空港愛称名が利用者や航空側にもプラスになっているか?
空港の名称は都道府県名または地域名がを付けることが通常です。
正式名称ではなじみにくいものは通称名を使っており、東京国際空港が羽田空港、大阪国際空港が伊丹空港のケースが身近な例です。
札幌飛行場の通称名は丘珠空港ですが、札幌飛行場の正式名が前面に出ると新千歳空港と誤解、混同するケースが出てきますので、丘珠空港の通称名使用が正しい方向と思います。
空港名称だけでは親しみにくい、地域が主張できないと、愛称名を付けるケースも多く見られるようになりました。
今回は、空港の愛称名について見てみたいと思います。
◆ 北海道の空港愛称
→ そのものずばりの 「北海道のまん中 」の表現は明確ですが、品格には欠ける感じがします。
北海道中央空港ではインパクトに欠けるでしょうか。
→ 品があり、語呂もよく、親しみやすい愛称です。
→ 中標津位置を知るのにわかりやすい愛称です。
〇 釧路空港:たんちょう釧路空港
→ 丹頂鶴はわかりますが、意地悪く単調と皮肉られないよう、釧路丹頂鶴空港の方がよかったのではないかと思います。
→ 十勝に限らず、意図的にひらがなで愛称を表現する健康が全国的に見られますが、十勝は縁起のよい漢字です。
十勝帯広空港の漢字表記がよいように思います。
◆ 東北の空港愛称
〇 大館能代空港:あきた北空港
→ 市の名称に合わせて北秋田空港または秋田北部空港の方がよいように思います。
北秋田では秋田と混同するからと思われますが、「キタ」と「あキタ」の2回の「キタ」が紛らわしいのが原因です。
失礼ながら、アキテキタ空港とも揶揄されかねません。
秋田北部空港なら「キタ」でなく「ホクブ」なので混同はないと考えます。
→ 帯広同様、ひらがなで強調したのでしょうが、岩手花巻空港の漢字の方がよいように思います。
→ おいしいという形容詞を空港名に充てる発想はいかがかと思います。
酒田庄内空港の方がよいのではないかと考えます。
→ 「おいしい」は不要です。
「この飛行機はおいしい山形行きです」などという案内を聞くと、聞き手側が下を向いてしまいます。
山形空港で十分ですが、形容詞を付けたいなら東根山形空港かと考えます。
JR東日本、奥羽線の駅名にあるような、さくらんぼ山形空港のようにするのは、かわいらしいイメージはあるものの、駅名同様、積極的な賛成はしかねますが。
◆ 中部の空港愛称
→ 「きときと」は新鮮、活きがいいなどの方言とのことですが、他の地域からでは分かりにくいので、疑問が残ります。
地域の人にわかればよい発想は逆であり、他の地域からでも形容詞を聞けば場所がイメージされることがポイントと考えます。
富山県富山市内にあるのですから、富山空港が自然ですが、それでは面白くないのでしょうか。
蛇足です筆者は富山きときと空港と聞くと、語呂的にえちごトキめき鉄道と重なってしまいます。
→ 福井県にとっては空港愛称に加えてほしかった気持ちはわかりますが、石川・福井の両県境に空港があるような印象を与えます。
福井を愛称名に含めるのは、位置的にも行政的にも一考を要すると思います。
また、小松を消してしまうのも地元から見れば不満、疑問が残ります。
小松金沢空港にとどめるべきではないでしょうか。
→ 「里山里海」を知る人は少ないと思われ、能登輪島空港の方が分かりやすいと思います。
→ 富士山の名称を入れたくなるのは鉄道にもあります。
富士急行線、特急「富士山」「富士回遊」は富士山から近い位置にありますが、静岡空港は富士山からかなり離れており、東海道線で言えば島田駅付近の位置です。
静岡県の空港だからと、インパクトのある富士山の冠を付けたい気持ちは分かりますが、空港は富士山とかなり離れた位置にあり、冠を付ける考え方は賛成しかねます。
駿河静岡空港ではインパクトに不足するならば、単に静岡空港で十分ではないでしょうか。
→ 意図的に松本の漢字をひらがなにして印象深くしたと思われますが、信州松本空港よりも効果があるでしょうか。
余談ですが、鉄道のしなの鉄道、えちごトキめき鉄道なども同じで、意図的なひらがなの風潮は政令指定都市の埼玉県さいたま市の名称決定インパクトが大きかったように感じます。
◆ 近畿、山陰、山陽の空港愛称
→ 丹後但馬空港の方が分かりやすいと思います。
→ 知名度があるとはいえ、漫画の主人公の固有名詞を空港名に被せるのは行き過ぎと思います。
なお、空港では建物の愛称名表記をコナンの3文字だけ赤色にして目立たせています。
〇 米子空港:米子鬼太郎空港
→ 鳥取空港と同じ理由で、米子境港空港または米子美保空港の方がよいと考えます。
〇 出雲空港:出雲縁結び空港(建物も愛称名表記)
→ 出雲大社関連でわかりやすいとはいえ、縁結びを空港名に被せるのもどうかと思います。
〇 岡山空港:岡山桃太郎空港(建物も愛称名表記)
→ 鳥取と米子の両空港の、漫画主人公の冠とは異なりますが、桃太郎も砕けすぎた空港名と感じます。
倉敷、後楽園は有名ですが空港からは離れています。
単に岡山空港では面白くないでしょうか。
→ わかりやすい愛称ではありますが、錦帯橋付近に空港が位置するわけではありませんので、錦帯橋岩国空港の方がよいと思います。
◆ 四国の空港愛称
→ 地元の愛称への熱意は、2003年8月7日の高知県のホームページ、「知事の定例記者会見(高知竜馬空港について)」で詳細に記載されており、想いが伝わってきます。
当記事を読んだ後の力説、夢と期待からは外部者が口を挟む余地がない勢いを感じるので、人名を空港愛称に被せることに意見はありますがこれ以上は差し控えます。
→ 全国の誰にでも分かりやすい公募の愛称ですが、空港で踊りが見られるのかという期待を抱きます。
空港名としては列車名同様、徳島うずしお空港の方がよいように感じますが、阿波踊りを付けるなら阿波おどり徳島空港の方に願いたかったと思いました。
◆ 九州の空港愛称
→ 九州7県の中では目立ちにくい県ゆえか、九州と国際の言葉を付けて印象深くしたように思いますが、あまり感心できません。
国際線があることはわかりますが、それは他県も同様であり、あえて同県だけ国際を付け加えたため誇大すぎる印象を受けます。
愛称の親しみにも不足があり、愛称が逆効果になった事例と感じます。
有明佐賀空港の方がよいように思います。
〇 熊本空港:阿蘇くまもと空港(建物も愛称名表記)
→ ひらがなは不要、阿蘇熊本空港がよいように思います。
→ カタカナが長すぎます。
日南宮崎空港、日向宮崎空港などの方がよいのではないでしょうか。
愛称文字の入れ方に二通りの方法
愛称名には、形容詞を頭に付ける方法と、中央に付ける方法の2種類があります。
ここでは一例として、岩国空港の岩国錦帯橋空港で考えてみたいと思います。
岩国錦帯橋空港は愛称を中央に入れたケースです。
上記と重複しますが、錦帯橋付近に空港が位置するわけではありませんので、国錦帯橋空港よりも、錦帯橋岩国空港の方がよいと思います。
岩国と空港の文字が接続している方が、岩国空港の存在が理解されやすく、「錦帯橋のある岩国の空港」という流れで受け入れやすいと考えます。
もう一つの例として、鳥取砂丘コナン空港であれば、砂丘コナン鳥取空港、コナンを見送って砂丘鳥取空港が望ましいと考えます。
愛称名を空港ターミナルの看板に出して宣伝するか?
空港は公共の場所です。
名称がお役所的に硬くても、まず正式名称表記が基本という認識が必要と考えます。
実際の空港での看板表記は、元々の地名、県名だけの表記が多いものの、愛称名を表面に出した看板表記も多く見られます。
愛称名はあくまで愛称名であり、空港の看板に正式名称のようにそのまま出すことには違和感もあります。
一部の空港で行なっているような、愛称名部分の文字の色を変える、愛称名の文字を少し小さくする手法もあるかと思います。
地域からすれば逆で、愛称名を含めて大きく表示し、定着させたい気持ちは理解できますが、愛称名の形容詞的文字部分はあくまで誇張という認識はあるでしょうか。
看板表記での愛称名文字部分には色を変えるとか、斜め文字にするとか、文字をやや小さくするとか、手法はあると考えます。
名称の基本原則と脇役との位置づけ
空港名を含め、名称についてはまず基本、原則というものがあって、それを踏まえてから親しみやすい愛称名が脇にあるという位置づけを再認識する必要があると感じました。
空港以外の話ですが、近年のローマ字表記、カタカナ表記にしていくことは一考を要します。
ローマ字はあくまで漢字表記の補助であり、ローマ字が主ではないと思います。
近年は各種の名称において、ローマ字だけの表記、駄洒落を含めた愛称等で、それが親しみやすい、明るい、ユーモアがあって面白いという傾向になっているのはあまり感心できないと思います。
今後の世代交代とともに、空港の国際的性格からローマ字併記、ローマ字主体に変わっていくかと思われますが、漢字があってこそのローマ字の認識は持ってほしいと思います。