閉まらなかったドアだけを再度開けられる再開閉装置の話です
電車の乗降ドアが閉まる際に、一部の乗客の体や荷物が車外に出ていて完全に閉まらなかったドアだけを一時的に開けられるのが再開閉装置です。
この装置がない電車では、全部のドアを一旦開けるしかありませんでした。
しかし全ドアを再度開けると、乗れなかったホーム客が他の扉から乗ってしまいます。
その後で全ドアを閉めても今度は別のドアが閉まらなくなります。
混雑する電車には不可欠な再開閉装置ですが、実際に活用はされているでしょうか。
新京成の状況を見てみました。
残念ながら再開閉装置があまり生かされているとは言えない印象でした。
ドアを閉めた後の車掌の手の先は、ドアスイッチの、全ドアを閉める上段側から、全ドアが開く下段側に移動します。
万一の駆け込み乗車等を想定したものであり、基本操作といえます。
気になるのは、1枚のドアだけを再度開ける必要が生じた時に、再開閉スイッチ側に手の先は向かず、全ドアを開ける傾向があることです。
こちらは素人なのでプロの行動に口を挟むのは慎むべきですが、1枚のドアだけ再開閉が必要な時でも、2~3回繰り返して全ドアを再開閉する操作には疑問が残ります。
最後部でドアスイッチをする車掌の手の先を見ていると、再開閉行為時において、全ドアが開く下段側から上段の再開閉スイッチ側に動いていない傾向が比較的多く見られました。
新京成の場合、ドアスイッチの上に乗務員連絡ブザーのボタンがあり、連絡ボタンの上に再開閉スイッチを置く配置です。
全ドアが開く側の位置から、再開閉スイッチの位置までは離れています。
その離れた距離の結果、全ドアを開けているのか、全ドアが一瞬だけ開いてもさほどの問題ではない認識でしょうか。
もちろんケースバイケースではあります。
個々の車掌の癖や再開閉装置への考え方で取り扱いが異なりますが、少なくとも折角の機能を使用しないのは宝の持ち腐れです。
もちろん再開閉スイッチを扱う人も見られますが、その割合が少ないように見受けました。
完全に閉まったドア付近に立つ乗客からすると、ドアを開けたり閉じたりする動作を3回繰り返されると不快の原因にもなってきます。
なぜ再開閉装置を使わないかという思いです。
一方、松戸駅で常磐線電車を見ると編成両数(新京成18m車6両、常磐快速20m車15両)、ドア枚数(同18枚対60枚)、乗客数等が新京成と異なることもありますが、再開閉装置は快速線、緩行線とも活用されていると見受けました。
なお、常磐線ではドア全閉を車掌から運転士にブザーで伝達する方式でなく、ドア全閉ランプを確認したら運転士は電車を発車させる点が新京成と異なります。
新京成のごく一部の電車運行を見てきただけの内容であり、運行する電車全体を確認したわけではありませんが、現在の感想をお伝えしました。