通勤や出張、行楽で列車移動の際、一番前の車両だけは乗らないという人は案外、いるものです。
毎日の通勤電車でも、往復とも後ろから2~3両目の乗車にこだわる人と出会います。
万一、事故等があったとき、リスクの低い位置だからかと想像しています。
事故と言ってもいろいろあります。
踏切事故、人身事故、動物や物体との衝突事故、土砂崩壊・転落事故、前方列車との衝突事故(後方列車から追突される事故)、運転士の速度超過事故などです。
先頭車両と、前から2両目が事故時のリスクが高まる位置とも言われます。
自分はどうかと言うと、それらを承知の上で、前面展望を好むゆえ、先頭車両に乗ることが多いです。
自分は大丈夫だろうと勝手に信じているだけです。
東海道・山陽新幹線のグリーン車には好んで乗るが、JR東日本の各新幹線のグリーン車とグランクラスには乗りたくないという知人が数名います。
とくに東北・北陸・上越新幹線下り列車、山形新幹線上り列車、秋田新幹線の上下列車は苦手ということです。
理由は共通していて「先頭車両には乗りたくない」からでした。
東海道・山陽新幹線では、グリーン車が編成中央の8~10号車で安心できる位置です。
それに比べ、東北・北陸・上越新幹線では下り先頭車が最上級グレードのグランクラスなので、万一事故等の精神衛生上、好まれないようです。
山形・秋田新幹線では上り先頭車がグリーン車であり、在来線区間で踏切事故等のリスクはあります。
秋田新幹線は大曲-秋田間が逆向き走行ゆえに、上下列車ともリスクを抱えます。
普通車でなくグリーン車を選ぶ知人の理由を聞いてみると、様々なものがありました。
高級感(デラックス感)、優雅さ、車内の静粛さ、床下機器の静粛さ、座席の前後左右間隔の広さ、リクライニング角度の深さ、乗客の少なさ、他の乗客がいても全体的に静かなこと、車掌が付近にいる安心感、車内サービスの優先度などでした。
さら、編成の中央位置の号車という点も挙げています。
乗り換え階段、エスカレーターの位置から近いこと。
万一、事故等があっできる安心できる位置であることでした。
別料金を支払ってグリーン車、グランクラスに乗るならば、安心して乗れる編成中央へと思っているのかもしれません。
グランクラスは元々、東北新幹線高速化のため、先頭車をさらに流線形にした結果、定員減となることを逆手にとった知恵でもありました。
先頭車への不安感を抱く人には乗車を避けられる結果になりましたが、かといって、普通車乗客の車内通り抜けを考慮すると、グランクラスを編成中央の位置にすることは困難です。
結局、先頭車がグランクラスで乗ることが不安な知人への解消策はありませんでした。
グランクラスなら上り列車、山形・秋田新幹線グリーン車なら下り列車がそれぞれ最後部位置なので安心なことは伝えていますが、あまり説得力はないようです。
JR東日本には東北新幹線の時速360km/h運転時でも安全、安心な乗り物であることをホームページ等、随所で伝えていってほしいと願っています。