平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

ひたちなか海浜鉄道 国営ひたち海浜公園延伸までの誘客策を考える

国営ひたち海浜公園を沿線に持つ、ひたちなか海浜鉄道の利用促進策を探ります

昨日の拙「臨時特急『冬を満喫!海浜公園号』高崎-勝田の両毛・水戸線経由を考える」の関連編です。

「冬を満喫!海浜公園号」をはじめ、通常の常磐線列車で勝田到着後、国営ひたち海浜公園(以下、「海浜公園」)へ向かう際には、ひたちなか海浜鉄道も選択肢になりますが、実際に列車に乗っていく人はどの程度でしょうか。

今回は、ひたちなか海浜鉄道について考えてみました。

 

勝田から海浜公園までの列車とバスの選択

地図で見ると、ひたちなか海浜鉄道那珂湊を経由するため、南東の方向に迂回しながら阿字ヶ浦へ北上しています。

国営ひたち海浜公園のサイトを見ると、ひたちなか海浜鉄道湊線の勝田-阿字ヶ浦全線約30分乗車の後、 阿字ヶ浦駅から海浜公園西口までバスで約10分、または海浜公園南口まで徒歩約20分との案内があります。

日中の阿字ヶ浦発着列車は約40分間隔です。

これに対して、勝田-海浜公園の路線バスは約6キロ、16分ほどで、日中の運転本数も列車の倍近くあります。

ただし渋滞時のバスの所要時間は別です。

移動時間的、運賃的にみると、ひたちなか海浜鉄道での海浜公園の訪問は不利な状況であることは否めません。

 

ひたちなか海浜鉄道の阿字ヶ浦-海浜公園の延伸計画

ひたちなか海浜鉄道は勝田-阿字ヶ浦14.4キロ、全11駅、所要28分の状況です。

年間約200万人が訪れる海浜公園への鉄道アクセスの利便性を向上するため、ひたちなか海浜鉄道が第一段階として、まず阿字ヶ浦から海浜公園南口付近まで延伸し、次の段階として終着駅の海浜公園西口まで延伸の方向性が決まった旨の報道もありました。

先行開業を目指す阿字ヶ浦-海浜公園南口は1.4キロ、最終の阿字ヶ浦-海浜公園西口では距離は3.1キロです。

勝田-海浜公園西口の総距離数は17.5キロになります。

茨城県が新駅付近に工業団地を造成し、鉄道利用を促すとのことです。

勝田から阿字ヶ浦行きと、海浜公園行き(仮称)とでは印象がまったく異なります。

運賃と乗車時間はさておき、海浜公園行きの行き先表示を見れば列車選択に貢献することは確かで、開業が期待されます。

 

ひたちなか海浜鉄道の利用促進策は

ひたちなか海浜鉄道海浜公園まで延伸するまでには、少なくとも5年はかかりそうです。

そのような状況下で、海浜公園輸送を初めとして、ひたちなか海浜鉄道の利用をいかに促進していくかになります。

ひたちなか海浜鉄道のホームページは利用促進にも熱意を感じ、情報としては十分な内容です。

それを承知の上で、筆者の考える施策を書きたいと思います。

 

◆列車ダイヤについて

毎時約40分間隔で、勝田駅常磐線上りホームと隣り合う構造の点も考慮して、常磐線上り列車接続を重視していることは理解できます。

全線所要28分、中間の那珂湊まで両端の駅からいずれも約12分で、ダイヤ構成上、位置的にも有利な駅です。

一方、約40分間隔のダイヤとはいえ、きれいな40分間隔運転にした方が分かりやすい、利用しやすいのではないかとも思います。

例えば10時00分・40分、11時20分、12時00分・40分というダイヤです。

途中駅で10時09分・49分、11時29分、12時09分・49分となっていても、1の位の数字が「9」ということで、覚えてもらいやすい、乗りやすい心理効果があります。

ダイヤ面での面白みには欠けますが、時刻表がなくても覚えられるダイヤの方が、利用促進に優先と思います。

 

常磐線上り接続重視ダイヤなら

勝田始発の「ときわ」は毎時47分発、日中の普通列車は毎時24分または25分発です。

この2列車の接続を重視すれば、ひたちなか海浜鉄道の勝田着は毎時00分・40分、1時間後の20分着の、2時間サイクルでの同時間発着が考えられます。

30分間隔にできれば、「ときわ」と普通列車接続は毎時同じになり、一層分かりやすくできます。

ただし、勝田、阿字ヶ浦での折り返し時間に余裕はなくなります。

また、海浜公園延伸時は全線の所要時間と、那珂湊海浜公園側の区間の所要時間が延びることでの考慮が必要になってきます。

 

◆列車ダイヤ以外のことについて

〇 ホームページ時刻表で、常磐線下り列車からのひたちなか海浜鉄道接続列車も掲載する

→ 上り列車は掲載済みですが、下り列車にも掲載が望まれるところです。

勝田では、ひたちなか海浜鉄道の列車に乗る前に勝田駅に立ち寄ってとの思いとはまた別です。

〇 行政側のホームページで、ひたちなか海浜鉄道のことにも触れる

→ JR常磐線勝田駅から約1km、徒歩15分の案内はありますが、ひたちなか海浜鉄道も添えたらどうかと考えます。

〇 各車両の個性をPRする

→ キハ11形・37100形・3710形・205形、ミキ300形の持つ特徴の詳細を、鉄道ファン向けに伝えます。

〇 各駅周辺の見どころをPRする

→ 中根駅付近の水田、殿山駅付近の海岸風景、平磯駅の長いホームなど。

〇 フリー切符による通年発売を考慮する

→ 勝田-阿字ヶ浦片道570円で、フリー切符600円はかなり安価です。

行政側の補助金上限に達するまでが前提の発売ですが、価格を900円前後にしての通年発売はいかがでしょうか。

〇 全線下車達成者に粗品を進呈する

→ フリー切符購入後、当日中に全11駅を途中下車し、駅周辺に関心を持っていただくものです。

〇 阿字ヶ浦駅から海浜公園南口までの徒歩ルートを写真で掲示する

〇 那珂湊駅からおさかな市場まで約1.7キロの徒歩ルートを写真で掲示する

〇 JR東日本と連携して、青春18きっぷによる東京-勝田-阿字ヶ浦-海浜公園の日帰り観光モデル時間をPRする

〇 ひたちなか海浜鉄道の途中駅下車による駅周辺観光一日ルートをPRする

〇 鹿島臨海鉄道と連携して、「高田の鉄橋」駅から大洗鹿島線常澄駅までのウォーキングルートを開拓する

〇 JR東日本鹿島臨海鉄道と連携して、水戸駅→勝田→那珂湊駅→おさかな市場→アクアワールド茨城県大洗水族館→大洗鹿島線大洗駅水戸駅までのウォーキングルートを開拓する

〇 地域と連携して列車利用促進企画を協議、実施する

→ なぜ列車に乗らないか、列車を避けるかを把握、分析し、前向きな方向への施策を立案する

 

提案は以上ですが、いささかありふれた、言いつくされた内容ではあることは否めません。

 

机上の空論、よそ者からの提言について

以下は余談です。

ひたちなか海浜鉄道とは違う、別の一部鉄道関係者の方からの言葉で、列車に乗っていない、よそ者の声など聞く必要はない、乗らないで何が分かるのか、実際に乗ってからモノを言え、机上の空論だという内容を時折り、目にします。

まさに正論であり、正論について筆者は何も言うことはありません。

その正論で行けば筆者の拙ブログの半分はカットになります。

鉄道会社の皆様方が読む、読まないは自由に決めていただき、意見の土俵にも乗らないなら無視していただければよいと思います。

 

飲食業で言えば、実際にその店舗で食事をしていない者がモノを言うことと、列車に乗っていない者が言うこととは、公共性として異なる点があると考えますが、当事者の方々からすれば現地の列車に乗ってからモノを言うのが常識ということについて否定はしません。

ただ、書くべきでないという部分では、鉄道についての筆者の見解は異なります。

少なくとも筆者自身は鉄道の発展を願って、問題点の提起にとどまらず、批判でなく建設的な意見を前提として、拙意見がいずれお役に立てればという思いで書いているだけです。

たとえ机上の空論であっても鉄道の場合、公共性の見地から必ずしも100%、現地列車に乗らずして書くべきでないとは思っていません。

おこがましいかもしれませんが、現地を知らないことでの客観性や、先入観のない視点も時にはあると思っています。

何も知らないものが職場に配属された際、慣例で決めつけていた仕事の手順や発想について、当事者では思いつかなかった次元での指摘により改善に役立つ事例を何度か見てきたからです。

それは鉄道会社の方が、別の鉄道会社を見て思いつかなかった発見とはまた違うものです。

 

乗らない者、語るべからずかどうかの判断は読者の皆様それぞれの見解、判断に委ねたいと思います。

それはアクセス数の変化が一つの目安になると思いますが、筆者はよそ者なりに続けていきたいと思っています。