2023年3月18日実施のダイヤ改正内容で感じたこと
12月16日にJR各社と私鉄、地下鉄等のダイヤ改正概要が公表されました。
今回の公表は列車ダイヤが中心であり、料金設定や全車指定席化などには一部を除いて触れられていません。
2023年春からJR東日本首都圏管内等ではバリアフリー化の運賃加算計画があり、その関連があるのかもしれません。
自分が購読している新聞記事を見ると、今回は改正内容の掘り下げがなく、表面的にさらりと触れているだけの簡素なものでした。
以下、鉄道各社からの改正内容で感じた主な点を列記します。
青梅線:「ホリデー快速おくたま」が青梅を境に2列車に分けました。
新宿-青梅と青梅-奥多摩とで別列車となり、青梅で乗り換えですが、列車愛称はどちらも「ホリデー快速おくたま」です。
新宿-青梅の列車は奥多摩まで行かなくなるのですから、「ホリデー快速おくたまリレー」とした方がいいと思われます。
上越新幹線:所要1時間29分(上りは1時間31分)の最速列車の発車時間が東京、新潟とも9時12分発になったのは一瞬、偶然かと思わせます。
よく見れば、上りは現在9時05分発であり、時速275km/h運転による7分短縮で、同時間分を繰り下げれば下りと同じ9時12分になりますが。
仙山線:快速の一部が各駅停車化されます。
通過駅利用者の利便性向上を謳っていますが、その究極は北越急行ほくほく線の超快速の各停化です。
◆JR東海
東海道・山陽新幹線:N700系Sの車椅子スペース活用列車が50本、ビジネスブース設備活用列車が3往復設定されます。
時刻表冊子等にも今後「N700系Sで運転」の文字表記や専用マークでPRしていくと思われます。
東海道・山陽新幹線、北陸新幹線:最速列車により、1分の短縮であっても現地滞在時間の拡大を伝えています。
反面、博多18時59分発東京行き最終「のぞみ」には現地滞在時間拡大の視点で19時00分発にすることは今回も叶いませんでした。
東海道・山陽線:京阪神の新快速でAシート連結電車が2往復から6往復になります。
混雑時の確実な座席確保が趣旨ですが、日中に運用しないのはなぜでしょうか。
Aシートの日中利用は期待できないからというよりも、日中の乗客にとっては転換クロスシートの一般車で十分なこと、混雑時以外にはAシート指定席は余分な支出で無用と受け取られているのかどうか。
◆JR九州
山陽新幹線を含む九州新幹線、西九州新幹線、九州内の全特急列車ダイヤが掲載されているのはありがたい配慮です。
◆東武
日光・鬼怒川線:JR新宿-東武日光・鬼怒川温泉の特急が、4往復から2往復となり、別に臨時として3往復設定となります。
臨時列車がどの程度運転されるか不明ですが、利用状況が厳しいことは確かでしょう。
東武では2023年7月から浅草-日光、鬼怒川に新型特急「スペーシアX(エックス)」投入が決定しています。
日光方面への利用者は、アクセスが多少不便でもJR新宿より浅草からの乗車に帰結したのでしょうか。
快速急行が武蔵野線接続を重視して朝霞台に停車する代わりに、志木を通過としたのは賢明な判断です。
東上線では急行よりも快速の方が停車駅が少なくなっています。
JRや他の私鉄の種別状況からすると違和感がありますが、来春から快速は急行に統合されます。
◆東急、相鉄
新横浜新線の明るい話題があります。
この新線に関連する他の東急路線、東武東上線、東京メトロ南北線、都営三田線にも光が当たります。
西武池袋線だけは新横浜側に関心を示さないのが意外でした。
◆京急
2022年11月26日にダイヤ改正をしています。
京急の顔である「快特」の半数を「特急」にしたことに厳しい利用状況を感じます。
他の私鉄、第三セクター路線等では、通過列車の停車駅を多くするよりも、各駅停車型にする傾向が見られます。
仙山線でも触れましたが、通過駅利用者の利便性向上と運転本数削減の両立のため、今後しばらく全国的にこの傾向は見られそうです。