大阪-福井の3分短縮なら敦賀-福井所要40分の快速効果
北陸新幹線敦賀開業後、大阪-福井の時間短縮が現在と比べて3分ということが話題になっています。
3分ということから、様々な形容詞を付けて「わずか3分」「たった3分」「3分にとどまる」などと表現、評価されているようです。
大阪側からの最短所要時間及び短縮効果時間として、大阪-富山2時間35分(29分短縮)、大阪-金沢2時間9分 (22分短縮)、大阪-福井1時間44分(3分短縮)とのことです。
今回は、新幹線乗り継ぎで3分短縮の大阪-福井について考えてみたいと思います。
敦賀での新幹線乗り換え標準時分は?
敦賀での新幹線乗り換え時間はまだ不定ですが、敦賀での乗り換え時間を計算してみたいと思います。
東京からの北陸新幹線最速達列車での所要時間は、東京-福井2時間51分、東京-敦賀3時間8分です。
この最速達列車が福井で1分停車と仮定すると福井-敦賀は所要16分となります。
一方、敦賀停車の特急「サンダーバード」では、現在の最速列車は同33号の1時間17分です。
この1時間17分と福井-敦賀16分を合計すると、列車乗車時間としては1時間33分となります。
大阪-福井1時間44分(3分短縮)の案内時間から差し引くと、敦賀での「新幹線との乗り換え標準時分」は11分とみられます。
整理すると、大阪発-「サンダーバード」1時間17分-敦賀着-乗換11分-敦賀発-「つるぎ」「かがやき」16分-福井着、計1時間44分です。
一部では10分または8分との情報もあり、実際に敦賀での「新幹線との乗り換え標準時分」を何分とするかはJR西日本の公表を待つことになります。
大阪-福井の所要時間短縮と運賃・料金とのバランスは
現在の大阪-福井の最速列車は「サンダーバード37号」の所要1時間47分です。
この37号と、新幹線乗り継ぎ1時間44分との時間差が3分ということになります。
37号は敦賀を通過しており、大阪-金沢間は新大阪、京都、福井の3駅だけの停車です。
それが今後の大阪-福井は敦賀停車(敦賀止まり)に変わり、大阪から1時間17分乗車、乗り換え11分、新幹線で敦賀から16分に変わります。
運賃・料金は、現在の福井直通「サンダーバード」指定席で6,140円、今後は新幹線指定席と合わせ7,290円へと1,150円増となります。
時間的には3分短縮の対価が指定席の場合で1,150円となります。
越前たけふ停車の新幹線乗継は3分短縮が1分増に?
ここでいう「3分短縮」とは、北陸新幹線敦賀-福井で、途中の越前たけふ駅を通過する新幹線列車を前提とした時間と考えられます。
北陸新幹線で越前たけふ駅を通過する「かがやき」は7往復、「つるぎ」は9往復、計16往復です。
そのため、全列車での相互接続があったとすると9往復は越前たけふ停車の列車乗り継ぎになります。
北陸新幹線は通常1駅停車で4分間、所要時間が延びます。
敦賀-福井は越前たけふ通過型列車で16分、停車型で20分と考えられます。
大阪-福井での3分短縮が、越前たけふ停車型では4分増となって相殺すると1分の増加になってきます。
鉄道側の所要時間短縮案内は、今回の敦賀-福井に限らず、1本でも最速列車があればその時間で案内するのが通常です。
そこに「最速〇分」と、最速の文字を併記する場合もあります。
ハピラインふくいの敦賀-福井の快速設定
大阪-福井で見る限りは3分短縮、敦賀での乗り換え、料金負担増を総合すると、北陸新幹線のメリットはほとんどなく、むしろマイナス面の方が表面化してきます。
そうなると敦賀-福井の在来線を受け継ぐハピラインふくいはどうかということになってきます。
在来線の敦賀-福井は54km、最速50分、福井までは11駅、駅間距離平均4.9km、電車は2両または4両編成です。
特急退避がなくなるので、敦賀-福井は快速で40分、各駅停車で50分と予測されます。
快速の本数は情報を整理すると、朝夕に各2往復のようです。
この本数ですと、新幹線から快速の乗り継ぎは特定時間に限られそうです。
敦賀-福井の快速設定で大阪・名古屋-福井の需要を取り込む可能性
快速の所要40分、終着駅を含めて途中4駅停車、2両または4両編成での着席率、ハピラインふくいの新運賃等を総合しての、新幹線1,150円との差額比較判断になってきます。
大阪、名古屋から福井へ、敦賀-福井の快速が便利な印象を持たれれば同区間での需要は喚起できるのではないかと考えます。
ハピラインふくいには、敦賀-福井での快速設定による大阪・名古屋からの乗り継ぎ利用促進効果を期待します。
(※記載にあたり、中日新聞、2023年6月14日の「ハピライン快速5市町に停車 福井-敦賀40分の見込」を参考にさせていただきました。)