平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

東急東横線「Q SEAT」利用促進にはまず「S-TRAIN」と料金・購入方法の同一化を

東急線内利用の「S-TRAIN」350円に対して「Q SEAT」500円では避けられてしまう

マイナビニュース、東急東横線『Q SEAT』利用率は? サービス開始から半年以上経つが…」を拝見しました。

大井町線田園都市線で好評の「Q SEAT」を東横線でも期待したものの、利用が伸びていないことに触れた内容です。

今回は、東横線の「Q SEAT」について考えてみたいと思います。

なお、大井町線田園都市線で「Q SEAT」が好評なこととの比較、整合性については触れませんので予めご了承ください。

 

東横線「Q SEAT」利用が伸びない要因としては、地下鉄副都心線直通でないこと、通勤特急でなく急行への設定であること、「S-TRAIN」350円に対する「Q SEAT」500円の割高・不公平感、ICカードでの購入不可、30分から40分台の乗車時間、他の8両の普通座席車との比較等において見合わないという利用者の総合的な受けとめがあると思われますが、一番の要因としては500円の負担感と考えます。

 

「Q SEAT」については、2023年11月11日付け、拙「東急東横線Qシートの利用促進策を考える」の中で、渋谷-横浜の運賃が309円ならば「Q SEAT」料金は運賃の半額150円が適価と書かせていただきましたが、鉄道側から見ると500円に対して150円、70%も値引くのは発想が安直、非現実的だったかもしれません。

 

今回の本文でも指摘されていますが、土曜・休日の「S-TRAIN」は東横線内では350円です。

S-TRAIN」は改札口や駅ホーム上の券売機でもICカードで購入できるのに対して、「Q SEAT」は駅窓口のみの購入の不利さもご指摘のとおりです。

 

ひとまず「S-TRAIN」が350円である以上、「Q SEAT」も350円とすること、改札口・駅ホーム上の券売機で購入可能とすることが必要と思われます。

また、性格は異なりますが「S-TRAIN」の東急版が「Q SEAT」という位置づけの上で、「S-TRAIN」同様の購入方法のほか、地下鉄副都心線西武池袋線への直通、東横線内は特急としての充当、日中を含めた終日運用等で「Q SEAT」をPRし、知名度を高めていくことも必要と思われます。

また、元町・中華街駅から渋谷へ折り返す際は、座席の向きを変えないまま走行し、指定券なしで「Q SEAT」に乗車できることに触れていますが、反対方向への利用が料金不要である措置が逆に、料金を支払って乗車している人にはあまり愉快でない光景に映るようにも感じます。

10両編成とは言え「Q SEAT」の2両設定は過剰な結果となり、隣の一般車両で混雑する車両に乗る通勤客からは不快に思われていることも想定されます。

「Q SEAT」を1編成1両にして、減車した「Q SEAT」は他の編成に充てて「Q SEAT」連結車両を増やし、夜の帰宅通勤時以外にも存在をアピールしていくことも利用促進の一策と思います。

いずれにしても東横線内だけの渋谷折り返し列車運用だけでは利用促進に限度があります。

東京メトロ半蔵門線西武池袋線への直通理解、「Q SEAT」取り扱いの協議が不可欠と考えます。

同じ10両編成でもグリーン車が2両あるJR東日本とは走行区間、距離、停車駅数、混雑状況、利用者の乗車時間等が異なります。

その際、「Q SEAT」車両は1編成2両よりも1両の方が、混雑時の一般車両への影響も比較的小さいことに理解は得やすいと考えます。

JR東日本でも10両編成でグリーン車は2両あるからとか、大井町線は7両編成だから「Q SEAT」は1両、東横線は10両編成だから2両という発想はしない方がよいと思われます。

 

※写真は本文と無関係です。

敦賀-直江津 北陸新幹線でなく第三セクター4路線乗車選択の方法を探る

4路線乗継ダイヤ、企画切符、列車と駅の見どころ、在来線車窓、4社直通団体列車等の企画を

北陸地域は北陸新幹線敦賀開業で賑わっていますが、特急が走らなくなった並行在来線第三セクター4社に変わりました。

北陸線米原直江津全体を見ると、米原敦賀北陸線として残ったJR西日本区間で、敦賀大聖寺はハピラインふくい、大聖寺倶利伽羅IRいしかわ鉄道倶利伽羅-市振はあいの風とやま鉄道、市振-直江津はえちごトキめき鉄道となりました。

親しみを抱いていただく意図か、福井、石川、富山、越後の県名・地方名をいずれもひらがな書きにした長い路線名称が特徴です。

敦賀直江津の307.9キロが第三セクター4社になって、各社それぞれ自社の県内輸送を行ないつつも、末端で接続する第三セクター他社との連携も重要です。

筆者は判官びいきの習性ゆえ、話題をさらう北陸新幹線の影で地道に地域輸送に従事する第三セクター4路線の方がいとおしく、同情心が沸いてきます。

ゴールデンウィークや夏の観光シーズンを前に、どうしたらもっと4路線に主体的に乗るかどうかを探ってみました。

 

4社合同の企画切符が第一

JR在来線普通列車なら全国自由に乗れる青春18きっぷは、JR6社の強みです。

北陸の第三セクター4路線を選択するにはまず企画切符が要と言えます。

フリー切符については、4社合同で「北陸おでかけtabiwaパス」があり、2,900円と格安ですが3日前までの現地購入が条件です。

これでは北陸以外の地区からの旅行者をあえて排除する姿勢であり、残念な思想です。

価格を上げてでも現地購入できるようにした方が得策ではないでしょうか。

4社のいずれからも3日前購入でよいのだとするならば、いささか遺憾な発想です。

 

えちごトキめき鉄道を除く3社で土曜・休日を対象に2日間有効の「北陸3県2Dayパス」があり、2,800円は適価です。

えちごトキめき鉄道との分岐駅の手前、越中宮崎まででフリー区間を切っていることだけは残念です。

えちごトキめき鉄道にはJRの青春18きっぷ提示により「トキ鉄18きっぷ」1,000円があり、「北陸3県2Dayパス」と組み合わせれば敦賀直江津の乗車が可能になりますが、越中宮崎-市振の区間が途切れてしまい、220円の運賃別払いが必要なのはイメージ的にマイナスです。

あいの風とやま鉄道には「北陸3県2Dayパス」と「トキ鉄18きっぷ」の組み合わせによる敦賀直江津3,800円の旅を推奨、PRしてほしいと思います。

また、それ以前のこととして、「北陸おでかけtabiwaパス」を3,800円で、当日購入可能にして発売してはいかがでしょうか。

 

北陸新幹線敦賀上越妙高のダイヤと所要時間は

敦賀直江津第三セクター4社の各普通列車で乗り継いで行くと、どの程度の所要時間なのかを見てみたいと思います。

在来線敦賀直江津を見る前に、北陸新幹線敦賀上越妙高の所要時間を見てみます。

直通の「はくたか」は所要2時間02分、本数は5往復のみで、運転時間には偏りがあります。

この5往復以外は敦賀-金沢を「つるぎ」または「かがやき」、金沢-上越妙高は金沢始発東京行き「はくたか」に乗り換える必要があります。

 

敦賀直江津の列車ダイヤ

敦賀から直江津への移動は、途中の福井、金沢、富山、泊で乗り換えるケースが通常ですが、ここでは敦賀発時刻と直江津着時刻のみの記載とさせていただきます。

また、車窓が得られない夜の時間帯は省略します。

 

敦賀発→直江津

6:08→12:54(所要6:46)

7:45→14:01(同6:16)

8:37→15:03(6:26)

10:13→16:31(6:19)

11:12→17:52(6:40)

13:13→19:02(5:49)

※平均所要時間6:23

 

直江津発→敦賀

5:57→12:00(所要6:03)

7:08→14:00(所要6:52)

8:08→15:00(所要6:52)

9:46→15:59(所要6:13)

10:45→16:58(所要6:13)

12:14→18:30(所要6:16)

13:15→19:25(所要6:10)

※平均所要時間6:23

平均所要時間は両方向とも偶然、6時間23分でした。

列車によっては、一部の駅では1時間近い待ち時間になるダイヤは残念です。

また、JR西日本京阪神からの新快速が湖西線経由で敦賀到着の2~3分前に、ハピラインふくいの福井行きが発車してしまうようなダイヤでは、第三セクター4路線に乗り継ぐ旅の意欲を減退させます。

長い乗り継ぎ時間は、途中下車して見学や買い物、休憩をすればよいと好意的に受け止める人はどの程度いるでしょうか。

 

第三セクター4社合同で北陸新幹線時はない在来線移動の魅力のPRを

在来線で約6時間30分と、新幹線で約2時間とでは勝負にはならないものの、先を急がない人には在来線ならではの列車旅の持ち味を伝えてほしいものです。

一例として、以下のような車窓を楽しむ内容はどうでしょうか。

〇 武生、福井、西金沢、津幡、高岡、富山、滑川、魚津、黒部、糸魚川でのJR西日本第三セクター、私鉄路線との競合

〇 富山-直江津日本海車窓

〇 白山、立山、白馬、妙高等の山々

〇 敦賀-南今庄、糸魚川-梶屋敷の交直流電流切り替え

〇 貨物列車とのすれ違い光景

〇 北陸新幹線との並走

〇 北陸新幹線の高架橋

〇 トンネル内にある筒石駅

〇 米原直江津で駅間最長距離の敦賀-南今庄16.6キロの体感

〇 会社間境界駅の大聖寺倶利伽羅、市振の駅の様子観察

〇 普通列車でも高速で運転する体感

〇 4社それぞれの車両の個性

 

一番のポイントは、新幹線では見られないが在来線なら見られる車窓を伝えることです。

また、それ以前のこととして、4社の連携・協働力、情報発信力も重要です。

4社それぞれの自社路線だけを対象とするフリー切符もよいのですが、4社合同のフリー切符、片道で前方向に進む企画切符も誘発に効果的です。

敦賀直江津の4社直通団体列車のほか、敦賀から妙高高原や、北越急行を加えての5社直通敦賀-六日町・越後湯沢への団体列車企画

 

よそ者意見について

以前にも記させていただきましたが、北陸の第三セクター路線のことを書くと一部の上層部の方の考え方が思い浮かんできます。

筆者は第三セクター化後の路線乗車は果たしていないので、未乗の者の意見など聞く必要はないと判断されるならばそれ以上のことは言えません。

未乗者の意見に耳を傾ける必要はないとする門前払い姿勢は認識しつつも、たとえご理解いただけなくとも、最新の情報や状況を踏まえながら、未乗者なりの視点でお役に立てればと、路線の発展を願って提言させていただいているだけです。

ご理解いただければ幸いです。

 

※写真は本文と無関係です。

JR東日本が吾妻線長野原草津口-大前を交通体系協議の対象に選んだ理由とは?

電化設備、行き止まり区間、観光需要低下、万座・鹿沢口-大前の末端区間の特性等から?

JR東日本が3月22日に、吾妻線長野原草津口-大前の区間について、交通体系に関する協議を群馬県長野原町嬬恋村の3自治体に申し入れたことが話題になっています。

今回は、JR東日本吾妻線の末端側、長野原草津口以遠を、交通体系協議に選んだ背景を考えてみたいと思います。

 

吾妻線渋川-大前55.3キロのうち、長野原草津口-大前は13.3キロで、吾妻線全線の約4分の1を占める距離です。

この吾妻線末端区間の輸送密度(1キロあたりの1日平均利用者数)は2022年度1日平均263人、営業係数では100円の収入を得るために2,759円の経費を要しています。

長野原草津口発着の定期列車は特急を含めて16往復、万座・鹿沢口普通列車のみで10.5往復、大前は4,5往復の状況です。

大前駅は、万座・鹿沢口駅から1駅だけ先に延びた形ですが、なぜ大前駅まで延ばしてその先が延びなかったのかと話題になる終着駅です。

万座・鹿沢口駅は1面1線構造のため、同駅止まりの特急の待避場所として大前駅を引込線的に活用していた経過もあります。

 

年々減り続ける1日あたりの利用者数、4億6300万円の赤字額、営業係数で100円の収入を得るためにかかる2,759円の費用、大量輸送の大量輸送特性を発揮できていない状況から、JR東日本は今回、吾妻線該当区間の沿線自治体に対し、交通体系に関して議論する協議参加を要請したとされています。

しかしながら、同じ状況を抱えている路線や区間は他にもあります。

輸送密度で言えば、500人未満の路線・区間は39区間あって、吾妻線長野原草津口-大前の263人は、利用の低い順としては25番目です。

もっとも低い区間は、陸羽東線鳴子温泉-最上の44人、次いで久留里線久留里-上総亀山の45人、花輪線荒屋新町鹿角花輪55人、山田線上米内-宮古64人の順に続きます。

利用人員だけでなく、営業係数、路線の位置づけ、将来の見通し等、様々な要素を勘案した中で今回、吾妻線が対象になったのでしょうか。

 

電化区間、行き止まり、観光需要減で吾妻線が選ばれたか?

以下は、筆者の想定です。

内容には何の根拠もありませんので予めご了承ください。

 

吾妻線と同じような利用状況や営業収支を抱えている路線や区間が他にもある中で今回、吾妻線を協議参加要請に選定したのはなぜでしょうか。

一つ考えられることは、電化路線(電化区間)ということです。

すなわち電化設備の維持管理費用分によって、他の路線よりも増加しているということです。

 

1日に利用者数500人未満の区間のうち、電化されている区間に特定して状況を見てみます。

19位の大糸線白馬-南小谷188人、 24位の奥羽本線新庄-湯沢262人、25位の吾妻線長野原草津口-大前263人、37位の中央本線辰野-塩尻433人、38位の弥彦線弥彦-吉田442人があります。

 

上記5つの電化路線(電化区間)の中で、吾妻線が選ばれたのはなぜでしょうか。

今回、選ばれなかった路線の状況を以下、想定してみます。

 

19位の大糸線白馬-南小谷188人については、南小谷糸魚川JR西日本区間が絡んでいるほか、JR西日本南小谷糸魚川の将来について検討していること。

24位の奥羽本線新庄-湯沢262人については、山形新幹線との接続路線であり、山形-秋田連絡の動脈であること。

37位の中央本線辰野-塩尻433人については、岡谷-辰野-塩尻で見た場合、岡谷-辰野が実質的にJR東海飯田線延長区間的な性格になっており、岡谷-辰野の将来性と併せて将来を考える必要があること。

また、大糸線信濃大町または白馬-南小谷とともに、電化設備の撤去、小海線気動車との一体運用も考えられること。

38位の弥彦線弥彦-吉田442人については、吉田-東三条区間との関連性や、上越新幹線燕三条駅から弥彦方面、弥彦山観光等の考慮が必要なこと。

 

以上に対して、吾妻線長野原草津口-大前は、万座・鹿沢口-軽井沢の連絡バス以外は、万座・鹿沢口からの観光輸送の特別位置づけが薄れ、さらに万座・鹿沢口まで運行していた特急が長野原草津口止まりとなったことが、万座・鹿沢口駅の乗降客の減少、長野原草津口万座・鹿沢口の利用減少との悪循環になっていったと想定します。

 

吾妻線長野原草津口-大前を交通体系に関する協議対象とした理由を総合すると

JR東日本吾妻線長野原草津口-大前を協議対象に選んだ拝啓を再度整理します。

〇 行き止まりの区間であること。

〇 電化しているため、電化設備の維持管理が伴うこと。

〇 万座・鹿沢口までの特急の観光利用が見込めなくなったこと。(2016年3月を持って特急「草津」の万座・鹿沢口発着を終了)

〇 万座・鹿沢口-大前の利用がとくに低いこと。

〇 万座・鹿沢口-大前の区間だけの将来性議論では、長野原草津口-大前の本質的な解決にならないこと。

〇 長野原草津口-大前を非電化として気動車に置き換えても、渋川-長野原草津口側の電車運用と分けることになり、車両運用として非効率なこと。

〇 吾妻線全線を非電化にすることは、特急「草津・四万」への影響等もあり、現段階では考えられないこと。

〇 吾妻線で今後も電化設備を維持継続していくには、渋川-長野原草津口までが適当であること。

〇 仮に、長野原草津口-大前の協議がまとまらない場合、万座・鹿沢口-大前3.1キロの区間を対象に個別議論する可能性も考えられること。

ちなみに、終着駅の1駅手前までは割合、乗降があっても、終着駅の乗降が極端に少ない場合、末端の1駅区間だけを廃止した路線は全国各地、過去にいくつか事例が見られました。

 

以上を総合すると電化設備、行き止まり区間、観光利用客の減少、今後の利用状況の見通し等を総合的に勘案して、今回の吾妻線が協議対象選定に至ったのではないかと考えますが、いかがでしょうか。

 

(※ 記載にあたり、旅行総合研究所タビリス、2024年3月23日付け「JR東日本吾妻線の「あり方協議」要請。長野原草津口~大前、廃止議論も」、2023年7月11日付け「7線区が『1,000以下』に陥落。JR東日本2022年度輸送密度の研究【1】」を参考にさせていただきました。)

 

※写真は本文と無関係です。

米原「しらさぎ」の名古屋延長が名古屋-福井のバス転移抑止策になる

JR西日本は名古屋-福井の2回乗換によるバス転移に危機管理意識を

2024年3月20日付け、Yahoo!ニュースで「北陸新幹線県内開業の一方で 名古屋行き高速バスが大人気!」の記事を拝見しました。

記事の中で、北陸新幹線敦賀開業後、福井と名古屋を結ぶ高速バスの需要が増し、満席となるバスが増えていることに触れた内容があります。

福井-大阪でも敦賀乗り換えの手間の声が高まっていますが、福井-名古屋は福井-大阪よりもさらに手間がかかることがあります。

名古屋-敦賀の「しらさぎ」の半数が米原止まりで、米原止まり列車に乗る場合、米原敦賀の2回乗り換えになります。

敦賀側から見れば「しらさぎ」は1時間間隔ですが、半数は米原止まりで、名古屋行きはほぼ2時間間隔となっています。

そのため、時間帯によっては名古屋-米原東海道新幹線「ひかり」に乗り、それに加えて敦賀でも「しらさぎ」から「つるぎ」へと計2回乗り換えを強いられます。

名古屋-福井の列車距離は175キロ、その間に名古屋-米原「ひかり」28分、米原敦賀しらさぎ」30分、敦賀-福井「つるぎ」17分の、それぞれ短い乗車時間で2回乗り換えは億劫さ、苦痛感を抱いても不思議ではありません。

 

681・683系余剰車を「しらさぎ」名古屋延長には活用しなかった

新幹線敦賀開業による「サンダーバード」「しらさぎ」の敦賀-金沢廃止により、681系・683系に余剰が生じました。

その余剰分活用策の一つとして、米原どまりの「しらさぎ」(以下、「米原しらさぎ」)を名古屋まで延長(以下、「名古屋しらさぎ」)することを期待しましたが、名古屋延長はまったく行なわれませんでした。

 

米原しらさぎ」が現状のままなのはJR東海との調整が億劫だから?

しらさぎ」用683系はJR西日本の車両です。

しらさぎ」は元々、名古屋-北陸の連絡列車でしたが、東京からの北陸速達として「ひかり」の米原停車と、米原止まりの「加越」(当時)を設定し、その後「加越」は米原止まりのまま「しらさぎ」に統合されました。

JR東海は「ひかり」のうちの毎時1往復を米原停車とし、JR西日本米原「ひかり」停車時間に合わせて「しらさぎ」の時間帯を設定しました。

東京からは米原「ひかり」接続の「しらさぎ」により北陸アクセスが毎時確保されました。

 

一方、名古屋からの北陸アクセスは名古屋「しらさぎ」で直通するか、名古屋-米原の「ひかり」乗車で米原乗り換えのいずれかとなりました。

後者の場合、名古屋-福井の移動で米原敦賀の2回乗り換えとなり、冒頭記事の福井-名古屋のバスの好調に一層つながっていったのではないかと考えられます。

名古屋-福井で鉄道にできることは、米原しらさぎ」の名古屋延伸による乗り換え回数の減(2回から1回へ)であり、名古屋から敦賀へ毎時「しらさぎ」が設定されるダイヤでの誘発です。

 

米原しらさぎ」の名古屋「しらさぎ」化にあたっては、米原-名古屋がJR東海区間のため、JR東海との調整が必要であり、一筋縄でいかないことは理解します。

しかしながら、683系等の余剰が生じているのに米原しらさぎ」を名古屋「しらさぎ」に延長運転しようとしないJR西日本の姿勢では、バス移動に拍車がかかっても仕方がないとも感じます。

一方、JR東海も「ひかり」米原停車はあくまで東京対北陸の利便性、速達策であり、名古屋対北陸の連絡は名古屋「しらさぎ」が基本という認識により、JR西日本に協力する姿勢がほしいと思います。

米原JR東海JR西日本に分けた、JR会社分割による影響がここでも感じられます。

 

米原しらさぎ」の名古屋「しらさぎ」化による想定時刻表

現在の米原しらさぎ」の米原敦賀の発着時刻をそのままとして、名古屋まで延長設定した場合のおおよその発着時刻を想定してみました。

以下、時刻の「:」は略させていただきます。

 

【名古屋発→米原着→米原発→敦賀着】

しらさぎ51号 名古屋発 639→  米原着739→   米原発747→  敦賀着818

(以下、同)

しらさぎ53号 1048→1148→1156→1226

しらさぎ55号 1248→1348→1356→1427

しらさぎ57号 1448→1548→1556→1627

しらさぎ59号 1648→1748→1756→1826

しらさぎ61号 1848→1948→1956→2026

しらさぎ63号 2042→2142→2150→2220

 

敦賀発→米原着→米原発→名古屋】

しらさぎ52号   811→  844→  851→  950

しらさぎ54号 1010→1044→1051→1150

しらさぎ56号 1210→1244→1251→1350

しらさぎ58号 1410→1444→1451→1550

しらさぎ60号 1710→1743→1751→1850

しらさぎ62号 1910→1943→1951→2050

しらさぎ64号 2201→2234→2241→2340

 

しらさぎ53・55・57号」の名古屋発時刻が「ひだ7・11・13号」と重複することへの対処方法

前記「しらさぎ53号」の名古屋10:48発の時刻は「ひだ7号」の発車時刻と重複します。

しらさぎ55号」名古屋12:48発の「ひだ11号」、「しらさぎ57号」名古屋14:48発の「ひだ13号」も同様です。

そのため、上記の名古屋発の「しらさぎ」時刻のまま対応するとすれば、以下の2つのいずれかの選択をすることになります。

①「ひだ7・11・13号」の名古屋発時刻を5分早める

②「しらさぎ53・55・57号」の名古屋発時刻を5分早める

 

①の場合、「ひだ」3列車について、名古屋を5分早発し、岐阜で5分間、停車時間を延ばすものです。

下り「ひだ」は岐阜でスイッチバック運転となり、岐阜の停車時間は1分から3分、平均2分となっています。

②は、名古屋「しらさぎ」化する上記3列車について、米原での停車時間を5分間延ばすものです。

現在の名古屋「しらさぎ」は米原で、JR東海JR西日本との乗務員交替と引き継ぎ、スイッチバック運転のため平均8分停車しています。

米原しらさぎ」のうち「しらさぎ53・55・57号」を名古屋「しらさぎ」化するにあたり、米原停車を通常の8分停車から15分停車にするものです。

 

「ひだ7・11・13号」の名古屋5分早発、岐阜で6分停車が順当と考える

上記①と②の比較において、②での米原15分停車ではあまりに長すぎます。

米原で15分停車してまで名古屋延長運転をしても意味がないと言われるのは必然です。

したがって①の、「ひだ7・11・13号」について名古屋発を5分早め、岐阜駅で5分早着した分、岐阜に6~7分停車とするのが妥当と考えます。

名古屋発車後、18分で岐阜に到着してから6分も停車するのでは苦情になることも当然、考えられます。

「ひだ」の名古屋発車時間をずらして岐阜停車時間を現状のままにするのが望ましいのですが、その場合、「ひだ」の列車時刻を白紙改正に近い作業が必要になってきます。

その手間を簡略化するため、岐阜の6分停車に理解を求めるものです。

なお、「ひだ」の岐阜停車の場合、高山線JR東海の路線であり、会社境界の米原でのJR西日本との引き継ぎよりもダイヤ変更の課題は少ないと考えます。

 

名古屋-JR北陸は東海とJR西日本の連携協調が必須

かつては名古屋から富山まで直通していた「しらさぎ」が、北陸新幹線金沢開業によって名古屋-富山は金沢乗り換えとなりました。

名古屋対福井の場合は乗車時間、移動距離ともに短い上での米原敦賀の2回乗り換えであり、対金沢・富山とは異なります。

JR東海は自ら名古屋「しらさぎ」の動きはしないと思われます。

毎時の名古屋「しらさぎ」にしたところで、新横浜側からの福井移動は米原敦賀の2回乗り換えだから同じことという冷めた見方をしているかもしれません。

しかし名古屋-福井と新横浜-福井とは事情が異なります。

JR西日本は名古屋-福井の利用促進策として、米原しらさぎ」の名古屋発着をJR東海に対して働きかけ、米原しらさぎ」と「ひかり」では効果が発揮されない名古屋-福井の鉄道選択に危機意識を持って取り組む必要があるのではないでしょうか。

 

北陸新幹線敦賀経由での大阪-長野の乗り継ぎダイヤを見る

北陸新幹線敦賀開業で大阪-長野移動は北陸新幹線経由が主流になるか?

2023年3月8日付け、拙「新大阪-長野の経路は、来春から名古屋経由から北陸新幹線敦賀経由に変わるか?」の続編です。

北陸新幹線敦賀まで開業しましたので、大阪-長野の移動について、北陸新幹線敦賀経由と、東海道新幹線名古屋経由を再検証してみたいと思います。

大阪-長野の移動と言えば東海道新幹線名古屋経由、中央線が定番ですが、名古屋での1回の乗り換えが必要です。

1回の乗り換えという点では、北陸新幹線経由でも敦賀の1回乗り換えの点では同等です。

今回は、大阪-長野を北陸新幹線敦賀経由とした場合について、見てみたいと思います。

 

なお、ここでは、

新大阪-「サンダーバード」-敦賀北陸新幹線-「かがやき」-長野のコースを「北陸新幹線経由

東海道新幹線新大阪-「のぞみ」-名古屋-中央線-「しなの」-長野のコースを「東海道新幹線経由

と記させていただきますのでご了承ください。

 

運賃・料金

〇 北陸新幹線経由は、486.3キロ、16,640円(運賃8,030円+特急料金8,610円)、往復33,280円

〇 東海道新幹線経由は、437.4キロ、14,100円(運賃7,480円+特急料金6,620円)、往復28,200円

【判断】 往復では5,080円差で東海道新幹線経由が安価。

 

列車ダイヤ

〇 北陸新幹線経由は、「サンダーバード」の本数が多いこと、大阪発であることの利点はありますが、敦賀接続の北陸新幹線は東京速達の「かがやき」への接続ではなく、金沢、富山への「つるぎ」接続が主体です。

すなわち大阪、新大阪からの北陸新幹線速達は「つるぎ」による富山までであり、新大阪-長野の速達「かがやき」接続自体を直接は想定していないダイヤです。

「かがやき」はあくまで東京-敦賀速達が趣旨であり、長野-敦賀も同様です。

東京・長野-敦賀を速達「かがやき」に乗っても、敦賀からの「サンダーバード」接続、新大阪速達は考慮のないダイヤになっています。

〇 東海道新幹線経由は、新大阪-名古屋の「のぞみ」の運転本数はもとより、名古屋-長野の「しなの」も名古屋発で7時から16時までは毎時00分発のわかりやすいダイヤです。

17時台から19時台は毎時40分発に変わり、16時00分発の次は17時40分発となる時間帯だけ運転間隔が開きますが、分かりやすいダイヤと言えます。

長野発「しなの」も同様です。

長野6時09分発の次が7時44分で、運転間隔が開きますが、9時台以降はほぼ毎時00分発で分かりやすくなっています。

【判断】 新大阪-長野の北陸新幹線経由は、列車ダイヤで見る限り、速達は二の次のイメージで、日中は「はくたか」乗り継ぎになり、敦賀-長野は各駅停車。

後続列車に抜かれることはないものの、距離的には東京-名古屋の「こだま」のイメージを持ちます。

総体的に東海道新幹線の方が便利といえます。

 

名古屋と長野の乗り換えのしやすさ

〇 北陸新幹線敦賀エスカレーターでの「上下」移動、「縦」移動のイメージです。

階数で言えば1階→3階です。

〇 東海道新幹線は名古屋乗り換えですが、名古屋は長年の歴史による慣れもあって、連絡通路で「横」の移動イメージがあります。

階数で言えば2階→1階→2階の印象です。

【判断】 敦賀はまだ開業直後で、乗り換えに慣れていない人が多いこともあり、名古屋の方が乗り換えは気軽、便利な印象があります。

今後、敦賀の乗り換えに慣れてくれば評価は変わってくるかもしれません。

 

新幹線の速達性

〇 北陸新幹線敦賀-長野の「かがやき」は定期9往復で、東京発11時台から15時台、敦賀発10時台から14時台の定期「かがやき」はありません。

日中の敦賀-長野は、各駅停車型の「はくたか」になり、速達の点で不利です。

〇 東海道新幹線新大阪-名古屋の「のぞみ」は十分すぎるくらいの運転本数があります。

【判断】 「かがやき」の定期列車が毎時設定でない点で、東海道新幹線が便利。

敦賀-金沢を「つるぎ」、金沢から始発の臨時「かがやき」に乗り継ぐ方法もあるが、敦賀と金沢の2回乗り換えは億劫であり、不利。

 

サンダーバード」「かがやき」の接続ダイヤを見る

敦賀-長野を定期列車の「かがやき」前提で、乗り継ぎダイヤを見てみます。

なお、ここでは「サンダーバード」の発着駅は大阪駅とさせていただきます。

◆大阪→長野

大阪6:340発「サンダーバード1号」→敦賀7:54着→敦賀8:15発「かがやき506号」→長野10:12着(所要3:42)

(以下、駅と列車名は同上)

7:40発「5号」→9:03着→9:21発「508号」→11:10着(3:30)

13:12発「25号」→14:33着→15:04発「510号」→17:03着(3:41)

14:12発「27号」→15:33着→16:04発「512号」→17:54着(3:42)

15:40発「31号」→17:00着→17:13発「514号」→19:03着(3:23)

16:40発「35号」→18:00着→18:36発「516号」→20:27着(3:47)

18:10発「41号」→19:31着→20:11発「518号」→22:09着(3:59)

 

◆長野→大阪

長野7:38発「かがやき501号」→敦賀9:34着→敦賀10:14発「サンダーバード14号」→大阪11:36着(所要3:58)

(以下、駅と列車名は同上)

8:39発「503号」→10:28着→10:44発「16号」→12:06着(3:27)

9:40発「505号」→11:29着→12:14発「20号」→13:36着(3:56)

10:46発「507号」→12:43着→13:14発「22号」→14:36着(3:50)

11:43発「509号」→13:39着→14:14発「24号」→15:36着(3:53)

17:46発「511号」→19:37着→20:11発「46号」→21:34着(3:48)

18:49発「513号」→20:38着→21:08発「48号」→22:31着(3:42)

19:46発「515号」→21:34着→22:05発「50号」→23:29着(3:43)

 

【判断】 以上の接続ダイヤを見ると最速所要時間は3時間27分ですが、平均すると3時間30分を超えるイメージで、4時間に近い接続列車もあります。

前記しましたが、「サンダーバード」と「かがやき」の接続は考慮されていません。

また、「かがやき」の定期列車本数自体が少ないほか、「サンダーバード」の接続対象は「かがやき」ではなく富山までの「つるぎ」です。

敦賀-長野の速達需要は、毎時の「かがやき」定期列車設定ほどのものではないという見方もできます。

ちなみに、「はくたか」乗り継ぎで一例を見ると、大阪8:10発「サンダーバード7号」→敦賀9:37着→9:58発「はくたか560号」→長野12:24着で、大阪-長野4時間14分です。

ただし、新大阪からの乗降だけでなく、大阪から乗降できることは北陸新幹線ルートの強みです。

 

東海道新幹線名古屋経由の列車ダイヤ、所要時間

中央線「しなの」はほぼ毎時設定で、新大阪-長野の平均所要時間は約4時間です。

名古屋での「のぞみ」接続は、定期「のぞみ」で特定すると待ち時間が長いこともあります。

また、大阪基準で見ると東海道新幹線利用は、新大阪と名古屋の2回の乗り換えを必要とします。

大阪では乗り換え回数1回の北陸新幹線の方に分があるという見方もできます。

サンダーバード」は9両編成、「しなの」は6両編成で、輸送力は「サンダーバード」の方が勝ります。

 

普通車指定席は「サンダーバード」は8両、「しなの」は3両で大差があります。

気軽に乗れる自由席を好む人は「かがやき」「サンダーバード」の北陸新幹線コースは不向きで、東海道新幹線コースの「のぞみ」「しなの」の方になります。

グリーン車での前面展望は名古屋→長野の「しなの」だけの特権です。

 

お勧め経路は、新大阪→名古屋→長野→敦賀→新大阪

前回にも記したことと同じ内容になりますが、ご了承ください。

時間に余裕があるなら、新大阪→東海道新幹線→名古屋→中央線→長野→北陸新幹線敦賀→新大阪の信州・北陸循環コースを推薦します。

新大阪→名古屋→長野→敦賀京都市内の一周切符(11,880円)で乗車し、京都→新大阪は運賃別払い(580円)で合計12,460円です。

これに特急料金、新大阪→名古屋→長野6,620円、長野→敦賀→新大阪8,610円、合計15,230円を加えます。

運賃・料金合計額は27,690円です。

東海道新幹線往復の28,200円と比較して510円ですが、安価になります。

 

運賃・料金の安価さもありますが、往復経路を変えて両方の新幹線に乗車しての木曽路・信州・北陸・琵琶湖の湖西車窓を見て一周する方が変化に富みます。

東海道新幹線を先に乗り、大阪へ戻る際は北陸新幹線のコースをお薦めします。

篠ノ井線姨捨善光寺平の眺望は松本→長野の方が感動します。

運転席を介しての前面展望もこのコースでの「しなの」グリーン車だけの魅力です。

また、敦賀新疋田の鳩原ループ線で列車が一周する光景は敦賀→新大阪方向だけの持ち味です。

この逆のコースでは鳩原ループ線体感はできず、善光寺平の、いきなりの展望演出効果も薄れます。

循環コースは東海道新幹線が先、北陸新幹線を後に計画を立てることをお勧めします。

 

※写真は本文と無関係です。

山形新幹線E8系 先頭17号車の乗降ドアは両側設置が望ましいのでは?

16号車と17号車の乗降扉間が開きすぎているのは不便と混雑・混乱が生じないか?

2024年春のダイヤ改正の話題の一つに山形新幹線E8系の投入があります。

E3系の後継、時速300km/h運転で話題の車両です。

定期列車としては、新庄5時40分発→東京9時12分着「つばさ122号」、東京9時24分発→新庄12時31分着「つばさ131号」に充てられています。

 

先頭車の乗降扉位置をE3系の連結部側から、乗務員室側に変更したE8系

E8系の特徴の一つに、先頭車の乗降ドア位置を、E3系のような連結部側から乗務員室側に変更したことが挙げられます。

E8系の洗面所・トイレは、12・14・15号車の東京側と、16号車の新庄側にあり、E3系の11号車グリーン車の洗面所が隣の普通車12号車に変わりました。

ほかにも全座席のコンセント配置、大型荷物スペースの全車両配置等、改善箇所が随所にあります。

 

残念だった点の一つに、16・17号車の間の連結部に乗降ドアがなくかったことが挙げられます。

その結果、駅ホームで列車を待つ際には、16号車と17号車の乗車位置の距離が遠く離れることになりました。

 

定員増にもこだわった産物?

ここで山形新幹線秋田新幹線の座席定員を見てみます。

山形新幹線の主役E3系は、普通車371席+グリーン車23席、計394席。

秋田新幹線E6系は、同じく308席+22席、計330席。

今回のE8系は329席+26席、計355席です。

E8系はE3系よりも座席数が39席少なくなりましたが、E6系よりは座席数を多くしたかったのか、300km/hの上限速度を活かして先頭部の形状を見直し、E6系より25席の増を図りました。

 

定員をE3系に少しでも近づけたかったことと、先頭車尾乗降扉位置を乗務員室側と決めた結果、新庄側の16・17号車間のドア位置が離れたように見受けます。

余談ですが、乗降ドア間が離れたドア配置は、国鉄時代の東北特急、座席・寝台両用特急電車583系はつかり」「ゆうづる」等での12・13号車の距離を思い出しました。

 

常磐線E657系、中央線E353系に見られたJR東日本特急のドア位置の配慮

JR東日本では、E8系のような乗降ドア間の距離が開くことを避けるため、在来線特急については基本的に、片側先頭車だけは両側2扉としてきました。

常磐線特急「ひたち」「ときわ」用のE657系は片側ドアで、仙台側にあります。

このうち先頭1号車だけは品川側と仙台側の両側にあります。

第一線を退いた房総の255系、新潟地区・常磐臨時用E653系、中央線E353系、中央・東海道・房総E257系でも同様の配置となっています。

これらは、先頭車の乗客が降車する際、扉のない乗務員室に行きあたって、連結部側に戻ることを避けたものであり、駅ホームで待つ際の列の位置を遠くしない配慮もあると思われます。

(「つがる」用E751系だけは片側1枚ドアです。)

 

いまさら叫んでも仕方のないことではありますが、E8系でも255系以降の乗降ドア位置の思想がほしかったところです。

具体的には新庄側の先頭車、17号車だけは16号車側にも乗降ドアがあればよかったと思います。

17号車だけ両側、2枚ドア化により、17号車の座席数は2列分が減ることになります。

そうなるとE3系との座席数39席の差が50席近くの差になります。

JR東日本としては、E8系の定員を今回の355人以下にはしたくなかったと考えられます。

ちなみにJR西日本では伯備線新型273系の乗降ドアについて、先頭車は両側とも乗務員室背後に設け、さらに片側の先頭車には両側にドアを設置しています。

 

今後の山形新幹線全編成がE8系になるのも間近です。

16号車と17号車の乗車位置だけが著しく離れているのは、新幹線全体の列車編成の乗車位置、乗客案内、乗車列車から降りる際の状況等を勘案すると、17号車だけは定員減とはなっても両側扉にした方がよかったと考えます。

あくまで1枚ドアとする考え方ならば、16号車寄りの連結部側、E751系のような形の方がよいように感じますが、いかがでしょうか。

 

※写真は本文と無関係です。

ハピラインふくい 日中の敦賀発福井行き発車時刻の5分前後繰り下げを

敦賀発時刻の繰り下げにより、北陸線湖西線普通列車から乗り継ぎ利便が向上する

北陸新幹線敦賀開業により、在来線の敦賀大聖寺間がハピラインふくいに変わりました。

ハピラインふくいの日中の列車ダイヤを見ると、敦賀-福井、福井-金沢、武生-福井にそれぞれ毎時1往復設定されています。

武生-福井は敦賀発着列車と合わせ、毎時30分間隔になっています。

 

ハピラインふくい、IRいしかわ鉄道、あいの風とやま鉄道、えちごトキめき鉄道の4社を合わせて、敦賀直江津の列車本数と列車接続は概ねよくできていると言えます。

現在の北陸線第三セクターに置き換わった北陸線米原直江津の中で、列車接続について唯一、不便になったのが京都、米原方面から敦賀乗り換えでハピラインふくいの列車に乗り継ぐ際の日中のダイヤです。

 

湖西線新快速が敦賀到着の直前に敦賀を出てしまうハピラインふくいの列車ダイヤ

日中、毎時1往復の、京都方面から敦賀行き新快速に乗車し、敦賀-福井はハピラインふくいに乗り継ごうとすると、新快速の敦賀到着直前にハピラインふくいの列車は発車してしまいます。

具体的には以下の状況であり、併せて新幹線敦賀開業前のJR西日本北陸線ダイヤを記載します。

 

【2024.3.16以降のダイヤ】

湖西線新快速敦賀行きの敦賀到着時刻

11:15、12:15、13:15、14:15、15:15、16:15

ハピラインふくいの敦賀発福井行き時刻

11:12、12:13、13:13、14:13、15:06、16:06

 

【2024.3.15までのダイヤ】

湖西線新快速敦賀行きの敦賀到着時刻

11:15、12:15、13:15、14:15、15:15、16:15

北陸線敦賀発福井行き時刻

11:37、12:37、13:37、14:42、15:40、16:38

 

なお、敦賀での、ハピラインふくいから北陸線への日中乗り継ぎは20分であり、接続待ち時間は改正前と同じで、とくに意見はありません。

 

米原近江塩津方面と武生方面との普通列車での行き来は少ないのか?

データがないので正確なことは言えませんが、日中の米原近江塩津方面と武生方面の往来は少ないのでしょうか。

普通列車旅客の大多数は敦賀で降りるのでしょうか。

あるいは往来が多くてもほとんどが特急列車による移動であり、普通列車乗り継ぎによる移動はないのでしょうか。

今回の敦賀発、ハピラインふくいの列車ダイヤはそのように受け止めざるを得ません。

 

金沢でのIRいしかわ鉄道乗り継ぎダイヤ、金沢での新幹線接続、金沢での敦賀行き折り返し運用など、いくつかの理由によるものと思われます。

しかしながら毎時1往復ダイヤの中で、JR西日本の時には25分程度だった敦賀乗り継ぎが1時間弱まで拡大させたことは、ハピラインふくいの利用促進にもつながらず、逆に北陸新幹線に一層流れていく傾向を生むように感じます。

 

普通列車相互の乗継時間短縮がハピラインふくいの利用促進につながる

敦賀乗り継ぎは近江今津側からの湖西線新快速列車到着後、5分後に福井へ向けて発車するダイヤが望ましいと考えます。

すなわち現在の敦賀発福井行き発車時刻を5分から10分、繰り下げた方がハピラインふくいの利用促進として効果的と思いますが、いかがでしょうか。

なお、湖西線北陸線が分岐する近江塩津駅での、米原側列車と敦賀方面の接続待ち時間もやや長いのですが、それについては別の機会とさせていただきます。

 

※写真は本文と無関係です。

東北新幹線郡山駅つばさ滑走事象 もしも福島側の本線合流ポイントが本線側だったら

今回、もしも郡山駅構内ポイントの福島側が本線側に向けてあったらどうなっていたか

JR東日本から、2024年3月19日付で「東北新幹線 郡山駅構内 つばさ121号が停止位置を大幅に行き過ぎて停車した事象について」、これまでに判明した状況、緊急対策、今後の対応についての報告がありました。

報告内容の一部を「」表記で以下、引用させていただきます。

 

(以下引用)

「3月6日(水)7時27頃、東北新幹線つばさ121号(東京発・新庄行 E3系7両単独編成)は郡山駅12番線に停車の際、車輪とレールの間に滑り(滑走)が生じ速度が低下せず、所定停止位置を約520m行き過ぎて停車しました。」

「乗務員及び駅社員は、駅進入時の速度が通常より速いことを認め、非常停止手配の措置をとっています。」

「今回の条件において脱線及び他の列車との衝突の可能性について検証した結果、脱線及び他の列車との衝突の恐れはありませんでした。」

「駅進入時、ポイントを最高約145km/h(52号ポイント)で通過しました。 」

「本事象を受けての緊急対策について 
E3系単独編成は、宇都宮~福島間において十分な制動距離を保てるように早めブレーキを実施しています。なお、下り列車のつばさ121号と159号及び上り列車のつばさ148号と160号は、E2系またはE5系を併結して運転しています。」 

(以上引用)

 

この件についてはすでに鉄道関係の専門家、評論家、ジャーナリスト等の方々から様々な見解が出されています。

今回は筆者が感じたことを書きたいと思います。

 

郡山駅でもしも後続「はやぶさ」通過待ちのダイヤだったら

福島側の本線合流位置のポイントは本線向きか、「つばさ」停車確認までは駅ホーム側向きか?

郡山駅で所定停止位置を約520m行き過ぎて停車した位置は、本線合流後の場所です。

520mはかなり長い距離です。

「つばさ121号」は郡山で後続の「はやぶさ」の通過待ちをするダイヤではなく、福島まで通過待ちのないダイヤです。

今回の停車位置は、福島側の本線合流後の場所でした。

 

この場合、後続列車の通過待ちがない駅では、本線合流後のポイントの向きは、今回の事象も想定して停車駅ホーム側になっていることは分かります。

もしも郡山で後続「はやぶさ」通過待ちのダイヤであっても、今回のような事象も想定して、発車後の本線合流ポイントの向きは、駅での完全な停車、乗降を確認するまでは駅構内側に向いているのでしょうか。

それとも駅構内停車を前提に、本線側、郡山通過線側に向いているのでしょうか。

これが仮に、本線側、郡山通過線側に向いていたとすれば脱線事故につながってしまいます。

公表文面を読ませていただくと、危機意識よりもやや楽観的にも感じましたが、本線合流ポイントが駅構内側に向けてあった条件の良さにも救われた部分があります。

後続列車の通過待ちがなかったのも不幸中の幸いともいえるものです。

JR東日本には危機管理意識を願いたく思います。

 

もしも運転資格のない前方監視員配置による自動運転列車だったら

鉄道各社では今後の乗務員確保の困難さ等に備え、列車の自動運転に取り組んでおり、JR九州香椎線鹿児島線の一部では、実証実験も含めてその取り組みが実施されます。

JR東日本でも山手線、常磐緩行線京浜東北線等で準備が進められているほか、新幹線でも同様です。

自動運転において、今回の事象が発生した場合、運転資格のある人の配置であれば緊急ブレーキ措置の対応はできるとしても、その資格のない前方監視員の場合はどうなるでしょうか。

ちなみに、今回のJR九州香椎線の自動運転は後者、鹿児島線は実証実験の位置づけで前者と受けとめていますが、前者と後者の違い、運転資格の有無による緊急時の対応差はどうでしょうか。

 

駅進入時、ポイントを最高約145km/hで通過したことについて

停車駅進入時の145km/hはかなり高速です。

脱線に足らなかったのは幸運とも思えます。

公表文からは145km/hで大丈夫という楽観的な印象も受けましたが、145km/hでは脱線の恐れもないわけではなかったという面はないのでしょうか。

 

他列車の併結運転対応について

「つばさ」単独運転よりも安心できる点は、緊急措置としてはよい対応と思います。

ただしあくまで緊急、暫定措置です。

今後とも全列車E5系併結というわけではないと思われます。

「つばさ」単独運転に戻す際に、安心して乗れるだけの対応、非常時の追加措置説明が望まれます。

その際、今回の件はE3系固有の現象か、他の東北・秋田・上越北陸新幹線では起こらないE3系固有の特性があったのか、それはどのように対処して再発防止するのか、

後継の山形新幹線用E8系はE3系と異なる課題解決機能があるのか、安心してE3系単独「つばさ」に乗れるための今後の対応と情報開示が望まれます。

 

(※ 記載にあたり、2024年3月19日付け、JR東日本東北新幹線 郡山駅構内 つばさ121号が停止位置を大幅に行き過ぎて停車した事象について」を参考にさせていただきました。)

 

東京-福井 一筆書き切符企画で東海道・北陸両新幹線乗車を

北陸新幹線往復・東海道新幹線往復よりも一筆書き切符企画で両新幹線乗車の提案です

乗りものニュース、2024年3月16日付け、「 やっぱ北陸新幹線?『東京―福井』東海道新幹線とドッチがいい? 価格/時間/使い勝手で互角…と思いきや、福井県が神の手を!」を拝見しました。

東京-福井を、北陸新幹線東海道新幹線のどちらがよいか、運賃・料金、列車本数、所要時間、早く着く一番列車、遅くまで現地滞在できる最終列車、乗り換え回数、万が一乗り越した場合に戻る際のリスク、車窓等、様々な角度から比較しています。

読後感としてはほぼ互角と感じましたが、乗り換え無しの北陸新幹線と2回乗り換えの東海道新幹線の比較で、「寝過ごしにおびえなくてよい」北陸新幹線に安心感はあるようです。

最終段に「忘れてはならない、ぐるり『一筆書き』」の項があります。

その部分を引用させていただきます。

(以下引用)

 結局、福井~東京間について北陸新幹線を使うのも、東海道回りも、ともに魅力があるように感じてきました。ならば登場するのは、両方楽しめる一筆書きルートです。乗車券を「東京~北陸新幹線~福井~北陸新幹線北陸本線東海道新幹線~東京」のようにぐるりと一周する経路で買います。

 2015年の北陸新幹線金沢開業以降、単純に往復するよりも安いことから、このルートを使う人も多いのではないでしょうか。安心してください! 紙のきっぷの場合は、変わらず一筆書きルートが最安値の2万8470円(運賃1万3200円、特急料金1万5270円。福井で下車)です。

(以上引用)

 

両新幹線ともに魅力があるなら北陸一周経路で「両方楽しめる一筆書きルート」、両方の新幹線の魅力を味わい、運賃・料金も安く行ける一挙両得方法が東京-福井往復にはぴったりで、沈着な分析の記事内容に共感を覚えます。

蛇足ですが「やっぱ」の話し言葉題名だけは残念でした。

 

北陸新幹線敦賀開業を機に、東京-福井往復の一筆書き北陸一周切符を

以前にも触れましたが、北陸新幹線敦賀開業を機に、東京-福井往復の一筆書きルートでの北陸一周切符の企画を改めて提案したいと思います。

東京-福井の往復について、両新幹線とで往路と復路のコースを変えることで列車移動に変化を持たせ、それも鉄道旅行の楽しみとすることで、新たな鉄道利用の開拓が可能という考え方はできないのでしょうか。

具体的には、東京→東海道線幹線→米原→福井、福井→北陸新幹線→東京の北陸一周(外周)のコースです。

新幹線「ひかり」+「しらさぎ」+「つるぎ」、「かがやき」または「はくたか」の指定席特急券を含んだ総価格から一定額を割り引き、下車駅は基本的に福井のみ(または敦賀追加)とする企画切符の設定です。

 

福井一周で(仮称)「福井っしゅう券」ではいかがか?

切符名称は(仮称)「福井っしゅう券」ではいかがでしょうか。

「福井」と、一周の「い」を合成した遊び言葉の名称です。

東京-福井を一筆書きでの費用は28,470円、これをいくらか値引いて(仮称)「福井っしゅう券」で福井往復を宣伝啓発するのはいかがでしょうか。

 

JR東海の姿勢が鍵?

東京-福井の往復について、JR東日本北陸新幹線の往復、JR東海東海道新幹線米原経由の往復の方が、互いに自社に利点があるのは民間として当然かと思います。

北陸新幹線JR東日本にとっても自社区間、東京-上越妙高の利用増貢献の機会となります。

JR西日本は、北陸新幹線上越妙高-福井または福井-敦賀米原のいずれかの収入があるので、JR東海JR東日本の中立位置にあると思われます。

 

一方、JR東海にとっての北陸新幹線敦賀開業はどうでしょうか。

JR東海にとっては東海道新幹線、東京-新大阪の輸送が最優先、その次に山陽新幹線直通優先の位置づけがあると思います。

北陸への連絡輸送については、東海道新幹線に関する限り、毎時1往復の「ひかり」停車による「しらさぎ」接続以上に関心は薄いように感じます。

その結果、東京-米原については、米原停車の「ひかり」に託すだけで、列車の運行や企画切符について特別な配慮や新企画の打ち出しには関心が薄いように思われます。

名古屋からの福井方面輸送についても、米原止まりの「しらさぎ」の名古屋延長はありませんでした。

そうしたことから北陸一周切符の設定については、JR東海の敷居が高いように感じます。

そもそも割り引きしてまで東海道新幹線で東京-福井に乗ってもらわなくても、東京-新大阪間の輸送主眼という考え方がある、ましてや片道利用なら尚更のことという空気を感じます。

 

しかしながらJR東海には、北陸一周切符の企画設定による東海道新幹線「ひかり」東京-米原の利用促進効果、乗客利便性向上、飛行機・高速バス・マイカー利用者への新幹線誘導効果も勘案してほしいところです。

観光としても京都・奈良の誘客だけでなく、北陸方面についてJR西日本JR東日本との歩み寄り、協調姿勢を望みたいものです。

 

東京-福井へ一筆書きの列車選択

以下は筆者個人の嗜好、こだわりの話です。

福井で1泊するなら列車選択に幅がありますが、日帰りの場合は列車選択にこだわりがあります。

毎回記しているので恐縮ですが、名古屋「しらさぎ」で大垣→関ヶ原の通称新垂井線を経由したい思いがあり、福井への一筆書き旅行は東海道新幹線名古屋経由で開始します。

そして、新線区間北陸新幹線敦賀-金沢の新幹線車窓だけは見なければ意味がないと思っています。

さらには、福井へ行けば乗車時間が限られる越美北線に後ろ髪を引かれてしまいます。

この3条件の中でいかに効率よく回るかの計画を立て、時刻表と一喜一憂を楽しみます。

実際に行くよりも計画を立てる方が面白いことがあります。

 

以上のこだわりを含めると、以下の列車コースとなります。

東京7:00発「のぞみ203号」(※日にちによっては「のぞみ107号」)→名古屋8:37着→8:51発「しらさぎ3号」→敦賀10:27着、10:43発「つるぎ12号」→福井11:04着→福井駅周辺観光(福井城址、恐竜広場等)→福井12:48発→越美北線九頭竜湖14:21着、14:32発→越美北線→福井16:06着→福井16:22発「かがやき512号」→(金沢16:46着)→東京19:20着

または、越美北線往復後、福井17:31発「かがやき514号」→(金沢17:55着)→東京20:23着となります。

 

新垂井線に関心がなければ北陸新幹線を先に乗車

上記ルートは東海道線新垂井線のこだわりによるものなので、このこだわりがなければ逆回りで北陸新幹線に先に乗る方もお薦めできます。

北陸線敦賀新疋田の鳩原ループ線があるからで、日本海が逆側の窓から見られるのが興味深く、新垂井ルートでは鳩原ループ線乗車だけはできません。

列車時間は、

東京7:20発「かがやき503号」→福井10:12着→福井駅周辺観光(同上)→福井12:48発→越美北線九頭竜湖14:21着、14:32発→越美北線→福井16:06着、16:18発「つるぎ31号」→敦賀16:35着、17:10発「しらさぎ60号」→米原17:43着、17:57発「ひかり660号」→東京20:12、となります。

 

金沢は北陸新幹線敦賀東海道新幹線の方が距離は近いですが、福井は東京から両新幹線でほぼ半々の距離にあります。

列車での北陸一周に最適な都市間往復といえます。

福井の人には両新幹線での北陸一周PRもしてはいかがかと思います。

 

(※ 記載にあたり、乗りものニュース、2024年3月16日付け、「 やっぱ北陸新幹線?『東京―福井』東海道新幹線とドッチがいい? 価格/時間/使い勝手で互角…と思いきや、福井県が神の手を!」を参考にさせていただきました。)

 

京葉線ダイヤ改正 通勤快速設定時間帯付近の列車ダイヤを見る

蘇我7:39→東京8:25、「わかしお4号」と総武快速の同時刻列車選択に注目

京葉線通勤快速からの移行先は各駅停車か、総武快速か、特急かが注目されるダイヤ改正です。

本日、2024年3月16日のダイヤ改正を過ぎて3日目、3月18日を迎えました。

京葉線では、3月16日・17日は休日ダイヤだったので、通勤快速廃止、各駅停車運行だけとなる平日通勤時間帯の初日になります。

今回は、ダイヤ改正前の通勤快速設定時間帯付近の列車ダイヤと、改正後の各駅停車のみのダイヤとを比較してみたいと思います。

 

ダイヤ改正「前」の通勤快速時刻

以下、時刻表記における「:」は省略させていただきます。

蘇我発→新木場発→八丁堀発→東京着

744 → 816  →824   →826(所要42分)

758 → 830  →837   →839(所要41分)

 

通勤快速とほぼ同時刻の、ダイヤ改正「後」の各駅停車時刻

※通勤快速停車駅のみを表記します。

下線は特急列車で、参考までの併記です。

 

蘇我発→新木場発→八丁堀発→東京着

729 → →   → →    →812(所要43分)※特急「さざなみ4号」。ダイヤ改正前も設定している。

731 → 813  →821   →823(所要52分)

737 → 823  →831   →833(所要56分)

739 → →   → →    →825(所要46分)※特急「わかしお4号」。ダイヤ改正で新設

744 → 828  →836   →838(所要54分)

749 → 831  →839   →841(所要52分)

753 → 836  →844   →846(所要53分)

756 → 843  →851   →853(所要57分)

802 → 846  →854   →856(所要54分)

811 → →   → →    →848(所要37分)※特急「さざなみ6号」。ダイヤ改正前も設定している。

 

通勤快速運転時間帯に近い、ダイヤ改正後の7本の各駅停車の蘇我-東京所要時間は、最速52分、遅い列車で57分、平均54分でした。

通勤快速に比べ12分から13分、所要時間が延びました。

 

通勤快速での蘇我-東京速達を、特急に誘導したダイヤ

蘇我7:29→東京8:12(所要43分)の特急「さざなみ4号」

蘇我7:39→東京8:25(所要46分)の特急「わかしお4号」

蘇我8:11→東京8:48(所要37分)の特急「さざなみ6号」

以上の3特急列車を見ると、「さざなみ4号・6号」は改正前から設定されていた列車ではありますが、「わかしお4号」は新設であり、従前の同時刻の通勤快速よりも所要時間が遅くなった上で特急化しています。

京葉線で速く東京へ行きたいなら特急という誘導策と感じざるを得ません。

特急を通勤快速に変えて運行する方法もあるはずです。

そのときに、特急によって、指定席により着席が保証され、リクライニング席で快適に行きたい人もいるから、というJR東日本側の理由が出てきます。

 

ダイヤ改正後の京葉線通勤状況の変化を見るポイントは

通勤快速の利用者は、京葉線各駅停車で乗っていくか、総武快速に移るか、特急に移るかということです。

ダイヤ改正後の平日初日の3月18日(月)にすぐ結論は出せませんが今後、JR東日本及び沿線自治体で検証していただきたい内容を以下、記させていただきます。

 

〇 改正前の、蘇我7:44発→東京8:26着の通勤快速が、東京8:38着の各駅停車に変わったが、蘇我からの乗車率は通勤快速と比べてどうか?

〇 同じく、蘇我7:58発→東京8:39着の通勤快速が、蘇我7:56発→東京8:53着の各駅停車に変わったが、蘇我からの乗車率は通勤快速と比べてどうか。

〇 蘇我7:39発→東京8:25着の「わかしお4号」の、蘇我からの乗車はどうか。

通勤快速の利用者が「わかしお4号」に移行したとみられるか。

〇 「さざなみ4・6号」の乗車率、蘇我からの乗車は、ダイヤ改正前よりも増えたか。

通勤快速の利用者が「さざなみ4・6号」に移行したとみられるか。

〇 通勤快速の代替えとして、蘇我発の総武線快速の利用は増えたか。

蘇我発→東京着の総武快速ダイヤ】

蘇我7:08発→東京8:02着(所要54分)

・7:21発→8:14着(所要53分)

・7:39発→8:29着(所要50分)

・7:44発→8:32着(所要48分)

・7:49発→8:39着(所要50分)

・8:03発→8:58着(所要55分)

〇 京葉線快速の各駅停車化により、各駅停車列車の乗車率は全体的に平準化されたか。

〇 快速の各駅停車化により、快速通過駅である幕張豊砂、新習志野二俣新町市川塩浜葛西臨海公園、潮見、越中島の乗車は今後、増えていくか。

 

蘇我7時39分→東京8時25分、「わかしお4号」と総武快速の選択に注目

蘇我-東京の通勤・通学を京葉線各駅停車か、特急か、総武快速か、3者のどれを選ぶかが注目されますが、その中でも蘇我7:39発→東京8:25着は、京葉線特急「わかしお4号」と、総武快速の時刻とがまったく同じ発着時刻です。

はたしてどちらが選ばれるでしょうか。

それとも蘇我7:44発→東京8:38着の京葉線各駅停車になるでしょうか。

もっとも着目したい列車時間です。

 

今後とも京葉線の状況変化を注視しつつ、併せてJR東日本、沿線自治体の動きも着目したいと思います。

東京-海浜幕張のイベントアクセスによる快速削減の影響については、別の機会とさせていただきます。

 

 

16時間31分喫煙可能な「サンライズ出雲92号」と時代趨勢を考える

東海道・山陽・九州新幹線に続き「サンライズ出雲・瀬戸」の全面禁煙化を

ENCOUNT 、2024年3月16日付け、「新幹線車内『100%禁煙』が実現 消えゆく昭和の記憶、日本で唯一残る❝喫煙OK❞の鉄道路線とは」を拝見しました。

2024年春のダイヤ改正から、JR及び私鉄特急の喫煙ルームを撤去し、全面禁煙化に踏み切った中、寝台特急サンライズ出雲・瀬戸」の6・13号車の1人用B個室、4・11号車のA個室・2人用B個室の半数だけが喫煙可能の現況、また今後、いつまで継続できるか分からないことに触れています。

今回は、「サンライズ出雲・瀬戸」の喫煙について考えてみたいと思います。

 

サンライズ出雲・瀬戸」の乗車時間は?

ここで「サンライズ出雲・瀬戸」の乗車時間を見てみます。

いずれも始発駅から終着駅まで乗車した場合です。

◆「サンライズ瀬戸

東京21:50発→高松7:27着、所要9時間37分

※(琴平へ臨時延長運転時)東京21:50発→琴平8:39着、所要10時間49分

高松21:26発→東京7:08着、所要9時間42分

 

◆「サンライズ出雲

東京21:50発→出雲市10:00着、所要12時間10分

出雲市18:57発→東京7:08着、所要12時間11分

 

◆臨時「サンライズ出雲91・92号」

東京22:21発→出雲市13:39着、所要15時間18分

出雲市13:52発→東京6:23着、所要16時間31分

 

個室ゆえに喫煙問題無し、「サンライズ出雲」12時間乗車への配慮?

愛煙家の人にとっては「サンライズ出雲・瀬戸」の喫煙個室を確保できれば、思う存分にタバコが吸える夢のような列車に映るかとも思われます。

このことが「サンライズ出雲・瀬戸」の、もう一つ別の愛煙家嗜好列車という話を聞いたことがあります。

臨時列車で「サンライズ出雲91・92号」が運転されることがあります。

2024年春は5月1日・5日に出雲市→東京の「サンライズ出雲92号」、5月2日・6日に東京→出雲市に「サンライズ出雲91号」が運転されます。

サンライズ出雲92号」の所要時間は16時間31分です。

この長時間での喫煙自由時間は、愛煙家の人にとっては別世界の次元とも言えそうです。

 

もっとも乗車時間の短い「サンライズ瀬戸」でも所要9時間30分以上です。

長時間喫煙可能な解放感、自由度が「サンライズ出雲・瀬戸」を選ぶ動機にもなって、結果的に東京-出雲市・高松で飛行機に転移せず、鉄道が選択されることにもつながるならばという鉄道側の考えもあるでしょうか。

最少でも9時間30分以上の間、愛煙家の人に禁煙を理解・協力してもらうことは無理があるというJR西日本の判断でしょうか。

 

また、下りは浜松→姫路、上りは大阪→静岡で「サンライズ出雲・瀬戸」に乗車する人もいるそうです。

この場合、愛煙家の人の利用に特定したものではありません。

 

健康増進法との兼ね合い

サンライズ出雲・瀬戸」の一部個室を喫煙可能にしているのは、そもそも寝台列車の個室自体が健康増進法の規制対象ではないという事情が絡むかと思われます。

寝台個室ゆえに、その個室の中でのタバコの煙が他の部屋の個室までは副流煙として流れていかない、煙が他の人の健康を害するまでには至らないという考えかと思います。

タバコの煙が苦手な人にとっては、個室とはいえ、喫煙個室利用者の部屋への出入りや、出入用ドアが閉まっていても壁との微妙な空間などから煙が漏れてくることもあり得ると、気になっているかもしれません。

車内喫煙ルームを設ければよいという考えもありますが、東海道・山陽新幹線と乗車時間が異なるとはいえ、寝台列車は別扱いの方向で今後も進んで行けるでしょうか。

 

万一、夜行個室列車ゆえに、タバコ原因の火災が発生し、発見が遅れた場合

個室とはいえ夜通し走る寝台列車だけに、夜間での個室内の喫煙による吸い殻の後始末状況によっては火災の原因になりかねず、また個室ゆえに火災の発見が遅れることもあり得ます。

健康増進法の前に、ホテルとは違う、寝台列車という列車走行の特性と空間、限られた列車乗務員、万一火災時の発見の遅れ等を総合的を考慮すれば、愛煙家の方には叱られるにせよ、「サンライズ出雲・瀬戸」の全面禁煙化は時代の趨勢からしてやむを得ないと考えますが、いかがでしょうか。

 

ダイヤ改正日2024.3.16の朝 テレビ報道番組にはどの列車が登場するか?

北陸新幹線敦賀開業のほかに、どの列車がテレビ中継で放送されるでしょうか?

2024年3月16日のダイヤ改正日を迎えました。

テレビ報道で各地のダイヤ改正状況を見る人も多いと思われます。

朝早くからの中継で、話題の駅や列車が登場する場面が想像されます。

どの駅で、どの列車が多く映像に流れるでしょうか。

以下、映像で流されると思われる可能性がある列車を時系列で見てみたいと思います。

以下、毎回のことですが、何の根拠もない勝手な想像内容ですので予めご了承ください。

 

◆5:40 山形新幹線新庄駅ホーム 「つばさ122号」東京行き発車時刻

山形新幹線の新型車両E8系の一番列車の中継です。

ただし5時40分の中継では時間的に早すぎることと、利用者が限られるため、同列車の山形駅6時23分着、25分発の方が利用者が多く、中継時間的にも無難です。

山形6時23分到着頃の中継になる可能性もありそうです。

 

◆6:00 北陸新幹線金沢駅ホーム 「つるぎ1号」敦賀行き発車時刻

北陸新幹線開業が今回の一番の話題です。

敦賀-金沢の開業区間の一番列車は金沢6時00分発「つるぎ1号」です。

新庄でのE8系「つばさ122号」よりも、金沢での「つるぎ1号」の方を第一に報道されるのは確実と思います。

 

◆6:03 東海道新幹線横浜駅ホーム 「のぞみ97号」博多行き発車時刻

新横浜始発の「のぞみ」の誕生を報道するものです。

新横浜始発の定期「ひかり」はありますが、たとえ臨時列車ではあっても「のぞみ」の方がインパクトは大きいと思われます。

当日は北陸新幹線敦賀開業の話題に隠れるため、新横浜始発「のぞみ」まで報道されるかは微妙なところです。

 

◆6:11 北陸新幹線敦賀駅ホーム 「かがやき502号」東京行き発車時刻

駅の話題としては、既存の新幹線金沢駅よりも新たに開業する新幹線敦賀駅の話題の方が多くなリますが、一番列車の発車時間が金沢の6時00分発よりも11分遅く、中継放送としては金沢の次の順になります。

ただし、あくまで中継放送での話であり、7時台以降になれば新幹線敦賀駅からの新幹線列車の映像の方が多く流れると思われます。

 

◆6:57 北陸新幹線敦賀駅ホーム 「つるぎ1号」到着時刻

金沢始発敦賀行き一番列車「つるぎ1号」敦賀到着の紹介があると思われます。

 

◆7:05 北陸線敦賀駅ホーム 「サンダーバード2号」大阪行き発車時刻

敦賀止まりで不便?になった「サンダーバード」の敦賀始発大阪行き一番列車の報道です。

6時57分着「つるぎ1号」を受けての乗り継ぎ一番列車の状況報道をするかと思われます。

 

◆7:11 北陸線敦賀駅 「しらさぎ2号」名古屋行き発車時刻

サンダーバード」と同じく敦賀で打ち切りの列車が「しらさぎ」です。

サンダーバード2号」発車の6分後の7時11分に、「つるぎ1号」を受けて発車します。

サンダーバード」と「しらさぎ」を一括してVTR紹介とするかもしれません。

 

◆7:37 総武線東京駅 「しおさい1号」銚子行き発車時刻

255系からE259系に置き換わった「しおさい」の発車までの報道想定です。

 

◆7:54 北陸線敦賀駅 大阪発「サンダーバード1号」の到着時刻

◆8:06 北陸新幹線敦賀駅 「つるぎ2号」富山行きの発車時刻

敦賀止まりとなった下り「サンダーバード」の一番列車と、それを受ける北陸新幹線「つるぎ2号」の、乗り継ぎの様子の中継状況の放送があるかと思います。

 

◆8:13 JR九州香椎線鹿児島線で列車自動運転 香椎発博多行き発車時刻

JR九州香椎線鹿児島線折尾-二日市で、819系(DENCHA)により自動運転を行います。

鹿児島線は、営業列車での自動列車運転支援装置の実証運転の位置づけで、運転士以外の係員が先頭部に乗務する形です。

今後の列車自動運転化に向けての一つの方向性として、報道が期待されます。

香椎8時13分発博多行きが最初の該当列車です。

香椎駅では翌日、3月17日11時から出発式を開催します。

 

◆9:24 東北新幹線東京駅E8系 東京発「つばさ131号」発車時刻

山形新幹線の新型E8系については、新庄5時40分、山形6時24分の項でも紹介しましたが、利用者の多い東京駅でも報道紹介するかと思われます。

 

◆9:28 富士急行河口湖駅ホーム 「富士回遊3号」到着時刻

中央世・富士急行の新宿-大月-河口湖に1往復増発された「富士回遊」の終着、河口湖駅での列車紹介の想定です。

 

◆9:34 北陸新幹線敦賀駅 東京発敦賀着一番列車「かがやき1号」の到着時刻

東京発の敦賀直通一番列車紹介の想定です。

 

◆9:50 千歳線札幌駅ホーム 特快「エアポート41号」新千歳空港行き発車時刻

札幌-新千歳空港間で毎時6往復設定した快速「エアポート」の中でも停車駅が少ない特快の札幌発一番列車の紹介想定です。

 

◆12:49 奥羽線秋田駅ホーム 「スーパーつがる1号」青森行き発車時刻

「スーパー」の冠を省いてきた列車愛称の流れの中で今回、「スーパー」の冠を被せた事例の報道想定です。

 

◆13:14 東海道線熱海駅ホーム 熱海-豊橋直通列車

静岡、興津、島田、浜松で列車を分断してきたJR東海普通列車が今回、3315系投入を機に熱海-豊橋189.0キロの直通列車を実現させた、青春18きっぷ利用者が喜びそうな列車設定の報道想定です。

 

◆日中時間帯 JR四国 徳島駅のタクトダイヤ

JR四国では「徳島駅の到着・発車時間帯を統一し、線区相互間のご利用が便利に!」という謳い文句で高徳線徳島線鳴門線牟岐線の発着時刻を統一し、徳島駅での他の路線への乗り継ぎをしやすくしました。

JR四国はこれを「各路線のパターンダイヤを上手く接続する『タクトダイヤ』」と名づけています。

4路線が集まる徳島駅で、どの時間帯でも中継できる時間幅の広さがあります。

新しい列車や車両の話題とは異なり、中継放送的にはやや弱いかもしれませんが、乗りやすいダイヤを目指したJR四国のタクトダイヤ姿勢は他の地区でも参考になる見本であり、報道で伝えてほしいものです。

 

◆その他

その他、JR東海の中央線315系による時速130キロ運転、京葉線の通勤快速廃止、JR西日本東海道線「らくラクびわこ」、山陽線「らくラクはりま」などの話題もあります。

京葉線通勤快速と、JR西日本の「らくラク」特急は、土曜・休日運休のため、3月16日ダイヤ改正日は対象外でした。

 

以上、3月16日当日、または17日以降にテレビ放送されるであろう報道番組での話題の列車と駅、時間帯を想定してみました。

こんなことを考えても仕方がないとは思いつつも、事前に想像をめぐらしながら実際のテレビ中継を見てみるのもダイヤ改正当日の楽しみのうちと思っています。

 

新京成 屋根上の誘導無線アンテナは今後撤去していくか?

不要なアンテナは撤去するか、未使用でも影響しないから撤去を保留するか?

今回は新京成の車両に関する2点の話題ですが、いずれも未確認情報です。

確証のないものを記事にするのもどうかとは思いつつ、可能性は高いだろうという思いゆえに掲載させていただきますことを予めご了承ください。

 

(その1) 列車無線アンテナ撤去の今後の方向性について

2024年2月21日付け、拙ブログ「新京成 検査中のN848が本線復帰した際の注目箇所」でも触れさせていただきましたが、検査中だったN848編成が検査を終えたようです。

ロゴや社章等の処置が注目されますが、屋根上にある京成用誘導無線アンテナの処置も同様です。

一部の方から、いずれも撤去(消去)という情報を受けました。

誘導無線アンテナについては、2023年に検査を終了した8814編成の撤去実績から、8814よりも長く活躍するであろうN848は、アンテナ撤去が自然と思われます。

 

誘導無線アンテナ装備の他の編成も撤去するか?

誘導無線を使用しなくなったことに伴って、屋根上の同アンテナについて新京成は今後、検査の都度、順次撤去していくでしょうか。

誘導無線アンテナを備える編成は、N800形がN818からN858まで全5編成、8800形が全14編成のうち、8802・8803・8808・8811・8812・8813・8815・8816の8編成となっています。

 

N800形については、80000形に続く今後の準主力となることから、全編成が検査の際に撤去するのはほぼ確実と思われます。

一方、8800形はどうでしょうか。

リニューアル編成で機器をSIC化更新した8802・8803・8812・8813・8816の5編成は、今後の検査時に撤去の方向と考えられます。

検査の順番を待たずに撤去を行なうかどうかまでは読めませんが、アンテナ撤去だけのための作業はしないのではないかと想定します。

 

8800形のうち、8808・8811の2編成はリニューアル対象外のため、検査周期を迎える際、誘導無線撤去以前の話として、編成自体を廃車の方向と思われます。

とくに8808編成の廃車は1~2年後と予想します。

 

予想が難しいのは8815編成です。

内装はリニューアルされたものの、床下機器はSIC更新しなかった異色の編成です。

しかも8800形の最終新製車です。

8815編成の今後の措置方法として、以下の選択肢が考えられます。

① 床下機器が未更新の点から、8805・8806・8808・8809・8811に続いての廃車候補とする

② 内装リニューアル編成としては最終8814編成の一つ前の改造実施編成だったことから、Sic床下機器更新車と同列に扱い、廃車を遅らせる

 

予想としては、床下機器簡素化による車両維持管理面を中心とする経済性、取り扱いのしやすさから、①の方向のように思いますが、どうでしょうか。

 

N800形の行き先表示器が全編成フルカラー化?

N828・N838・N848の3編成の行き先標機器は3色LED、N818・858はフルカラー編成でした。

今回のN848編成検査の前に、N828編成が検査終了後、行き先表示器は3色LEDのままでフルカラー化されませんでした。

そのため、今回のN848も3色LEDのままと予想しましたが、N828・N838が最近急にフルカラー改造されたので、N848のフルカラーでの登場は確実であり、筆者の予想はまた外れてしまいました。

裏返せば、N848検査の機会に行先表示器をフルカラー化する方向であり、それに合わせてN828・N838も歩調を合わせたとも考えられます。

 

(その2)8807編成パンタグラフシングルアーム式に交換された?

こちらも未確認情報です。

新京成線運用情報を見ると、リニューアル済みである8807編成が2024年2月27日以降、休車となっています。

N848編成の検査最終時期と重なります。

リニューアル編成でパンタグラフが従来の菱形のままなのは8807編成が唯一でした。

前回の検査時にパンタグラフシングルアーム型、いわゆる「くの字」型に交換しなかったのが意外だった経過があります。

遅ればせながら今回、シングルアームパンタグラフになったとすれば、リニューアルの全編成がシングルアームパンタグラフとして揃うことになります。

 

以上、2点の未確認情報で、筆者の予想的内容となりましたが、ご容赦ください。

(※ 記載にあたり、新京成線運用情報を参考にさせていただきました。)

 

 

常磐線三河島駅 ホーム末端(日暮里側)幅の狭さとホームドア整備を考える

ホームドアのない約3m幅の位置で列車を待つ間に特急が通過する現況

常磐線三河島駅ホームは、国鉄時代は10両編成までが停車できる構造でした。

改札口が南千住側の端に位置する1面2線構造で、上下線の両端に貨物線があるのが特徴です。

土浦方面の中距離電車は最長12両編成、常磐線の混雑が増してから15両編成になりましたが三河島は通過だったため、三河島のホーム幅に問題はありませんでした。

JR東日本になってから、1987年12月に上野-取手の快速も15両編成化に伴い、三河島駅ホームの末端を日暮里側へ、5両分延長しました。

その際、島式ホーム構造のため、日暮里側へ進むにしたがってホーム幅が徐々に狭くなりました。

日暮里側車両の一部を一部のドアを締め切る扱いはせず、15両全部のドアを開閉し、乗降ができるようにしています。

三河島に停車する電車は、南千住側の端の位置に停まります。

電車の編成両数は15両または10両で、10両ならばホーム幅の問題はありませんが、上野東京ラインの開通もあって15両編成が多くなっています。

 

現実に15両編成電車の日暮里側の先端で電車から降りると、ホーム幅が狭いためうっかりすると反対側の線路への落下や、降車した電車の車体に接触しないとも限らず、緊張感が伴います。

危険が伴いそうなのは、三河島駅ホームの日暮里側の端に立って列車を待つことです。

特急の上下T列車の通過はもとより、三河島に停車する下り快速電車でも勢いよく入線するため風圧が伴います。

三河島から乗車する場合は、10両編成時代同様、南千住側の10両までの位置で電車を待つのが安全であり、安心です。

 

今後の三河島駅のホームドア計画は?

三河島駅JR東日本の首都圏ホームドア計画に含んでおり、将来的にはホームドアが整備されます。

目標は2033年3月末までの中で年次計画が立てられます。

現在の常磐線ホームドア整備は、綾瀬-取手の緩行線ホームを優先しており、2024年度の松戸と我孫子の設置により整備が完了する見込みです。

そしてホームドア整備後、常磐緩行線でATO自動運転によるワンマン化実施が想定されています。

 

常磐快速線のホームドア整備は緩行線の整備完了、ワンマン運転化後となりますが、JR東日本ではほかにも整備が望まれている路線や駅を多数抱えているため、順番が回るかどうかはまた別の話です。

概して、特急停車が伴う路線は通勤電車と特急とのドア開閉の二重対策が伴うため、後回しの傾向にあります。

 

三河島ホームの日暮里側先端部は、ホームドア設置により歩く際の幅が一層狭くなります。

山手線内回り・京浜東北線北行電車の新橋駅ホームにおける、浜松町寄りのような狭さでのホームドアがイメージされます。

ただし、幅は狭くなりますが、電車との接触、ホーム落下事故の防止にはつながります。

その意味では三河島も早めのホームドア整備を願いたい位置づけにあります。

 

E231系E531系の先頭車ドア位置相違によるホームドアの扱い方

常磐快速線の15両編成は、取手までのE231系、土浦方面のE531系とも、基本編成が1~10号車の10両、付属編成が11~15号車の5両での組成は共通、ドア位置も同様です。

ただし、運転台のある車両、1・10・11・15号車の、乗務員室背後の座席定員がE231系で6人掛け、E531系で4人掛けであることで、その分、乗務員室背後の乗降ドア位置だけは異なります。

 

現在のJR東日本の首都圏電車は、E531系型の4人掛けタイプが標準です。

E231系E233系E235系等で置き換え、ドア位置にE531系と互換性を持たせるかどうかによって変わります。

常磐快速線E231系をまだしばらく走らせるならば、この4か所のホームドア位置は幅の広いタイプが必要になります。

常磐快速E231系の投入は2002年で、2024年時点の走行歴は22年です。

 

2033年3月末頃までにE231系E235系等に置き換えてホームドアも整備?

前記しましたが、JR東日本の首都圏ホームドア整備は2033年3月末頃を目途としており、その時点でのE231系の経年は31年になります。

今後のE231系E235系等での置き換えと絡めて、常磐快速線10駅のホームドアをE531系と同じ位置に揃えた中で、三河島駅も同時にホームドア整備を行なっていくのではないかと想定しますが、どうでしょうか。

今後の常磐快速線三河島駅のホームドア設置情報に留意したいと思います。

 

(※ 記載にあたり、Wikipedia常磐線」を中心とした情報を参考にさせていただきました。)

 

 

普通列車グリーン料金改定で、乗車時間の短い特急への転移が進むか?

普通列車グリーン料金と特急料金の実質同額により、列車選択が変化する?

首都圏普通列車グリーン車料金が2024年3月16日から改定され、特急料金とほぼ同額になりました。

その結果、普通列車グリーン車の利用者は、特急選択へと変していくでしょうか。

逆に、来春の中央快速線グリーン車連結により、特急から普通列車グリーン車への転移はあるでしょうか。

今回は、首都圏5方面の、2024年ダイヤ改正後における普通列車グリーン車(以下「普通グリーン車」)と特急の指定席(以下、「特急」)との状況を比較してみたいと思います。

 

料金設定の比較

まず新たな料金設定を見てみます。

50キロまで:普通グリーン車750円、特急760円(10円差)

100キロまで:普通グリーン車1,000円、特急1,020円(20円差)

101キロ以上:普通グリーン車1,550円、特急1,580円(30円差)

以上の金額設定から、実質的に同料金と言えます。

50キロ単位で10円差、20円差、30円差と、10円単位で微妙に差を広げていくのはJR東日本の芸の細かいところです。

 

座席の比較

普通グリーン車と言っても、座席は特急の普通車相当であり、特急のグリーン車座席とは異なります。

ただし2階建てグリーン車、2階席からの展望の点では、普通グリーン車の方が、特急より勝ります。

階下席の展望は2階席とは正反対で、駅に着くとホーム客の足元しか見えません。

また、天井高さの制限上、2階席、階下席とも荷物用の網棚はありません。

その点、網棚がある連結部車端の平屋の位置は、狭い空間が逆に準個室的な雰囲気になり、隠れた人気があります。

 

所要時間差と停車駅数の比較

東京を基準に、普通グリーン車と特急の所要時間、停車駅数を比べてみます。

比較する区間や列車時刻は、あくまで平日の下り列車の一事例であり、比較の目安ですのでご了承ください。

◆ 東海道線

東京-熱海

普通グリーン車:東京9:06発→熱海10:48着(所要1:42、20駅停車)

特急「踊り子1号」:東京9:00発→熱海10:20着(所要1:20、7駅停車)

東京-大船

普通グリーン車:東京9:06発→大船9:49着(所要0:43、6駅停車)

特急「踊り子1号」:東京9:00発→大船9:37着(所要0:37、4駅停車)

 

◆ 総武線

大船-成田

普通グリーン車:大船16:58発→成田19:06着(所要2:08、25駅)

特急「成田エクスプレス47号」:大船17:10発→成田18:51着(所要1:41、8駅)

東京-成田

普通グリーン車:東京17:48発→成田19:06着(所要1:18、15駅)

特急「成田エクスプレス47号」:東京18:03発→成田18:51着(所要0:48、4駅)

 

◆ 中央線(普通列車グリーン車は来春予定)

東京-大月

普通列車:東京16:53発→大月18:40着(所要1:47、23駅)

特急「かいじ43号」:東京17:15発→大月18:31着(所要1:16、4駅)

東京-八王子

普通列車:東京16:53発→八王子17:49着(所要0:56、13駅)

特急「かいじ43号」:東京17:15発→大月18:04着(所要0:49、3駅)

 

◆ 高崎線

上野-高崎

普通グリーン車:上野9:56発→新前橋11:49着(所要1:53、23駅)

特急「草津・四万1号」:上野10:00発→新前橋11:18着(所要1:18、5駅)

上野-熊谷

普通グリーン車:上野9:56発→熊谷11:06着(所要1:10、15駅)

特急「草津・四万1号」:上野10:00発→熊谷10:51着(所要0:51、4駅)

上野-大宮

普通グリーン車:上野9:56発→大宮10:22着(所要0:26、5駅)

特急「草津・四万1号」:上野10:00発→大宮10:25着(所要0:25、3駅)

 

◆ 常磐線

上野-高萩

普通グリーン車:上野17:47発→高萩20:48着(所要3:01、33駅)

特急「ときわ73号」:上野18:30発→高萩20:23着(所要1:57、13駅)

上野-水戸

普通グリーン車:上野17:47発→水戸19:59着(所要2:12、24駅)

特急「ときわ73号」:上野18:30発→水戸19:47着(所要1:17、7駅)

上野-土浦

普通グリーン車:上野17:47発→土浦19:02着(所要1:15、15駅)

特急「ときわ73号」:上野18:30発→土浦19:15着(所要0:45、4駅)

 

全体評価

普通列車グリーン車料金と特急指定席料金がほぼ同額なら、所要時間の短い特急の方が優位になります。

途中停車駅も同様で、停車駅の少ない特急の方がストレスは減ります。

JR東日本の首都圏特急は全車指定席の分、指定席確保ができれば普通グリーン車よりも着席保証の安心感があります。

満席なら座席未指定券で立席乗車となっても、特急の方が立っている時間は減ります。

普通グリーン車の方が停車駅の多い分、途中で座れる機会は多くなりますが、結果論であり、途中着席は運次第です。

常磐線の場合、日中は土浦での乗り換えが必要で、普通グリーン車利用も土浦以南に限られ、普通グリーン車選択の余地はありません。

 

特急の速さは特急停車駅相互間乗車の話で、普通列車のみが停車する駅相互間等では普通列車で直行の方が効率的な場合もあります。

100キロ以内の距離にはグリーン定期券も設定されています。

 

列車本数は特急よりも普通グリーン車の方が多くなっています。

1時間後の特急を待つか、その間、本数の多い普通グリーン車に乗るかは判断が異なります。

首都圏から近い距離の移動ほど列車本数が増え、特急との所要時間差も縮まっていきます。

横須賀線東京-久里浜総武線経由外房・内房線東京-上総一ノ宮・君津、東北線宇都宮線)東京-宇都宮は、特急設定自体がないため、普通グリーン車と特急の直接比較はできません。

常磐線で上野-水戸移動の場合、上野-土浦は普通グリーン車、土浦で乗り換えて土浦-水戸は普通車乗車か、それとも水戸までノンストップの「ひたち」かは、青春18きっぷの使用等でない限り、結果は明らかなダイヤですが、JR東日本の特急誘導策も見え隠れします。

 

来春からグリーン車が連結される中央快速線では、東京-立川・八王子で特急とどの程度利用差が見られるでしょうか。

また京王線「京王ライナー」や西武新宿線「拝島ライナー」から中央快速グリーン車への転移はあるでしょうか。

中央快速線グリーン車の成果が注目されます。