敦賀での乗継は8分で十分と受けとめられるまでの案内に努力を
北陸新幹線敦賀開業に伴う、敦賀での新幹線と北陸線接続特急の時刻はすでに公表されています。
その際、敦賀での乗り換えに要する時間は8分とされ、接続列車も最短8分でのダイヤが組まれました。
2024年1月19日付けで臨時列車の公表もありましたが、同様に8分乗り継ぎが基本となっています。
8分では乗り換えできなかった敦賀でのシミュレーション結果
複数のニュース記事等によりますと2024年1月18日、敦賀駅3階に位置する新幹線列車から1階の在来線特急に乗り換える想定で、JR西日本関係者を中心とする約900人が参加してシミュレーションを行なったところ、2階から1階へのエスカレーターが大混雑し、乗り換え完了までの時間は10分から12分、一部記事では13分ほどかかったとのことでした。
車椅子の利用者も想定されたようですが、関係者による実験のため、乗り換えに慣れない人の立ち止まりや、係員への問い合わせ等での乗り継ぎの遅れはあまり考慮されていないかと思われます。
実際の乗り継ぎダイヤは8分でダイヤを組んでいますので、10分以上に延ばすことは現実としてできません。
敦賀駅のハード面の整備はひとまず完了しているので、列車内での放送案内、車内での分かりやすい説明図、駅ホームでの案内や掲示、適切な位置での係員配置・誘導等、ソフト面がポイントになってきます。
エレベーターとエスカレーターでの係員配置による効率的な乗車誘導が鍵
乗り継ぎの鍵の一つはエスカレーター、エレベーターにあります。
いずれも乗る前に係員を配置しての効率的な乗り方がポイントと思います。
◆ エレベーターの場合
エレベーターでは、定員オーバーのブザーが鳴ると最後に乗った人がすぐ降りるかどうか、最後の乗車が高齢者や荷物の多い人だったら別の人が代わって迅速に降車するかどうかによって変わってきます。
その意味で、定員越えブザーが鳴る前にエレベーター前に係員を配置してブザーが鳴る直前に次の乗車にするよう、誘導することが秘訣です。
◆ エスカレーターの場合
エスカレーターの場合は、片側を空けないことがポイントです。
エスカレーターに乗ったら立ち止まって2列乗車をすることが重要で、片側空けが常態化すると最後にエスカレーターに乗る人の時間が延び、12分でも乗り継げなくなってくる可能性があります。
ましてやエスカレーターで両側とも歩いてしまうのも事故の原因になります。
これまでの全国各地の状況から、エスカレーターの片側空け、すなわち片側はエスカレーターを歩く人の空間とする慣習が、エスカレーターの効率よい、安全な乗車を妨げています。
注意喚起のチラシ、ポスターやエスカレーター付近でのテープ等による繰り返し呼び掛け放送では、エスカレーターの片側空けは改まらないことは明らかです。
解決策は、各エスカレーター各の前に係員を配置して、エスカレーターに乗ったら立ち止まって2列乗車を直接呼び掛け、エスカレーターでは歩かない、駆け上がらない(駆け下りない)ことを利用者に実践していただくことです。
とくに下りエスカレーターでの転倒、荷物の手離しは前列者の将棋倒しを招き、大きな事故になる恐れがあります。
急ぐ人はエスカレーターでなく、階段を使う呼び掛けも必要です。
じっと立ち止まるのは時間の無駄という思いは、とくに関西では一層強くなる傾向が見られ、係員の直接呼びかけが重要と考えます。
以下は、新聞各紙やニュース、情報記事等におけるシミュレーション状況を読ませていただいた中で感じたことを順不同で書かせていただきました。
【エスカレーター・エレベーター(再掲)】
〇 エスカレーターでの歩行禁止案内
〇 エスカレーターでは、歩かずに静止して、2人横並び方式で乗ることの案内
〇 エスカレーター乗り場位置に係員が立つことでの、2人横並び乗車の誘導
〇 エレベーター乗り場位置に係員が立つことでの、定員越えブザーが鳴る前の乗車規制
【乗継列車】
〇 新幹線から在来線特急への乗り継ぎでは、京都・大阪方面の「サンダーバード」と、米原・名古屋方面の「しらさぎ」の発車番線を混同、混乱しないよう、明確な案内表記及び案内放送
〇 在来線特急から新幹線への乗り継ぎでは、「つるぎ」「かがやき」「はくたか」の列車名、「つるぎ」の停車駅を混同、混乱しないよう、明確な案内表記及び案内放送
〇 「かがやき」「サンダーバード」「しらさぎ」は全車指定席であることの案内
〇 「サンダーバード」「しらさぎ」の指定券を所持していない場合の案内及び満席時の案内と対応
〇 「つるぎ」の自由席の号車及び、自由席が大阪・米原側であることの案内
〇 「サンダーバード」「しらさぎ」から「つるぎ」「はくたか」の自由席乗り継ぎの場合の、座席確保のためのエスカレーター歩行禁止の呼びかけ
〇 北陸線と湖西線の普通列車、小浜線、ハピラインふくいへの乗り継ぎの案内
以上、いささか一般論的な内容ではありますが、JR西日本には敦賀の新幹線乗り継ぎが円滑、効率的になるよう、一層の検討と実践を期待します。
※写真は本文と無関係です。