中間改札口方式導入は、乗換は川口でなく赤羽でという誘導策の産物か?
京浜東北線だけが停車する川口駅に、2037年以降を目途に東北・高崎線(上野東京ライン。以下、「中電」)にもホームを設置、停車することになりました。
将来、羽田空港アクセス線による羽田空港直通も中電の川口停車で可能になる夢も描いています。
当初の計画では湘南新宿ラインの川口停車も望んでいたようですが、埼京線との線路共用による混雑や本数等から見送られました。
以下、旅行総合研究所タビリスの記事から2件、引用させていただきます。
(以下引用)
公表した計画案によりますと、駅の西側の市有地を活用してホームを新設。京浜東北線ホームとの間に改札口を設置します。JRホーム間に改札口を設けるのは異例ですが、乗り換え客を赤羽駅に誘導し、川口駅を混雑させないための措置とみられます。
JR川口駅、400億円『中距離電車ホーム』は必要か。悲願実現へハードル高く」から
中距離電車の専用改札口を作る案。つまり、京浜東北線と中電との乗り換えには改札外を経由しなければならない形にするわけです。乗り換えを不便にすることで、駅舎通過客を抑えるという方法です。
しかし、これらは「奇策」にすぎず、いずれもJR側に拒否されたようです。
(以上引用)
今回は、中電の川口停車に伴う、同駅の改札口について考えてみたいと思います。
同じJR東日本在来線のホーム間に別々の改札口を設ける異例な発想
上記引用させていただいた中でのご指摘のとおり、川口駅では中電ホーム設置にあたり、京浜東北線と中電との乗り換え混雑を避けるため、それぞれに改札口を設け、乗り換えには一旦、改札口を出て再び入場させる形をとるようです。
乗り換えは川口でなく赤羽を使ってもらうべく、川口駅の乗り換えを意図的に不便にするということです。
しかしながら、中電にもホームを設置する以上、京浜東北線との乗り換えが発生することは必然のことであり、中間改札口を置いて乗り換えを不便にする発想には疑問が残ります。
乗り換えるなら今までどおり隣の赤羽を使ってというのは、川口市側の考え方であり、いささか強引であり、無理のある論法の印象を持ちます。
ホーム上の混雑も同様です。
川口駅ホームが新たな乗り換え客の発生で混雑することも嫌ったかもしれません。
川口は乗り換えが不便、億劫だから、通路やホームが混雑するから赤羽の乗り換えへと誘導するのは限度があり、無理もあると思います。
川口での乗り換えを、自動改札機という媒介を使って意図的に億劫にさせて、赤羽への誘導すればJR東日本側の姿勢にも疑問がもたれてきます。
前記タビリス、2021年4月8日付け記事では「JR側に拒否されたようです」とありますが、その後、JR東日本は川口の乗り換えの不便さについては、地域が経費を負担するゆえに意向を受け入れたのでしょうか。
駅舎改築を含む地元負担から、この点については言えなかったのでしょうか。
中電から京浜東北線、京浜東北線から中電の、西川口~南浦和及び東十条~鶯谷の乗り換えは、川口はご遠慮ください、赤羽にしてくださいという川口市側の理論が、同じ川口市内の西川口駅や、周辺市でも理解されるでしょうか。
京浜東北線だけの乗り換えの川口で乗り換えたくなるのは自然なことです。
ICカードや乗車券での川口乗り換えはどうなるか
実際のところ、利用者が赤羽でなく川口で乗り換えたとしたら、川口駅でどのような動きになるでしょうか。
川口を通過(経由)駅とする定期券所持の人は途中下車ができるので、中電改札口を出て京浜東北線改札口で再入場することはできます。
Suicaや乗車券はどうなるでしょうか。
東京メトロのように、一定時間内に限り、運賃を通算する方式にするのでしょうか。
その場合、乗車券所持者は、京浜東北線乗り換えの場合、特定の自動改札機通路から通ることで切符が回収されないようにするのでしょうか。
それともSuica、乗車券は、川口での運賃計算の打ち切り、下車扱いにされるのでしょうか。
もしも半強制的に川口下車扱いにされるとすれば、さらに新たな議論を生むことは避けられません。
京浜東北線より中電の方が停車駅が少ないこと、高速運転、時間短縮、編成両数が長く輸送力があることは、利用者は既に認識していると思われます。
川口駅での乗り換え混雑、混乱を避けるというのならば、混乱しない乗り換え通路の数や通路の幅の確保で対処するのが先決であり、少なくとも中間改札方式で抑制することではないと考えます。
(※ 記載にあたり、
※写真は本文と無関係です。