平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

成田空港新駅開業時までに成田スカイアクセス線の全線複線化を

JR成田空港支線よりも成田スカイアクセス線の複線化が速達面で効果的

旅行総合研究所タビリス、2024年6月7日付け「成田空港新駅はどこになる? 2030年代前半に開業、東成田駅は存置か」を拝見しました。

成田空港の滑走路新設、延伸計画により、三つの旅客ターミナルを一つに集約することに関しての分かりやすい内容です。

当該記事から一部を引用させていただきます。

 

(以下引用)

新ターミナル開業により、鉄道線はどう変わるのでしょうか。

構想を聞く限り、現在の空港第二ビル駅の先でカーブしている線路を、直線方向に分岐させる考え方のようです。つまり、新駅は、現空港第2ビル駅の700~800mほど南東側、ということになるのでしょう。

~中略~

この形の場合、集約するのは「成田空港駅」と「空港第2ビル駅」の2駅のみとなります。

~中略~

京成スカイアクセス線やJR成田線の単線区間の問題については、新駅とは直接関係ないので、別途協議される話になりそうです。

(以上引用)

 

今回は、最終段の「京成スカイアクセス線やJR成田線の単線区間の問題については、新駅とは直接関係ないので、別途協議される話になりそうです。」の部分について考えてみたいと思います。

 

成田スカイアクセス線単線区間の複線化がもっとも効果的

成田空港の滑走路新設、延伸計画、旅客ターミナル集約を行なっていくならば、鉄道による成田空港アクセスの充実も必須の要件となってきます。

羽田空港への鉄道アクセスは、東京モノレール京急の二つのルートがあり、さらにJR東日本が東京駅から直接乗り入れられるよう、2031年度開業を目指して羽田空港アクセス線の工事も始まっています。

一方、成田空港の場合は、JR東日本総武線経由、成田線我孫子支線経由、京成本線成田スカイアクセス線の四つのルートがあります。

しかしながら、成田線我孫子支線経由は本数、所要時間、成田での乗り換え等が伴い、通常のアクセスルートとしては対象外の状況です。

総武線経由は「成田エクスプレス」の充実で行なっていますが、千葉を経由する線形により「スカイライナー」に比べて所要時間が長くかかりすぎています。

仮に今後、時速160km/h運転を実施するにしても成田-空港第2ビル間9.8キロに限られます。

「スカイライナー」同様の毎時3往復までは難しく、快速も毎時1往復にとどまります。

 

京成本線は毎時3往復ありますが、「スカイライナー」型速達列車は設定されません。

 

その結果、成田空港の滑走路やターミナル等の整備による鉄道アクセスの充実には、最高速度160km/h運転可能で、すでに「スカイライナー」毎時3往復設定の成田スカイアクセス線が中心となってきます。

東京都内は日暮里接続が弱みですが、日暮里-空港第2ビル所要36分のインパクトは大きいものがあります。

 

成田スカイアクセス線でのアクセス充実には、以下の要件が考えられます。

〇 日暮里-空港第2ビル間所要36分の「スカイライナー」の、一層の高速化による時間短縮化

〇 単線区間での列車行き違いによる列車交換で、「スカイライナー」でも同区間36分以上を要する列車の時間短縮化

〇 「スカイライナー」の満席時のフォロー、通過駅及び速達よりも運賃低廉を希望する利用者への対応として、「アクセス特急」の20分間隔化

〇 「スカイライナー」と、京成本線の成田空港発着列車での、それぞれ毎時20分間隔3往復と併せて、「アクセス特急」も毎時20分間隔3往復化することにより、成田空港発着列車の毎時合計9往復化

 

単線区間の複線化以外の輸送力増加策は

以上の4点を満たすには、成田スカイアクセス線成田湯川-成田空港新駅間の単線による本数制約と、根古屋信号場による列車交換では充足することには限度があり、同区間の完全な複線化が必要不可欠な要件になってきます。

単線区間で20分間隔設定列車の時速160km/h運転には、若干の心理的不安も伴います。

また、通過駅での安全確保のため、時速130km/h運転区間であっても、ホームドアの整備も望まれるところです。

複線化とホームドア整備により、京成高砂-印旛日本医大での130km/h、印旛日本医大-空港第2ビルでの160km/hの最高速度がさらに向上できる要件が整ってくると考えます。

 

「スカイライナー」を15分間隔で輸送力を増強するには都営浅草線京急との関連もあって難しいと思われます。

そうなると、「スカイライナー」8両編成の10両化、12両化も考えられます。

また、京成本線京成上野京成高砂間で、通過駅の曲線構造やトンネル面積等での条件が許すならばの前提ですが、「スカイライナー」車両について、東京メトロ日比谷線のように18m車から20m車に代える手法も考えられます。

日比谷線営団地下鉄時代、20メートル車の導入はトンネル断面や曲線部分の事情で無理という話を聞いたこともありますが、東京メトロになって20メートル車が実現しています。

京成本線はどうでしょうか。

 

上記がいずれも不可であれば、現状以上の本数増加、輸送力増強、高速運転での時間短縮は難しくなってきます。

その際でも最小限、成田湯川-根古屋信号場の複線化だけは実施が望まれます。

 

有識者会議「新しい成田空港」構想検討会におかれては、鉄道アクセスにおける、単線により改善に支障をきたしている部分の議論も、成田空港整備充実に並行して進められるよう望みたいと思います。

 

(※ 筆記にあたり、旅行総合研究所タビリス、2024年6月7日付け「成田空港新駅はどこになる? 2030年代前半に開業、東成田駅は存置か」を参考にさせていただきました。)