平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

流鉄流山鉄道は鉄道イベントに積極的宣伝を

流鉄流山鉄道の電車に乗って流山に行き、BEER電車を一層楽しむ方法を考えます

流鉄流山鉄道(以下、「流山線」)は常磐線馬橋から流山まで5.7kmを所要12分で結ぶ路線です。

馬橋では15両編成の快速電車が高速通過する脇を、2両編成電車がマイペースで走る流山線電車の対照さが印象に残ります。

流山の鉄道と言えば、つくばエクスプレスが2005年8月24日の開業後、何かと話題が多くなっていますが、流山線の開業は1916年3月14日で歴史の重みがあります。

 

流山線のサイトから最近のお知らせ内容を見ると、8月中旬頃に運行終了のオムライス電車、8月18日運用開始の「さくら」号編成、8月31日運用開始の「あかぎ」号編成の話題などがあります。

 

そんな中で、駅に停車する電車内を舞台に、2015年に流鉄開業100周年を記念してスタートした「流鉄BEER電車」が2023年度、9月2日に開催されました。

 

「2023年流鉄BEER電車」の概要

今回は、「千葉県誕生150周年記念 流鉄BEER電車 今年のテーマはクラフトビール!」と題され、主催は流鉄沿線活性化の活動を行っている「流鉄沿線活性化実行委員会」です。

実行委員会事務局は、流山市経済振興部流山本町利根運河ツーリズム推進課内です。

サイト内容を見ると「普段入ることのできない流鉄流山線車両基地内が会場となり、このイベントでしか体験できない空間で飲食をお楽しみいただけます。」との触れ込みがあります。

事前チケット制でチケットは完売しており、期待の高さがうかがわれます。

16時から21時30分まで、1回当たり1時間30分の3回入れ替えで、1回終了ごとに30分の準備時間を設けています。

飲料等は、入場券の種類別に、停車した電車内座席、ライブステージ近くのテーブル席、屋外のテーブル席や立ち飲み席の3種類に分かれ、別の電車内には休憩スペースも設けられました。

 

冷静沈着な流鉄のサイト

「2023年流鉄BEER電車」の企画は鉄道側、すなわち流山線側ではなく、流山市経済振興部流山本町利根運河ツーリズム推進課内を事務局とする「流鉄沿線活性化実行委員会」です。

流山線を運営する流鉄株式会社のサイトを見ると、7月26日付けの「お知らせ」として、内容がさらりと触れられています。

 

以下、9月1日時点の内容から一部分を引用させていただきます。

(以下引用)

お知らせ

流鉄BEER電車を開催します(事前購入チケット制・チケットは売り切れました)

【チケットはすべて売り切れました。ありがとうございます】

2023年9月2日(土)に、流鉄BEER電車を流山駅構内で開催します。

今年のテーマは「クラフトビール」。流山市松戸市クラフトビールや、名店が作る料理など、このイベントでしか味わえない空間の中で、食・お酒・音楽をお楽しみください。

今年度も、事前に入場券販売し、人数制限を行います。

(中略)

チケットの購入方法等詳しくは⇒流鉄BEER電車を開催(事前チケット制)(流山市のHP)

(以上引用)

 

「流鉄BEER電車」「流山トレインマーケット」のアピールは

流鉄沿線活性化実行委員会が主催する流山線企画では、「流鉄BEER電車」のほかに、2022年から流山駅馬橋駅で「流鉄トレインマーケット」も開催しています。

毎年、これらのイベントの際、流鉄のサイトを見ますが、上記の2つのイベントにおいて、要点のみを掲載し、詳細は自治体のHPにアクセス案内する簡潔に内容となっています。

主催が行政関連団体側とはいえ、きわめてあっさりした冷静沈着な要点表記であり、派手なイベントを行なう熱い空気感とは異なりました。

流鉄のサイトを受けて流山市のHPを経由し、さらにその中にあるteketの外部リンクを開くと、過去の写真とともに、イベント内容の熱さが伝わってくる流れとなっています。

主催ではないからあまり前に出てもいけないのでしょうか。

いささか失礼な言い方ですが、流鉄のサイトやパフレットからは「うちの電車で行事をするのね、どうぞ」という他人事的な印象も感じられます。

 

パンフレットには流山線の電車のイラストはありますが、写真1枚程度は入れたほうがより効果的な感じがします。

同表紙の四隅にマークがありますが、ここに電車編成ごとに車体色の異なる4種の電車の顔または編成の側面車体色をさりげなく入れていたらと感じます。

 

流山線もイベントに積極的に前向きPRを

流山線の利用状況、経営状況はどうでしょうか。

2005年8月開業のつくばエクスプレスの影響を受け、2024年4月1日からの普通運賃を10円~20円値上げするほか、それに先立って2023年7月1日から平日8往復、土曜・休日は5往復の運転本数を減らしており、厳しさを感じさせます。

輸送人員はピークだった1993年の約611万人から、つくばエクスプレス開業翌年の2006年には約349万人、2020年には約225万人になり、また、2005年度の年間乗車人員が2004年度に比べて約16%減少、流山駅では1日の利用客が50%近く減少したとのことです。(※Wikipediaより)

「流鉄BEER電車」「流山トレインマーケット」は流鉄沿線活性化が主目的ではありますが、流山線にとっても貴重なイベントであり、流山線に親しんでもらうきっかけを作り、今後の流山線の利用促進につなげようとする意図も当企画の中に含まれているはずです。

 

流鉄は主催者ではないとはいえ自社の駅、電車、車両基地が会場となるのですから、一例として「流山線流山駅で電車、ホーム、車両基地からクラフトビールと音楽と沿線の飲食を楽しみましょう」的なメッセージをサイトのトップ画面に出してはどうかと思います。

流鉄のサイトにイベント用チラシ、写真等を一部分でも掲載することは出来なかったでしょうか。

流鉄沿線活性化は流鉄自体の繁栄があってこそです。

流山線の利用増に寄与するのも一つの道筋であり、行政と流鉄との一層の連携協調が望まれるところです。

次年度の開催に期待します。