平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

特急「すずらん」の今後の快速化の可能性を考える

すずらん」の利用低迷による回復策は自由席復活でなく快速格下げで?

札幌-室蘭の特急「すずらん」が全車指定席の影響で利用が減っているようです。

Yahoo!ニュース(北海道新聞)、2024年6月12日付け、「『特急すずらん』利用低迷 札幌―室蘭 全席指定化、使い勝手悪く」から一部を引用させていただきます。

 

(以下引用)

札幌と東室蘭・室蘭間を結ぶ特急すずらんの利用が低迷している。JR北海道によると、5月のすずらんの利用者は前年同月比2割減となり、堅調な他の特急と対照的だ。3月のダイヤ改正による指定席化で割安感が薄れ、普通列車やバスに客が流れたのが一因とみられる。綿貫泰之社長は11日の記者会見で、すずらんの利便性向上を検討する考えを示した。

~中略~

綿貫氏は「すずらんに乗ってもらうための対策はこれから検討していく」と説明。見直し時期などには言及しなかったが「安くご利用というニーズが強いのであれば、特急でなくてもいいと思う」とも述べ、運行形態の変更に含みを持たせた。

(以下引用)

 

今回は、「すずらん」の来春ダイヤ改正後の姿を想定してみました。

毎回のことですが、何の根拠もない勝手な想像ですので予めご了承ください。

 

すずらん」の利用回復策の選択肢

すずらん」の利用回復策として、以下の3つが考えられます。

① 全車指定席のまま、指定席料金を自由席特急料金と同額にする方法

② 全車自由席または指定席の一部を自由席とする方法

③ 列車種別を特急でなく快速にする方法

 

このうち、①については、JR東日本に倣ってJR北海道も全特急を全車指定席化する方向だったように思います。

2024年3月改正では、第一段階として根室線「おおぞら」「とかち」、函館・室蘭・千歳線「北斗」「すずらん」を全車指定席化しました。

第二段階として来春、宗谷線石北線特急と、函館線札幌-旭川の「ライラック」「カムイ」の全車指定席化の計画ではないかと思います。

 

2024年3月で一挙に全特急の全車指定席化を行わなかったのは、全列車で行った場合の混乱や問題が起きないか、慎重に見極めることもあったのではないかと思われます。

第一段階で問題がなければ来春の第二段階に進むところ、その途中で「すずらん」利用低迷の課題を残しました。

指定席化による値上げ、指定券の事前確保の手間等の課題があるようです。

指定席券の購入の手間を改善したとしても、自由席料金との差額が課題に残ります。

また、自由席の気軽さも、観光輸送主体でない「すずらん」では重要な要素でした。

 

しかしJR北海道としては、特急は全車指定席の方向性を目指したく、自由席料金と同額に値下げしての指定席存続をするくらいなら全車自由席にする方がよいとの議論になってくるので、行なわないように思います。

今後、JR東日本首都圏特急のように、指定席と自由席の料金の中間に新たな指定席料金を設定するでしょうか。

 

②については、特急の全車指定席を目指す方向性から、行なわないように思います。

全車指定席で利用状況が低くなるなら、または予め低いと見込まれるなら快速・普通列車にする方向かと感じます。

 

すずらん」の快速化が利用回復に有効?

②の、特急のまま自由席を復活する方が特急料金収入は得られるのですが、JR北海道としては再び自由席設置に戻りたくはないという姿勢と思われます。

そうなると③の、快速、普通列車への格下げになります。

「安くご利用というニーズが強いのであれば、特急でなくてもいいと思う」というJR北海道社長の言葉には、重みと現実感があります。

石北線「大雪」も来春からの快速化が伝えられています。

すずらん」は特急という列車種別では乗らないという境地のようなものが感じられます。

具体的には、札幌-室蘭の全区間または札幌-南千歳の一部区間だけは快速にする考えかと思われます。

室蘭方面へ特急で行くなら全車指定席の「北斗」で、室蘭なら「北斗」で東室蘭乗り換えという方向になりそうです。

現在の「すずらん」の札幌-室蘭の所要時間は約1時間45分前後です。

一方、普通列車・快速乗り継ぎでの最速は、室蘭11時47分発で南千歳で快速「エアポート」乗り継ぎにより、札幌13時58分着、所要2時間11分です。

札幌-室蘭の特急との所要時間差は約25分です。

30分前後所要時間が延びても、普通列車化による運賃の低廉により利用が回復することを期待した言葉と思われます。

 

すずらん普通列車化の際、車両はどうでしょうか。

現在の特急車両のまま普通列車に充てるでしょうか。

快速「エアポート」の733系または737系電車を充てるでしょうか。

すずらん」を一部の「エアポート」に充て、uシートのある「エアポート」を「すずらん」の普通列車にもってくることはしないと思われます。

いずれにしても車両に余裕があるわけではないので、現車両数の運用やり繰りで行なえるのか、「すずらん」が特急車両のまま快速化した場合、札幌-東室蘭の「北斗」利用

が逆に低下しないか、それは割り切るのかなど、課題点が浮かびます。

ちなみに「大雪」の快速化は特急車両のままではなく、普通列車用車両での置き換えです。

 

2025年春のダイヤ改正の「すずらん」の行方とともに、自由席併設の特急がすべて全車指定席になるか、自由席併設で継続か、快速・普通列車になるか、普通列車の場合はどんな車両を充てるか、とくに2列車合計21往復の「ライラック」「カムイ」はどうなるか、今後のJR北海道の動きを注視したいと思います。

 

(※ 筆記にあたり、Yahoo!ニュース(北海道新聞)、2024年6月12日付け、「『特急すずらん』利用低迷 札幌―室蘭 全席指定化、使い勝手悪く」から一部を引用及び参考にさせていただきました。)

 

※ 写真は本文と無関係です。