乗車の場合、その料金相当額が必要になります。
そのため時期によっては自由席の混雑も想定されます。
◆自由席の車両数はどうか?
次に、JR四国特急の列車単位で、列車全体の編成両数と自由席の両数を見てみます。
土曜・休日、多客期等、両数が変わることがありますが、ここでは基本的な編成で列記します。
〇予讃線「しおかぜ」「いしづち」併結列車
「しおかぜ」:編成5両、自由席2両
「いしづち」:編成3両、自由席2両(一部、編成2両、自由席1.5両)
〇土讃線「しまんと」または「あしずり」:編成2両、自由席1.5両
「南風」:編成3両、自由席1.5両
「しまんと」:編成2両、自由席1.5両
「南風」:編成3両、自由席1.5両
「うずしお」:編成3両、自由席2両
〇徳島線「剣山」:編成2両、自由席1.5両
〇牟岐線「むろと」:編成2両、自由席1.5両
以上の状況を見ると全般的に指定席よりも自由席の割り当て比率が高くなっています。
指定席の比率の方が高いのは「しおかぜ」が唯一です。
「南風」は指定席と自由席の割合は半々です。
指定席と自由席が同一号車(半室指定席、半室自由席)の場合、指定席の座席に青いヘッドカバーを掛けて指定席の文字を表記するなど、分かりやすくしています。
半室指定席、半室自由席で、例えば1両に12列ある場合、半分ずつ6列&6列の割り当てか、5対7、4対8の割り当てで指定席の列の方が多いか、逆に自由席の方が多いかなどは、列車により異なります。
座ることができれば指定席と自由席の座席設備は同じなので、自由席の方が安価なことや乗車時間から、指定席需要は高くないとも考えられます。
全般的にJR四国は自由席の着席率向上に気を配っていると感じました。
◆指定席に2回だけ乗車可能にしてはどうか?
自由席に乗る時は自分に都合よく考えがちなものです。
自分の乗る日は空いているだろう、自分の乗る列車は空いているだろう、1席くらいどこか空席があるだろう、今は着席していても次の停車駅で空席ができるだろうと、楽観視して乗ります。
結果的に座れなければ諦め、特急自由席のみが対象のフリー切符を利用する際は、満席なら立席でも構わないという割り切り、リスクの認識が必要です。
自由席との差額530円だけ払って指定席の空席に座らせろというのはルール違反ですが、530円の差額が金額的に大きすぎることも背景にありそうです。
一方、車掌が来たら指定席だったことを知らなかった振りをして、その時まで座っているのは見苦しい光景です。
他社の事例ですが、JR東日本では2022年10月と2023年3月に「JR東日本パス」を発売の際、基本は自由席利用ですが、普通車指定席に4回乗れる配慮をしました。
JR四国のフリー切符は普通車指定席を対象外にするタイプがほとんどです。
安いことは歓迎ですが、長距離乗車(児島・高松-松山・高知)を考慮して、3日間のうち指定席に2回だけ乗車可能とし、14,000円程度の価格で今後、検討してみるのはいかがでしょうか。
※写真は本文と無関係です。