平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

JR東日本が特急愛称に「スーパー」を冠する基準とは?

「スーパーつがる」で速達を伝えたいなら、大宮のみ停車の速達「とき」を「スーパーとき」にするか?

JR東日本秋田支社は2024年3月ダイヤ改正で、秋田-青森の特急「つがる」3往復のうち1往復を「スーパーつがる」に変更します。
「スーパー」の呼称をやめたJR東日本が、今回再び「つがる」で「スーパー」を付けるのはなぜでしょうか。
これに関して、朝日新聞社デジタル(地域)、2024年1月17日付け「『スーパー の特急が復活 JR東日本、今春から『スーパーつがる』」の記事を拝見しましたので、一部を引用させていただきます。
 
(以下引用)
JR東日本管内では、かつて「スーパーひたち」や「スーパーあずさ」などが走っていたが、2020年3月に首都圏と伊豆を結ぶ「スーパービュー踊り子」を最後に、管内の特急から「スーパー」の呼称が消えた。JR東日本の広報担当者は「車両の統一が進み、差別化をする必要がなくなった」という。
~中略~
秋田―青森駅間の所要時間は従来よりも11~14分短縮され、最速2時間31分となる。「スーパー」の呼称の採用について、JR秋田支社は「都市間の輸送力を強化して利便性を高め、10分以上の所要時間の短縮を分かりやすくPRするため」とする。
(以上引用)
 
列車愛称に「スーパー」を付けることに目くじらを立てることもないかもしれませんが、「車両の統一が進み、差別化をする必要がなくなった」ことと、「都市間の輸送力を強化して利便性を高め、10分以上の所要時間の短縮を分かりやすくPRするため」の両方の考えを聞くと、JR東日本全体としての「スーパー」の考え方はどちらの方向性なのか、わからなくなってくるところがあります。
 
車両的には差別化(区別化)のない「スーパーつがる」
「スーパーつがる」の意義は何でしょうか。
秋田-青森で最速の「つがる1号」の所要2時間40分を最短2時間31分と、9分短縮すること。
現「つがる3号」が改正後「スーパーつがる1号」となり、所要2時間42分が2時間31分となって11分短縮すること。
同じく現「つがる4号」が改正後「スーパーつがる2号」となり、2時間46分が2時間32分となって14分短縮すること。
以上の点を沿線に伝えたいJR東日本秋田支社の気概の結果かと感じます。
 
一方、「スーパーつがる1・2号」の車両は「つがる」と同じE751系です。
「車両の統一が進み、差別化をする必要がなくなった」こととは一致しないことになります。
「スーパーつがる1・2号」の時間短縮は速度向上によるものではなく、停車駅の削減の結果です。
具体的には、八郎潟森岳二ツ井碇ヶ関、浪岡の5駅を通過とし、東能代鷹ノ巣、大館、大鰐温泉弘前新青森の6駅に停車駅を絞った結果によるものです。
 
速達性、時間短縮を強調したいから「スーパー」復帰?
全線所要2時間31分の速達性、時間短縮を強調したいことはわかりますが、その考え方で「スーパー」を冠するならば、上越新幹線で大宮のみ停車の「とき311・312号」、盛岡-新函館北斗新青森のみ停車の「はやぶさ7・13・44号」なども同様になってきます。
とくに「とき」の場合、東京-新潟所要2時間14分の各駅停車型でも、所要1時間29分の大宮のみ停車型でも同じ「とき」のため、後者の時間短縮イメージは伝わりにくくなっています。
「つがる」の時間短縮の強調で「スーパーつがる」にするなら、大宮のみ停車型の「とき」は「スーパーとき」にしてはどうかと感じます。
新幹線は別格で、「スーパー」は不要という見解でしょうか。
 
大幅に所要時間が異なる定期列車用E353系と、臨時用E257系の中央線「あずさ」
中央線「あずさ」にも同様の現象があります。
定期列車はE353系、臨時列車はE257系で棲み分けていますが、新宿-松本で30分以上の所要時間差があり、E353系の方が「スーパー」型です。
車両の形式の違いによる所要時間差の結果から、愛称で区別化してもよかったksとも思いますが、どちらも「あずさ」であり、高速のE353系に「スーパー」は冠していません。
中央線では、愛称を増やすよりも松本側列車は「あずさ」、甲府側は「かいじ」、河口湖側は「富士回遊」として、それ以上の愛称はをやたらに増やさない方向性と思われます。
 
そうした意味では「あずさ」、速達「とき」と合わせ、JR秋田支社の「つがる」の「スーパー」復活にはやや疑問が残ります。
秋田-青森の独立区間にまでどうこう言うなということかもしれませんが、「スーパーつがる」よりも「かもしか」「岩木山」など、別の愛称にしたらどうかと考えますが、いかがでしょうか。

 

(※ 記載にあたり、2024年1月17日付け、朝日新聞社デジタル(地域)、「『スーパー の特急が復活 JR東日本、今春から『スーパーつがる』」を参考にさせていただきました。)

 

※写真は本文と無関係です。