日本の鉄道三大車窓といえば、根室線狩勝峠、篠ノ井線善光寺平、肥薩線矢岳越えと言われてきました。
このうち、根室線狩勝峠は、1966年の新線開業により、落合駅〜新得駅間は新線に切り替わり、旧線は廃止されて旧線の眺望は半減したともいわれたものの、一部の面影は残っていました。
2024年4月1日、根室線富良野-新得駅間81.7キロが廃止され、石勝線と合流する上落合信号場から新得側での地上区間で往時を懐かしむことしかできなくなりました。
肥薩線矢岳越えは、2020年7月の豪雨により不通となっています。
同じく豪雨被害を受けた八代-人吉間については今後復旧の方向性となりましたが、矢岳越え区間の人吉-吉松は再開見通しが立っていません。
利用の少なさ、列車本数の少なさに加え、途中駅の大畑、矢岳は熊本県、真幸は宮崎県、吉松は鹿児島県に属し、3県の意向調整が必要で、八代-人吉の熊本県のみの状況とは異なります。
根室線狩勝峠の線路付け替えと廃線、肥薩線矢岳越えの不通により現在、三大車窓に授かれるのは篠ノ井線善光寺平だけとなっています。
ここでは、現時点における列車走行区間での、善光寺平以外の候補を勝手に考えてみました。
当然ながら人によって見解は異なります。
あくまで勝手な私見ですので予めご了承ください。
あれこれ悩んだ末、筆者は瀬戸大橋線(本四備讃線)の瀬戸大橋と、釧網線のオホーツク海岸線を入れます。
瀬戸大橋線の5島の間に架かる6橋梁と前後の高架橋を含めて、橋梁約9.4キロ、高架橋を含めて13.1キロといわれ、長い橋を渡る展望と解放感は瀬戸大橋線だけのものです。
釧網線は、知床斜里-網走のオホーツク海車窓で、途中の北浜駅からの展望も有名です。
日本の鉄道十大車窓なら
このほか、筆者の思い入れとしては、宗谷線抜海-南稚内の利尻富士と日本海、函館線大沼公園付近の大沼と駒ケ岳、五能線の日本海、東海道新幹線と富士山の組み合わせの三島-新富士、山陰線余部鉄橋、木次線出雲坂根のスイッチバック、肥薩おれんじ鉄道の肥後二見-海浦、薩摩大川-西方の八代海(不知火海)、天草灘(東シナ海)などに後ろ髪をひかれます。
海が好きか、山が好きか、大地・田園・川・峠越え・急カーブ・駅の表情など、人それぞれ色々な場所や思い入れもあると思います。
鉄道十大車窓にすれば、これらの区間が入ってきますが、それはまた別の機会にさせていただきたいと思います。
※ 写真は本文と無関係です。