平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

新京成8900形の今後を予測

扱いやすい8800形15編成と対照的な?異端児3編成

8900形は96両造られた8800形の後を受けて、1993年から1996年にかけて計24両製造された軽量オールステンレス車体の電車です。

新京成の新製両数としては800形36両、8000形54両、8800形96両、N800形30両と比較すると、もっとも少数です。

 

新京成では全編成6両化の方針により、8800形4M4Tの8連12編成が3M3Tの6連16編成に組み直されました。

8800形は6連化の際、1両も廃車はありませんでした。

 

8900形も4M4Tの8連3編成が6連4編成になれば8800形同様に1両の無駄もなかったのですが、3M3Tは組めず4M2Tとしました。

その際、8連時の4・5号車の付随車は先頭車改造されず、6両が廃車されました。

8800形のように電動車の2・3号車と6・7号車をそれぞれ分離させることができませんでした。

8900形はステンレス車体による省エネ効果はあるものの、電動車が8800形より多くなった意味では不利な結果です。

制御機器は廃車された8000形のインバータ装置を転用しましたが、リニューアルされた8800形7編成(2023年3月現在)の方が最新形です。

 

8900形の座席は車端部4人掛けは8800形よりゆったりしていますが、中央部の8人掛けは横幅が狭く8800形9人掛けの方が楽です。

座席が狭いのはワイドドアを採用したためで、ラッシュ時には効果を発揮したものの日中以降は持て余し気味でした。

京成乗り入れ対応はされておらず、今後もされそうにありません。

 

行先表示器は3編成ともフルカラーLED化され、N800形よりも早く整備が完了しました。

その意味では今しばらく活躍は見られると思われます。

 

しかし今後の新京成を想定すると、8800形はリニューアル編成が残るほかは80000形新製と引き替えに廃車の流れですが、次の順序として8800形リニューアル編成よりも8900形廃車の方が早いと思われます。

8900形がリニューアルしないのはなぜでしょうか。

京成に乗り入れないのは、乗り入れ可能編成に比べて不利です。

ワイドドアボルスタレス台車は京成を含めても8900形が唯一で、これが京成乗り入れをしない(させない?)結果、仇になったように感じます。

逆に言えば8900形が8800形と同じドアと台車だったら、リニューアルされて命運は変わったかどうか。

 

◆8900形の余談2点

8800形は新製当時、連番で8801番から8896番まで行きました。

その後さらに8連3編成が必要となりました。

8800形を継続新製すると8920番まで行くことになります。

どうせ8900番に突入するならと、8900形という新形式に奮起したようにも感じられます。

結果論ですが、8900形を新製せず8800形のまま8920番までの8連15編成であったなら、8800形で6連20編成が組めたはずで、8900形のような付随車6両廃車は生じなかったとも言えるでしょうか。

 

もう一点、8900形のラインデリアは列車走行後、車内が一定の涼しさになると自動的に停止します。

駅に着いてドアが開くと暖気が車内に入るため、開くと同時にラインデリアが動き始めます。

駅間の短い新京成では駅に着く直前にラインデリアが停止し、その数秒後にドアが開いては回り始めることの繰り返しです。

ずっと8900形に乗っているとラインデリアの回転と停止の頻繁な繰り返しが落ち着きません。

8800形のような連続回転か、N800形のような連続微風か、いずれかの方が落ち着いて乗れる感じがします。