「スーパーつがる」で速達を伝えたいなら、大宮のみ停車の速達「とき」を「スーパーとき」にするか?
「スーパー」の呼称をやめたJR東日本が、今回再び「つがる」で「スーパー」を付けるのはなぜでしょうか。
(以下引用)
JR東日本管内では、かつて「スーパーひたち」や「スーパーあずさ」などが走っていたが、2020年3月に首都圏と伊豆を結ぶ「スーパービュー踊り子」を最後に、管内の特急から「スーパー」の呼称が消えた。JR東日本の広報担当者は「車両の統一が進み、差別化をする必要がなくなった」という。
~中略~
秋田―青森駅間の所要時間は従来よりも11~14分短縮され、最速2時間31分となる。「スーパー」の呼称の採用について、JR秋田支社は「都市間の輸送力を強化して利便性を高め、10分以上の所要時間の短縮を分かりやすくPRするため」とする。
(以上引用)
列車愛称に「スーパー」を付けることに目くじらを立てることもないかもしれませんが、「車両の統一が進み、差別化をする必要がなくなった」ことと、「都市間の輸送力を強化して利便性を高め、10分以上の所要時間の短縮を分かりやすくPRするため」の両方の考えを聞くと、JR東日本全体としての「スーパー」の考え方はどちらの方向性なのか、わからなくなってくるところがあります。
車両的には差別化(区別化)のない「スーパーつがる」
「スーパーつがる」の意義は何でしょうか。
秋田-青森で最速の「つがる1号」の所要2時間40分を最短2時間31分と、9分短縮すること。
現「つがる3号」が改正後「スーパーつがる1号」となり、所要2時間42分が2時間31分となって11分短縮すること。
同じく現「つがる4号」が改正後「スーパーつがる2号」となり、2時間46分が2時間32分となって14分短縮すること。
以上の点を沿線に伝えたいJR東日本秋田支社の気概の結果かと感じます。
一方、「スーパーつがる1・2号」の車両は「つがる」と同じE751系です。
「車両の統一が進み、差別化をする必要がなくなった」こととは一致しないことになります。
「スーパーつがる1・2号」の時間短縮は速度向上によるものではなく、停車駅の削減の結果です。
速達性、時間短縮を強調したいから「スーパー」復帰?
全線所要2時間31分の速達性、時間短縮を強調したいことはわかりますが、その考え方で「スーパー」を冠するならば、上越新幹線で大宮のみ停車の「とき311・312号」、盛岡-新函館北斗で新青森のみ停車の「はやぶさ7・13・44号」なども同様になってきます。
とくに「とき」の場合、東京-新潟所要2時間14分の各駅停車型でも、所要1時間29分の大宮のみ停車型でも同じ「とき」のため、後者の時間短縮イメージは伝わりにくくなっています。
「つがる」の時間短縮の強調で「スーパーつがる」にするなら、大宮のみ停車型の「とき」は「スーパーとき」にしてはどうかと感じます。
新幹線は別格で、「スーパー」は不要という見解でしょうか。
大幅に所要時間が異なる定期列車用E353系と、臨時用E257系の中央線「あずさ」
中央線「あずさ」にも同様の現象があります。
車両の形式の違いによる所要時間差の結果から、愛称で区別化してもよかったksとも思いますが、どちらも「あずさ」であり、高速のE353系に「スーパー」は冠していません。
そうした意味では「あずさ」、速達「とき」と合わせ、JR秋田支社の「つがる」の「スーパー」復活にはやや疑問が残ります。
(※ 記載にあたり、2024年1月17日付け、朝日新聞社デジタル(地域)、「『スーパー』 の特急が復活 JR東日本、今春から『スーパーつがる』」を参考にさせていただきました。)
※写真は本文と無関係です。