平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

常磐線上野-水戸 特急と普通列車グリーン車との優劣を比較する

上野-水戸の普通列車グリーン車日帰り往復は難しいダイヤ設定

2024年10月13日からの、中央線快速の一部列車にグリーン車が連結され、来春までグリーン料金は不要で乗車できることが話題になっています。

その余波から、横須賀線総武快速線の新型E235系をはじめとして、首都圏各路線の普通列車グリーン車全体の盛り上がりも感じられます。

今回はその中で、常磐線普通列車グリーン車の状況について見てみたいと思います。

 

常磐線普通列車グリーン車は実質、上野-土浦

常磐線では、普通列車グリーン車(以下、「普通グリーン車」)は一応、高萩まで設定されています。

高萩発着の普通グリーン車連結列車は3往復あります。

常磐線の普通グリーン車の設定は実質的には勝田までです。

しかしながら、勝田まで行く普通グリーン車は朝と夕方以降に限られ、日中の普通グリーン車は土浦までの乗車に限られます。

下り列車では、上野を7時02分発の水戸行きのあとは、14時12分発の水戸行きまでの間、普通グリーン車は土浦までです。

上野を7時24分、8時14分・49分に発車する普通列車の勝田行きは、グリーン車のある基本編成を土浦で切り離してしまい、土浦-勝田は普通車利用です。

このほかの日中の列車は土浦止まりで、15両編成の列車から5両編成の普通車編成に乗り換えが必要です。

上り列車では、水戸9時08分発品川行きのあとは、15時31分発うえのゆきまでの間、普通グリーン車はなく、グリーン車は土浦-品川に限られます。

 

他の路線に比べて日中、普通グリーン車区間が短い常磐線

常磐線以外のの路線で日中の普通グリーン車連結運用状況を見ると、高崎線は高崎、東北線は宇都宮、東海道線は熱海、内房線は君津、総武・成田線は成田空港までグリーン車を連結した光景とは対照的です。

常磐線土浦-水戸の普通グリーン車の非連結と似た状況は、横須賀線逗子-久里浜でも感じますが、横須賀線は毎時1往復、グリーン車連結列車が久里浜まで設定されています。

現在の常磐線上野-水戸の普通列車ダイヤをみる限りは、日中の土浦以北の普通列車の利用は少なく、グリーン車連結の10両編成は輸送力過大であり、グリーン車自体の利用はさらに少ない結果だったと受けとめざるを得ないかと思われます。

通勤時間帯以外、常磐線には普通グリーン車はなじまないのかとさえ感じてしまいます。

上野から水戸へ日帰り往復の場合、往路の上野→水戸で上野7時02分発までの列車に乗らないと日中の普通グリーン車区間乗車ができないのは遺憾です。

 

上野-水戸を特急と普通グリーン車で比較する

ここで、上野14時12分発水戸行きの普通グリーン車と特急普通車とを比較してみます。

普通グリーン車は、水戸へ16時20分着で、所要2時間08分、途中停車駅は23駅、グリーン料金はSuica使用で1,550円です。

上野14時00分発特急「ひたち15号」は水戸15時08分着で所要1時間08分、特急指定席料金は1,580円、途中駅は全て通過します。

普通列車グリーン車料金は特急より30円安価ですが、所要時間は1時間差があります。

グリーン車とは言え、普通列車グリーン車と特急普通車の座席とでは、設備に大きな差はありません。

常磐線では、普通グリーン車は通勤時主体のもので、昼間は予備的な扱いと感じます。

上野-水戸は特急主体といってよいでしょう。

特急利用が定着しているならまだしも、東京-水戸は高速バスや自家用車の方が普及定着しているのではないかと、別の面が気になります。

 

常磐線上野-水戸の普通グリーン車の価値観

青春18きっぷ秋の乗り放題パスでの日帰り往復に1回分を使うならば、往復運賃相当分で特急よりも安価になり、普通グリーン車往復の価値は見い出せます。

2階建てグリーン車の展望性を筆頭に、見方を変えて、ゆったりのんびりした普通グリーン車の快適さ、普通列車ながらも高速運転を行なう頼もしさといった別の面での味わいもあります。

上野-水戸の日帰り普通列車旅は、往路の午前は普通車で、帰路は15時30分以降で水戸からグリーン車という利用方法の旅をお薦めします。

 

普通グリーン車 上野-水戸より松戸-水戸、上野-岩間の乗車法

上野-水戸は117.5キロあり、Suicaグリーン料金は1,550円です。

上野-松戸の20分間を普通車にして、松戸からグリーン車に移動すると99.6キロ、Suicaグリーン料金は1,000円になります。

あるいは上野-岩間94.1キロをグリーン車、岩間-水戸の20分間を普通車に移動の方法でも1,000円です。

 

グリーン車に乗る人にそこまで細かく計算し、移動する人は少ないかもしれませんが、このような現象は上野-高崎101.4キロ、上野-宇都宮105.9キロ、東京-熱海104.6キロでも上野-水戸と同じ、わずかに100キロを超えた普通グリーン料金高騰区間になっています。

一つ手前の駅、倉賀野、雀宮、湯河原までのグリーン車乗車で料金を安価にする方法は、実践は別としても知っておいて損ではないと思います。