65歳以上の運転免許返納者を対象とした切符ということの奇妙な感覚
JR九州では、65 歳以上の人が運転免許を返納した場合に特定した「免許返納おでかけきっぷ」を発売します。
福岡・北九州エリアの普通・快速列車に乗り放題で、在来線特急は特急券を購入すれば乗車できます。
フリー区間は、鹿児島線は門司港から大牟田まで、日豊線は中津まで、香椎・筑豊・篠栗・後藤寺の各線は全線、そのほか久大線、日田彦山線、長崎線の一部区間になります。
利用期間は2024年8月1日から2025年3月31日まで、1か月の有効期間で6,000円です。
JR九州の駅の窓口で「運転経歴証明書」を提示しての購入となります。
今回は、この切符をきっかけに自己年齢と照らし合わせ、クルマ運転についての内容で、鉄道の話題と離れるところがありますのでご了承ください。
65歳が免許返納の土俵に乗る一応の年齢?
筆者は関東居住なので今回のフリー切符とは無縁ですが、仮に福岡・北九州エリアに住んでいたとすれば、運転免許証を返納するかどうかは別として、年齢条件だけは購入条件に当てはまります。
しかし、65歳以上で運転免許証返納話題の年齢かと思うと、それを超えている年齢の分だけ、いささか複雑な心境になってきます。
65歳以上で運転免許証を返納して、なおかつこのフリー切符を利用する人は、はたしてどれくらいいるか、その際にされた年齢は平均何歳くらいでしょうか。
クルマの運転は年齢とともに危険度が高まるから、事故の前に運転をやめたらと言われている気がしてきますが、一方、高齢になると個人差が大きくなってきます。
一概に65歳、70歳、75歳といっても老化の度?は人により異なります。
年齢相応か、衰えているか、または実年齢より若々しいか。
知能、体力、クルマ運転技能、記憶力、行動力、状況判断力、脳と体動作の一致など、様々な要素が絡んできます。
一説によると、免許返納の平均年齢は74歳で、また、70歳以降は高齢者講習があること、75歳以上は認知機能検査があるとのことです。
アクセルとブレーキの踏み間違いによる交通事故が高まるようです。
アクセルをブレーキと思い込んで踏み続けるのは、誤りの判断が効かなかったのか、パニックになったのか、認識自体がないのか。
万一、この踏み間違いで危ない思いをした場合や、車体を壁にこするケースが増えた場合など、大きな事故を起こしてからでは遅すぎるので、一般的には運転免許の潮時かもしれません。
脳の老化抑止策
頭と体は使わないと衰えます。
体の衰えもありますが、脳の衰えの方が一層、気になります。
スマホが手軽で便利すぎる結果、自分の携帯番号さえも覚える必要はない、スマホ画面で見ればよいという、脳が楽を覚えて休眠していく悪循環を招きます。
あくまで脳が主であり、スマホ情報は脳の補助、副の位置づけです。
以下は、筆者自身の脳の衰え対策、スマホ依存症抑止策の余談です。
ご了承ください。
【鉄道関係】
〇 新幹線や首都圏路線、主要幹線の駅名が順番に言えるか?
駅名を漢字で書けるか?
〇 路線ごとの特急列車名、団体列車名が言えるか?
【クルマ関係】
〇 クルマのナンバーが言えるか?
〇 カーナビに頼らず目的地に行けるか?
〇 次回のクルマ点検日、車検の月、免許更新日が言えるか?
〇 大きな店舗の駐車場に駐車して2時間後、迷わず駐車位置に戻れるか?
【自分の情報】
〇 自分の住所・郵便番号・固定電話番号・携帯電話番号、職場の所在地・電話番号、携帯番号が言えるか?
〇 家族・知人のフルネーム、携帯電話番号が言えるか?
【日常生活】
〇 昨日の行動が思い出せるか?
〇 昨日の朝食、昼食、夕食内容が思い出せるか?
〇 自宅周辺の人の名前や店舗名が言えるか?
〇 週の初めに、一週間の予定が言えるか?
〇 毎月の初めに、当月分の予定が言えるか?
まだ続きがありますが、この辺にとどめます。
「忘れっぽくなったのではない、元々衰えているのだから」というブラックジョーク
歳をとると忘れやすくなることは確かです。
以前、この拙ブログでも書いたことがありますが、「最近、物忘れが多くなったなぁ」とつぶやいたら、これを聞いていた人に言われました。
「お前なぁ、衰えとは元々能力のある人の言葉であって、お前は元々衰えているのだから衰えたとは言わないよ」と。
パワハラ的ではありますが、このブラックジョークを聞いた時、なぜか怒りを通り越して「そうか、初めから無能力なのだから、衰えるも何もないのか」と妙に気が楽になったのが今でも不思議です。
言った本人はジョークじゃないよ、真面目に言っているんだよという口調・表情でしたが、気にしないことにします。
自分でいうのはおこがましいですが、遅ればせながら、年齢とともにパワーが多少なりとも備わり、世の中、いろいろな人がいるからという悟りの人生観ができたのかもしれません。
「免許返納おでかけきっぷ」に授かるのはまだ先と信じて
筆者は仮に福岡付近に住んでいたとしても、免許返納きっぷとはまだしばらく無縁でいたいと思います。
運転しない方が安全という思考になっていくと、クルマ以外のことでも、安全・安泰を名目に逃げの思考傾向になりがちと思います。
むしろ、高齢者相応のクルマ運転の事故抑止の秘訣があると思います。
駐車場停止位置でも、混雑付近を避け、出入口から遠くても周囲に駐車車両が少ない場所に停めるようにします。
とくにバック運転の際は、周囲にクルマがない方が安全・安心です。
誰しも自分だけは運転事故はないと思っていますが、クルマは1秒違うだけで事故にもなり、過信は禁物です。
相手のクルマ操作や歩行に期待しすぎない、常に気持ちに余裕を持つことが大事と思います。
今回は、JR九州の免許返納きっぷに伴った、自分との兼ね合いについて書かせていただきました。
筆者の人生訓は「不満より感謝」です。
鉄道への不満の前に、鉄道への感謝が先というのが実感です。