平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

JR各社固有の「青春18きっぷ」版の発売状況をみる

JR西日本「WESTERポイント全線フリーきっぷ」だけは利用普及に課題

青春18きっぷの2024年夏版が発売されることになり、各所で安心の声が多い反面、今後は廃止の方向ではないかとの不安の声も聞こえます。

それは、JR各社が自社のみの「青春18きっぷ」版があるからというのが不安要因の一つとなっています。

そこで今回は、JR各社それぞれ固有の「青春18きっぷ」版の状況をみてみたいと思います。

 

JR東日本JR北海道は「北海道&東日本パス

JR東日本JR北海道普通列車IGRいわて銀河鉄道青い森鉄道北越急行も乗車可能。

1人で連続7日間使用が要件で11,330円(1日あたり1,619円相当、こども半額)、夏・冬・春用の3回発売されています。

 

JR四国は「四国再発見早トクきっぷ」

JR四国普通列車に、土曜・休日の1日間のみ有効で2,400円(こども半額)、土曜・休日限定の乗車で、前日までの購入が要件ですが、通年発売しています。

 

JR四国では、普通列車限定の「四国再発見早トクきっぷ」のほかに、土曜・休日の連続2日間、特急自由席にも乗れる「週末乗り放題きっぷ」12,000円、曜日にかかわらず連続3日間、特急自由席も乗れる「四国フリーきっぷ」18,000円も発売しています。

いずれも1日あたり6,000円相当で、こども半額です。

そのほか「若者限定四国フリーきっぷ」もあり、25歳以下限定で特急自由席に連続3日間乗車の夏・冬・春の季節限定で12,000円(1日あたり4,000円相当)です。

 

JR九州は「旅名人の九州満喫きっぷ」

JR九州普通列車のほか、私鉄・地下鉄・路面電車第三セクター鉄道路線も乗れます。

購入日から3か月以内に1人で3回乗車、または3人で同時に1回乗車などができ、11,000円(1回あたり3,667円相当)です。

 

このほかに、「ぐるっと九州きっぷ」3日間有効、15,800円(1日あたり5,267円相当、こども半額)があります。

「ぐるっと九州きっぷ」は特急券を別に購入すれば、特急にも乗車できます。

 

JR東海は「JR東海&16私鉄 乗り鉄☆たびきっぷ」

JR東海の在来線区間を対象とした普通列車のほか、JR東海路線に接続する私鉄・第三セクター路線にも乗れるフリー切符で、8,620円(1日あたり4,310円相当、こども4,040円)です。

名鉄近鉄は対象外です。

特急券を別に購入すれば、特急にも乗車できます。

東海道新幹線は、特急券の別購入により、「ひかり」「こだま」に計4回まで乗車できます。

 

余談ですが、JR東海東海道新幹線に注力しており、在来線には力を入れていないので、フリーきっぷを販売することはないという趣旨の記事を見たことがありますが、「JR東海&16私鉄 乗り鉄☆たびきっぷ」がJR東海のフリーきっぷに相当するのではないかと考えます。

 

JR西日本は新幹線・特急乗車も含めた「WESTERポイント全線フリーきっぷ」

JR西日本だけは、自社エリア全体を対象とする青春18きっぷJR西日本版、普通列車用のフリー切符はありませんでした。

今回、2024年夏の期間に、JR西日本J-WESTカードに入会して、「WESTERポイント」で貯めたポイントで「WESTERポイント全線フリーきっぷ」を購入する方法で企画しました。

3日間連続乗車の全ポイント型と、1日乗車の一部ポイント型の2種類に分かれ、JR西日本全線と智頭急行の特急・新幹線の指定席が利用できます。

一見すると山陽新幹線と特急の指定席に3日間9,000円、1日あたり3,000円相当で乗れるのかと食指が動きます。

 

利用できる人が大幅に限られる「WESTERポイント全線フリーきっぷ全ポイント型」

「WESTERポイント全線フリーきっぷ」の名称から、J-WESTカードのある人、WESTERポイントがある人だけが使える切符ということは伝わります。

「WESTERポイント」のポイント数は、全ポイント型では9,000ポイントが要件ですが、これではハードルが高すぎ、食指が弱まってしまいます。

一部ポイント型では1,000ポイントですが、別途14,000円が必要であり、1日だけ有効では魅力としてはどうでしょうか。

それ以前に「WESTERポイント」を貯めての購入という前提自体、JR西日本はカードを持たない人、持っていてもポイントの届かない人を最初から除外しています。

現金等で誰にでも購入できる方法では営業的に好ましくないのか、混雑につながるから避けたのか、JR西日本会員に対してだけの恩恵切符の位置づけで線引きしたのでしょうか。

 

他のJR5社では現金等で誰でも購入できるのに対し、「WESTERポイント」前提で、そのポイント数も高くしたJR西日本の姿勢には一考の余地があるのではないでしょうか。