平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

京王「シニア全線パス」の利用法

いかに6カ月間を楽しみに乗車するかを計画します

京王から2023年10月12日付けで、「70歳以上のお客さま対象!『シニア全線パス』を期間限定・枚数限定で発売します!」とのニュースリリースがありました。

2022年度に続いて2回目の企画で、70歳以上を対象とした京王線井の頭線全線が乗降自由の磁気乗車券で、「1カ月パス」(6,000円)、「3カ月パス」(16,500円)、「6カ月パス」(30,000円)の3種類があり、3カ月と6カ月は今回が初めてです。

受付期間は10月13日から11月6日まで、利用開始日は各券とも12月1日からです。

発売数は3種類各1,000枚で、インターネット(応募フォーム)により申し込み、応募多数の場合は抽選となり、当選者のみ当選通知メールが送信され、指定された場所で現金による購入となっています。

リリースの中で、「本施策を通じて、多くのお客さまに京王線井の頭線の様々な魅力に触れていただくとともに、回遊性の向上や、外出需要の創出を図り、沿線エリアの多面的な活性化へもつなげてまいります」との趣旨が謳われていますが、高齢者の健康増進としても喜ばしい企画です。

今回は、自分が京王線沿線に居住の仮定で、また申し込み後に当選した前提で、シニア全線パスの活用法を計画してみたいと思います。

 

価格面は

京王線最長の新宿-高尾山口の通勤定期券を見ると1カ月16,100円、3カ月45,890円、6カ月86,940円です。

シニア全線パスは、それぞれ10,100円、29,390円、56,940円も低い、格安な価格設定です。

新宿-高尾山口の運賃は片道430円、往復860円なので、6カ月パス30,000円ならば35日以上の往復で元は取れます。

勤労を終えた世代の健康増進にも最適といえます。

また、並行するJR東日本の中央線での数多くのフリー切符に対して、京王線に関心を引き寄せ、足を向けてもらうにも効果が期待されます。
 
シニア全線パス購入後の利用計画
通勤定期券と趣旨が異なりますので、このパスにより、いかに京王線電車に多く乗って沿線を楽しむかということになります。
筆者は以下のように使う計画を立てます。
〇 パスは6カ月間のタイプを申し込む。
〇 6カ月間で、全55駅の下車を目標とする。
〇 下車駅では最小限30分程度は散策する。(駅付近情報は、京王サイトのお出かけコース、スポット、イベント、グルメ情報等を参考にする。)
〇 電車の全5形式(1000・5000・7000・8000・9000系)、計74編成乗車を頭に入れ、乗車した形式、車両番号を記録する。
〇 都営新宿線の乗り入れ編成にも留意し、車両何号を記録する。
 
乗車日等の心得的なもの
〇 6カ月間180日、ほぼ毎日乗ることにこだわらず、疲労回復等を考慮し平日、月曜・水曜・金曜乗車を基本とする。
この場合、6カ月で80日前後の乗車となる。
〇 2日間以上の連続乗車及び土曜・休日乗車を極力避ける。
〇 10時から16時の間の乗車とし、ラッシュ時間帯を避ける。
〇 午前中に1駅下車 → 下車駅付近での昼食 → 午後に1~2駅下車 → 16時までに終了を基本とする。
〇 疲労、体調等で気持ちが前に進まない日は乗車を避ける。
〇 比較的空いている京王八王子側1~5号車、井の頭線は吉祥寺側1~3号車を基本に乗車する。
〇 座れない時は乗降ドアから車窓を見る。
 
こんなにガチガチに考えなくてもよいかもしれませんが。
 
乗降客数の少ない駅の状況を見る
2022年度の1日の乗降客数データで、新宿613,639人、渋谷274,505人、吉祥寺122,831人、調布109,110人、下北沢102,137人のように10万人を超える駅もあれば、それと対照的な駅を訪ねてみるのも一興です。
府中競馬正門前1,794人、長沼3,570人、多摩動物公園4,207人、山田4,675人、京王片倉4,724人が、5,000人未満の駅です。
府中競馬正門前多摩動物公園の平日は、賑わいの休日とは別の顔を見せます。
最高速度110km/hの特急から、マイペースの各駅停車に乗り換える速度差も運転の見どころです。
 
車から列車に転移のきっかけにも
いずれ、体は元気であっても車の運転に限度を感じた時には、万が一にもどんな小さな事故でもそれを発生させる前に、列車に切り替えるきっかけを作ってくれる魅力がシニア全線パスにはあると感じています。
加えて、列車での移動、乗車自体を楽しむことが、列車利用の長続きの秘訣と思います。
 
シニア全線パスの価格を見直してでも、購入希望者には全員発売してくれること、シニア世代の車から鉄道への転移の有効策としても、他の鉄道会社でも同様の企画をされることを願っています。

※写真は本文と無関係です。