平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

新快速の一部組み換えにより北陸線近江塩津駅の接続を改善する方法

近江塩津の乗り継ぎ待ち時間が長すぎる北陸線米原敦賀普通列車の改善策を考えます

昨日の拙「北陸新幹線敦賀開業後 名古屋「しらさぎ」と米原止まり列車との状況を比較する」の関連編です。

今回は、北陸線米原敦賀普通列車ダイヤを見てみます。

 

普通列車の所要時間は?

普通列車による米原敦賀の所要時間は、直通列車では下り米原発で約47分、上り敦賀発で約50分です。

米原発下りで10時台から16時台までは、近江塩津湖西線からの敦賀行きに乗り換えとなり、待ち時間は27分で、所要1時間14分を要します。

上りも同様で、近江塩津湖西線直通列車と分かれ、米原行きに乗り換えますが、9時台から16時台まで近江塩津で28分の待ち時間を経て、所要1時間19分です。

米原敦賀を早く移動したいなら下り所要28分、上り同32分の「しらさぎ」でというダイヤです。

 

上り列車の方が5分ほど時間がかかるのは、敦賀新疋田の上り線で、上り急勾配での貨物列車対策として鳩原ループ線により走行距離を長くすることにより、機関車補機の連結を省略するのが主眼です。

東海道線大垣→関ヶ原の(旧)新垂井駅経由専用線と類似した、貨物列車の急勾配補機連結省略のための迂回線です。

 

実際の米原敦賀の列車ダイヤを見る

一例として、北陸線米原12時01分発近江塩津行きで見てみます。

この列車は米原始発ではなく、姫路9時26分発(土曜・休日は網干発9時14分発)の新快速の、北陸線直通列車です。

京都は11時00分発で、米原に11時55分着後、米原を12時01分に近江塩津に向けて発車します。

米原までは新快速、米原近江塩津普通列車です。

近江塩津に12時34分到着後、湖西線経由の13時01分発敦賀行きまで27分待ちます。

 

この湖西線経由13時01分発敦賀行きは、姫路10時11分発(土曜・休日は網干発9時58分発)新快速の、湖西線経由敦賀直通列車です。

京都は11時45分発で、近江舞子までは新快速、近江舞子敦賀普通列車です。

 

京都発を基準に、上りの東海道線湖西線の新快速だけで見てみます。

京都00分発が米原経由近江塩津行き、15分発が東海道線野洲行き、30分発が草津行き、45分発が湖西線経由敦賀行きです。

 

上り新快速の行き先パターンを組み替えれば近江塩津待ち時間は12分に縮められる

あくまで机上の理論ではありますが、京都15分発野洲行きを米原経由近江塩津行きと入れ替えれば、近江塩津の接続待ち時間27分は12分へと縮まります。

または京都45分発湖西線経由敦賀行きを30分発にして草津行きと入れ替えれば、同様に近江塩津の待ち時間が27分から12分に短縮できます。

 

京都を毎時45分発の新快速敦賀行きを30分発にするのが最良?

この新快速ダイヤパターンの変更は、あくまで北陸線米原敦賀普通列車の全線移動効率を向上するのが主眼であり、他の路線との接続の影響は考慮していない案です。

この変更によって、とくに米原での東海道線大垣方面、敦賀での福井方面の接続はどうなるでしょうか。

東海道線米原-大垣はJR東海区間になりますが、30分間隔の設定です。

現ダイヤは、米原経由近江塩津行き新快速は米原55分着後、大垣行きが00分発なので理想的になっています。

下りも大垣発普通列車米原47分着後、下り新快速は50分発で、これも理想的です。

その意味で、米原経由の新快速は上下列車とも時間を変更しない方がよいということになります。

 

近江塩津接続は改善できても、福井方面接続に別の課題

そうなると結論は、湖西線経由の新快速の時間設定を15分繰り上げるのがよいということになります。

ただしこれも米原での東海道線相互接続重視の視点であり、敦賀での福井方面接続の影響までは考慮していない案です。

敦賀普通列車は毎時1往復、下りは40分前後の発車時間です。

現ダイヤは湖西線経由新快速が敦賀に毎時15分着後、40分頃に福井方面に向けて発車していくパターンで、敦賀で25分程度待つダイヤです。

これが37分待ちになってしまうのが難点です。

 

福井側からの列車は敦賀に毎時05分頃に到着し、敦賀始発の新快速は毎時23分発で、18分前後の待ち時間です。

敦賀始発の新快速を毎時38分発にすると、近江塩津での米原方面接続時間は短縮されますが、敦賀での相互接続が33分発に延び、これも難点です。

 

北陸新幹線敦賀開業後のハピラインふくいの敦賀発着ダイヤに注目

北陸新幹線敦賀開業後、敦賀以北の北陸線第三セクター化され、敦賀大聖寺は「ハピラインふくい」に変わります。

敦賀-福井の列車ダイヤはどのように変わるでしょうか。

仮に現状ダイヤをそのまま踏襲すると、大阪「サンダーバード」、米原・名古屋「しらさぎ」の接続は別として、福井方面行きは毎時37分待ち、福井発敦賀行きは毎時33分待ちへと、いずれも逆に待ち時間が拡大してしまうのが痛手です。

ちなみに現在の福井での北陸線下り普通列車乗り継ぎは、毎時1往復設定ではありますが、40分以上待つ時間帯が多くあります。

 

こうしてみると、ダイヤ改正とは接続の利害を考えると、彼方(あちら)立てれば此方(こちら)が立たずの世界で、両方を満足させることは難しいこと、ダイヤ作成の至難をあらためて感じます。

 

現状では米原敦賀方面の場合、9時30分発までと16時27分発以降は敦賀直通または長浜、近江塩津乗り換えがあるが接続は良好であること、急ぐなら「しらさぎ」があることで受け止めていくしかないでしょうか。

ハピラインふくいとJR西日本との今後の連携ダイヤに期待したいところです。

 

なお、19時以降の湖西線普通列車近江塩津止まりや永原止まりの傾向が高まっていきます。

湖西線列車から北陸線米原発列車への乗り継ぎとなり、昼間と逆の現象になるのが興味深いところです。

また、永原止まりの列車では近江塩津までの残1駅間がつながらず、北陸線接続の役目は果たしていません。

 

2024年3月16日以降の北陸新幹線開業後の、米原敦賀の列車利用状況について、昨日の米原しらさぎ」とともに、普通列車の状況も着目していきたいと思います。

 

※写真は本文と無関係です。