東京→三河安城を「のぞみ」名古屋乗り越しで「こだま」で戻る方法の普及は疑問
東海道線豊橋-名古屋-岐阜は、名鉄とJR東海とで所要時間、運賃、列車設備、列車本数等、様々なサービスを行ないながら競ってきました。
名古屋を中心に、豊橋、岐阜方面で競合し合うため、所要時間等も意識せざるを得ないと思われます。
豊橋-名古屋の所要時間は名鉄の快速特急と特急、東海道線の特別快速・新快速・快速(以下、3種別を一括して「快速」で表記)が所要50分台前半を目安に高速運転を行ない、一部列車では所要40分台の列車もみられます。
1988年3月に、請願駅として東海道新幹線三河安城駅が設置されました。
ところが東海道線の特別快速・新快速はもとより、快速さえも三河安城駅は通過し、「普通」電車のみの停車となっているため、東京方面からは「のぞみ」で名古屋まで通り過ぎてから戻るケースや、「ひかり」で豊橋下車後、快速で三河安城方面に向かうケースがみられ、三河安城駅での東海道線乗り継ぎは活かされいないともいわれます。
東京-三河安城の「こだま」の所要時間が長いこともありますが、「のぞみ」に何度も追い抜かれることが不快なこともあるでしょうか。
話は戻りますが、特別快速から快速まですべての快速が三河安城駅を通過するのはなぜでしょうか。
三河安城駅そのものの乗降が少ないこと、新幹線は「こだま」のみの停車のため、快速を停車させても新幹線乗り継ぎが期待できないこと、快速停車によって豊橋-名古屋の快速の所要時間が延びることなど、名鉄との競合上、好ましくないことが挙げられると思います。
しかしながら、新幹線駅として三河安城を併設した以上、たとえ毎時2往復の「こだま」だけであろうと安城、刈谷方面の新幹線アクセスは三河安城乗り継ぎが望ましいのも確かなことです。
JR東海は三河安城での新幹線と在来線乗り継ぎのことよりも、名鉄との豊橋-名古屋の快速所要時間の開きの方に関心が向いているように感じます。
仮に快速がすべて三河安城に停車すると、日中では現在の「普通」3往復が7往復に倍増します。
そのことによって、三河安城での乗り継ぎが増えるか、それとも同駅追加停車により豊橋-名古屋の所要時間が延び、1時間近くを要するようになり、名鉄に移行しないかどうかがポイントになります。
東京→三河安城 4種類の行き方
東京→三河安城は下記の4つのコースがあります。
(1)東京6:30発→「こだま701号」→三河安城8:51着(所要2:21)
(2)東京6:21発→「ひかり631号」→豊橋7:48着、8:02発「こだま767号」→三河安城8:15着(所要1:54)
(3)東京6:00発→「のぞみ1号」→名古屋7:34着、7:38発「こだま704号」→三河安城7:48着(所要1:48)
(4)東京6:00発→「のぞみ1号」→名古屋7:34着、7:43発「新快速」→刈谷8:03着、8:06発→普通→三河安城8:13着(所要2:13)
豊橋停車の「ひかり」乗り継ぎがもっとも速く、名古屋乗り越しもないのでもっとも効率的で安価です。
日中の下り「こだま」は三河安城着が毎時21分・51分です。
三河安城発「普通」での刈谷方面は毎時08分・24分・55分発です。
三河安城での乗り換え標準時間は7分となっています。
三河安城21分着新幹線からは55分発列車への乗り継ぎとなり、34分待ちです。
3分の乗り換えで24分発の駆け込み乗車は推奨できません。
三河安城51分着新幹線からは08分発列車への乗り継ぎとなり、17分待ちです。
4分の乗り換えで55分発の駆け込み乗車は、同じく推奨できません。
在来線ホームで「普通」電車を待っている間、快速が次々に三河安城を通過していきます。
快速の本数は普通電車よりも多くなっています。
また大阪方面から安城・岡崎方面の場合は、直通「こだま」は毎時1往復のみで、三河安城に毎時19分着、普通電車は33分発で14分待ちです。
新大阪-名古屋が各駅停車の「ひかり」に乗って、名古屋で始発の「こだま」まで13分待って三河安城まで行き、三河安城から普通電車に乗り換える場合、三河安城では27分待ちで、名古屋と三河安城の2回乗り換えです。
2回乗り換えで待ち時間も長いなら、大阪方面からは名古屋で快速乗り換えにより安城・岡崎に向かう方が自然です。
参考までに、三河安城駅周辺の主な駅の一日平均の乗降客数を見てみたいと思います。
統計情報リサーチの「JR東海の駅別乗降客数ランキング」データから、2019年~2022年の乗降客数の数値を引用させていただきます。
◆駅名 2019年 2020年 2021年 2022年 (単位:人)
三河安城 12,394 9,591 9,130 8,992
安城 23,248 18,012 18,672 19,860
刈谷 73,056 54,025 50,134 50,894
岡崎 48,153 35,790 37,250 39,677
蒲郡 15,525 11,923 12,619 13,418
三河三谷 3,793 3,105 3,213 3,366
大府 29,513 22,927 24,007 25,463
豊橋 92,851 60,204 68,682 77,610
金山 141,747 104,816 114,555 127,091
名古屋 431,428 256,346 286,117 354,486
JR東海は三河安城での新幹線・在来線乗継啓発も行なってはどうか?
かつて、東海道新幹線「ひかり」が新横浜を通過していた時代は、新大阪-横浜の移動は一旦東京まで行き過ぎてから在来線で横浜へ戻るケースがありました。
名古屋-新横浜を各停「こだま」、新横浜-横浜の横浜線は東神奈川で京浜東北線へと、二度の乗り換えもあっては、「ひかり」っで東京へ乗り越して、東海道線普通電車で4駅目の横浜へ戻る方が効率的ではありました。
今の東京→三河安城が、東京からの「のぞみ」で名古屋まで行き、東京行き「こだま」または在来線快速で三河安城へ戻るのは、新横浜と似たような現象です。
横浜の場合は、新横浜の「のぞみ」停車で東京経由が解消しました。
三河安城の場合、新横浜のようにはいかず、「ひかり」さえも停車は困難で「こだま」のみの停車はほぼ確実です。
JR東海は快速の三河安城停車で豊橋-名古屋の所要1時間超えでの名鉄転移のマイナス面で同駅通過を判断していると思われます。
しかしながら、それを決めつけすぎて、安城や刈谷での東京・大阪への新幹線接続は三河安城でという誘発、利用促進を図ってこなかったことにも一つの要因はないでしょうか。
JR東海みずからが、東京から三河安城は「のぞみ」で名古屋から逆戻りを推奨しているようにさえ感じます。
三河安城の快速停車とも一体で、東京-三河安城は豊橋停車「ひかり」と、豊橋-三河安城の「こだま」乗り継ぎ、三河安城からは快速乗り継ぎで刈谷方面等への利便性向上を図ってもよいのではないでしょうか。
新大阪からの安城・岡崎方面へも「こだま」を三河安城まで利用し、三河安城-岡崎は快速という誘導もしてはどうかと感じました。
(※ 筆記にあたり、統計情報リサーチの「JR東海の駅別乗降客数ランキング」を参考にさせていただきました。)

※ 写真は三河安城駅とは無関係です。