平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

大糸線「リゾートビューふるさと」 JR東日本は糸魚川まで延長運転協力を

非電化区間を目前に、電化区間だけを行くハイブリッド気動車の皮肉な?光景

毎日新聞、2024年6月11日付け「北陸新幹線に接続のJR大糸線を“増便” 臨時バス、初日は客まばら」の記事を拝見しました。

白馬-糸魚川間の大糸線列車ダイヤの補完、補強のため、6月1日から同区間に臨時バス4往復を設定したことに触れた内容です。

記事の一部を引用させていただきます。

 

(以下引用)

利用が低迷するJR大糸線の活性化を図ろうと、白馬(長野県白馬村)―糸魚川新潟県糸魚川市)間で1日から、臨時バスの運行が始まった。大糸線北陸新幹線の接続が不便な時間帯にバスを運行して“増便”を図る狙い。ただ初日は利用客はまばらで、利用客への周知が課題になりそうだ。

~中略~

「我々としてできる精いっぱいの取り組み。地域の活性化につなげたい。その上で持続可能な方策について、地域と議論を進める過程にしたい」。JR西日本金沢支社地域共生室の鹿野剛史室長は取材に、増便バスの狙いをこう説明した。

~中略~

今後は利用客への宣伝が課題になりそうだ。1日の糸魚川からの2便(午前11時55分発)は、出発時に確認できた乗客はJR西の関係者を除くと1人。JR西によると、白馬から糸魚川への1便(午前8時半発)には4人の乗車があったという。糸魚川市都市政策課の内山俊洋課長は「これからグリーンシーズンが本格化し、大勢訪れる時期になる。増便バスで地域の魅力を楽しんでいただけるようにしたい」と述べ、利用客への周知に力を入れることを強調した。

(以上引用)

 

白馬-糸魚川の臨時バスについては6月1日から開始したばかりのため、利用状況については今後の様子をみる必要がありますが、1便あたり1人~4人の乗車はいささか寂しい数値ではあります。

記事の最終段にもありますが、これから「大勢訪れる時期になる」ことに伴い、臨時バスの乗車率向上を期待したいところです。

 

大糸線は松本-南小谷の電化区間JR東日本南小谷糸魚川の非電化区間JR西日本の所管で、南小谷をまたいで2社の区間を走る列車はありません。

JR西日本南小谷発着列車は7往復にとどまります。

 

JR西日本JR東日本の両社をまたいだ白馬-糸魚川としての列車ダイヤは便利とは言えず、4往復の臨時バスがどの程度利用を伸ばすか、注目されるところです。

 

ハイブリッド気動車南小谷で非電化区間を目前に電化区間だけを走る光景

JR東日本は長野-松本-南小谷に臨時列車「リゾートビューふるさと」を設定しています。

7月から9月の運転日はかなり多い方で、準定期運転列車的な存在です。

首都圏でも「リゾートビューふるさとで行く 大糸線の旅」のパンフレットが各駅に配架されています。

 

リゾートビューふるさと」の車両はハイブリッド式気動車HB-E300系です。

長野-松本-南小谷走行区間は直流電化されています。

リゾートビューふるさと」として南小谷到着後、長野へ折り返しますが、南小谷から先が非電化でありながらも非電化区間には進まず、電化区間に戻ってしまうのは、JR西日本区間だからとはいえ何とも皮肉な光景にも映り、心残りの気持ちを抱きます。

 

「我々としてできる精いっぱいの取り組み」との前記のJR西日本関係者の言葉があります。

それが4往復の臨時増便バスになります。

しかしそこでもう一歩、JR東日本のハイブリッド気動車リゾートビューふるさと」が南小谷で折り返していく姿を見て、JR西日本糸魚川に伸ばしてくれたらという考えはなかったでしょうか。

臨時列車は自社区間走行が対象であり、JR西日本の自社による自助努力ということで、JR東日本の列車乗り入れは最初から対象外でしょうか。

また、JR東日本は白馬-糸魚川の臨時増便バス設定について、自社区間の白馬-南小谷が重なることも鑑みて、増便バスに加え、ハイブリッド気動車の機能を生かし、「リゾートビューふるさと」での糸魚川直通に協力する姿勢をみせてもよかったのではないかとも感じます。

 

リゾートビューふるさと」の長野-信濃大町直通需要は?

長野-信濃大町の「リゾートビューふるさと」での所要時間は、長野発が2時間56分、信濃大町発が2時間09分です。

長野発列車は姨捨駅で16分停車し、善光寺平の眺望を見学するのがポイントです。

 

一方、長野-信濃大町のバスは約1時間10分です。

リゾートビューふるさと」での、長野から信濃大町、また白馬・南小谷へ直通乗車移動の利用はどの程度でしょうか。

長野-松本の篠ノ井線、松本-南小谷大糸線、両線それぞれの観光輸送を一本化したような形の列車であり、篠ノ井線大糸線それぞれの路線内での需要の方が多いように感じられます。

地図で見る限り、二等辺三角形に例えればバスは底辺、列車は長辺の2辺相当の距離があります。

 

リゾートビューふるさと」を南小谷から糸魚川まで延長してはどうか?

JR東日本が「リゾートビューふるさと」を、白馬-糸魚川の輸送力補強に参画するのはどうでしょうか。

列車ダイヤとして、具体的には下記のとおりです。

長野→南小谷は、現在のダイヤ、長野10:04発→南小谷14:04着を、長野9:00頃→南小谷13:00→糸魚川14:00頃に変更するものです。

また、現在の折り返しダイヤ、南小谷15:16→長野18:31を、糸魚川14:30頃→南小谷15:30→長野18:50頃に変更するものです。

 

なお、上記時間は南小谷糸魚川の列車交換駅が根知駅のみであることと、全区間の9割以上が単線区間のため、列車交換を加味した正確なダイヤによるものではなく、あくまで目安のイメージです。

 

JR東日本は、「リゾートビューふるさと」ハイブリッド気動車活用により、北陸新幹線敦賀方面から糸魚川経由での白馬、松本直通効果も見込めることから、JR西日本との白馬-糸魚川輸送の補強、協調連携と併せて便宜を図ってはいかがかと考えますが、いかがでしょうか。

 

(※ 筆記にあたり、毎日新聞、2024年6月11日付け「北陸新幹線に接続のJR大糸線を“増便” 臨時バス、初日は客まばら」の記事を一部引用及び参考にさせていただきました。)