2024年から米原-新山口が転換クロスシート車のJR西日本普通列車の快適性
青春18きっぷでいろいろな路線に乗る計画を立てる中、東海道・山陽線という2大主要幹線を高速運転する普通列車で移動するのも楽しみの一つです。
東京-熱海のJR東日本区間は、ロングシート主体、一部が4人掛けボックスシートで2階建てグリーン車付きですが、最大15両編成の輸送力があります。
熱海-米原のJR東海区間では、今後の標準電車が315系となりました。
これまでの主役211系はロングシートではありますが、先頭車の乗務員室と客室の境の窓が大きく、前面展望ができる点には魅力がありました。
315系は211系と正反対に仕切り壁の面積割合を多くして、前面展望がほとんどできない構造としました。
ロングシートは211系思想を踏襲しています。
その結果、熱海-米原での移動の楽しみが減りました。
前面展望可能な大窓が乗務員側の安全確保上で支障をきたしたか、または精神的負担があったか、いずれにしても今後の主体となる形式電車の先頭部展望の閉鎖化、縮小化の思想は残念です。
223系、225系で12両編成を組成します。
座席は全席転換クロスシート、運転席の前面展望は開放的、時速130km/h運転、姫路まで198.4キロ、約2時間30分で特別料金がない姿勢には、並行私鉄との競合事情があるとはいえ、改めて素晴らしいサービスと感じます。
姫路-新山口404.4キロに227系転換クロスシートの新たな魅力
姫路から先の山陽線は以前、ロングシートではないものの、国鉄時代の113・115系4人掛けセミクロスシートを中心としたイメージもありました。
2015年から227系が投入され、山陽線福山-新山口、呉線、可部線に充てられました。
227系は転換クロスシートで、広島ではRed Wing(未来へ羽ばたく赤い翼)の愛称があります。
岡山には227系がUrara(うらら)の愛称で新たに投入されました。
現在の岡山への227系は山陽線では岡山から三原までの運用です。
山陽線姫路(網干)-岡山は列車本数の少ない区間で、車両改善もあまり期待できないと受け止めていましたが2024年1月20日から、山陽線では岡山から姫路まで運用を開始するとのことです。
同時に伯備線でも新見まで乗り入れます。
それが実現すると、米原から新山口まで602.8キロが転換クロスシートで移動できることになり、青春18きっぷ利用者には夢のような嬉しい話です。
可部線、呉線、宇野線、本四備讃線(瀬戸大橋線)児島までも運用されています。
227系おかげで青春18きっぷの普通列車旅も一層楽しくなりそうです。
他のJRに普通電車の座席はどのような状況でしょうか。
JR九州では福岡圏内を中心とする混雑緩和として、813系の全車両を転換クロスシートをロングシートに改造することを決定しており、JR西日本とは正反対の方向に進んでいます。
JR東海の315系、JR東日本の横須賀線・総武快速線のE235系、JR北海道の737系なども同様です。
その意味で、JR西日本の山陽線を中心とする227系転換クロスシートの思想は喜ばしいものです。
同じ227系でも紀勢線、和歌山線、桜井線ではロングシートですが、それだけはやや残念です。
227系Urara(うらら)とは?
同じ227系でも広島では愛称をRed Wingに対して、岡山ではUrara(うらら)としました。
JR西日本Uraraパンフレットによると「うらら」とは日差しが柔らかく、太陽がのどかに照っている様子をあらわす和語 とのことです。
「うらら」という言葉の優しい空気感、表情や響きが、岡山・備後エリアの豊かで穏やかな気候、風土をイメージ心地良く伝えるとの内容でした。
快晴でのどかに陽が照っている「うららか」の意味合いも含まれているかと思われます。
この愛称を現地で耳にすると、1973年にリリースされた流行歌を連想してしまうのは年代のせいでしょうか。
「うらら」の歌詞は当初「ららら」とのことでしたが、作詞者が「うらら」に変えて当時大流行しました。
この「うらら」には特に意味はないようですが岡山、広島で227系に乗る都度、頭の中で歌いだしそうなほどインパクトのある曲と歌詞でした。
※写真は本文と無関係です。