効果の薄い?グリーンプラスワンと、東京-博多に設定が望まれる平日2名グリーン早得
JR東海、JR西日本、JR九州の東海道・山陽・九州新幹線で、ネット予約、チケットレス乗車に関連したEXサービスの会員及び登録者数1,000万人到達記念キャンペーンとして、「EXグリーンプラスワン」と「EX平日2名限定グリーン早得」(以下、「平日2名早得」)が企画されました。
その内容をごく一部分ですが検証してみたいと思います。
「EXグリーンプラスワン」は、1名でグリーン車に乗る際、隣の座席も含めて2席分が確保されるものです。
隣席が確実に空席となる分、気遣いなく座れることが特徴です。
4月8日~4月27日と5月8日~6月30日乗車が対象で、EXサービス(スマートEX、エクスプレス予約)での発売です。
東京-新大阪「のぞみ」の価格は23,860円です。
通常の19,590円と比較すると4,270円の追加料金です。
隣の空席を保証するための料金としてこの追加料金を支払うことになります。
グリーン車が満席の状況を見越して、隣席の空席保険料としてこの商品を購入する人もいるでしょう。
そもそもこの企画は閑散期の利用促進策、空席減収分の増収策でもあります。
その意味では通常の切符でグリーン車に乗り、結果として隣席が空席であれば、この切符の意義はなくなります。
4,270円という差額は、空席保険料としてやや高価ではないでしょうか。
空席活用策の視点で見ても2,000円程度の差額が適当ではないかと考えます。
次に、「平日2名早得」は、普通車指定席に1,000円を追加した料金でグリーン車に乗車できるものです。
4月11日~4月27日、5月8日~6月30日が乗車対象で、EXサービスはグリーンプラスワンと同じです。
大人2名が隣り合って着席する前提で、東京からの場合、名古屋、京都、新大阪、新神戸、岡山、広島の6区間に設定されています。
ここで、羽田-福岡の飛行機需要が約9割の中、東京-博多に「平日2名早得」設定がないのはなぜでしょうか。
「平日2名早得」とは別に「EX早得」「EX早得21ワイド」という既成の企画商品がありますが、こちらも東京からは広島までであり、東京-博多の設定はありません。
(ただし「EX早得21ワイド」には名古屋-博多の設定はあります。)
「EX早得」「EX早得21ワイド」にも組み入れられていないことから「平日2名早得」でも除外したと想定されます。
しかしながら東京-博多の「のぞみ」は定期列車が毎時2往復、臨時列車、季節列車も平均毎時2往復、計4往復が毎時設定されています。
反面、「のぞみ」16両編成、1編成1,323座席、毎時4往復は、グリーン車3両を含めて山陽区間では輸送力過剰気味であり、東海道区間以上に利用促進が求められるところです。
一方、福岡空港は全国でも県の中心部に最も至近な空港であり、東京-博多の新幹線需要が1割程度にとどまる一要因ともなっています。
そうした状況を鑑みて、東京-博多の「平日2名早得」は「EX早得」「EX早得21ワイド」と併せて設定されて然るべきと考えますがいかがでしょうか。