以前、短期間の話ではありますが、外国の人を中心とする日本文化体験の企画業務に携わったことがありました。
当時、「鉄道で日本文化を知る日帰り旅」テーマ企画を立てたとすると、自分の趣味と仕事を一緒にするなという話になるので提案しないでおきましたが、いくつか企画していた中の一つ、上越線を紹介させていただきたいと思います。
〇 趣旨
上越線土合駅と湯檜曽駅での、全国的にも珍しいトンネル階段の駅とループ線の光景等を体感し、外国人を中心に日本の鉄道文化を知る一環とする。
また、移動中の列車内や、下車する3駅(土合・湯檜曽・水上)での参加者相互の交流を図る。
〇 期日
夏のJR青春18きっぷ発売を確認後の、同年7月20日から8月31日までの間の1日間
〇 切符
参加者の交通費負担を軽減するため「青春18きっぷ」を活用
〇 参加費
2,410円(青春18きっぷ1回相当分)。
東京駅までの往復交通費、途中の飲食費は参加者負担
※青春18きっぷを使わない、通常の乗車券の場合、運賃総額は6,590円
〇 参加募集人員
10人・15人・20人のいずれか(スタッフを含む)
〇 コースと時間(以下、太字がポイント部分です)
東京駅の改札外に8:10集合
→5人単位で入場
→高崎10:15着→乗換
→高崎10:24発、上越線下り列車乗車
→水上11:31着→乗換
→水上11:39発、上越線下り列車乗車
→湯檜曽11:44着後、下車
→湯檜曽駅下りホーム(トンネル内)から上りホーム(通常の地上駅)へ移動
→湯檜曽駅上りホームで12:30まで休憩
→湯檜曽駅上りホームの土合駅側に立つ(中腹にある架線電柱でループ線の線路位置を知る)
→湯檜曽駅で12:45頃から、山の中腹を行く上り普通列車を観察
→観察した電車が12:51にホームに到着
→水上12:56着後、水上駅では、駅付近にある水上駅転車台広場、蒸気機関車用転車台、展示用蒸気機関車等を見る
→水上13:32発、上越線下り列車に乗車
→土合13:41着→土合駅下車
→土合駅下り地下ホームから、改札出口まで486段の階段を上がる(途中、休憩用長椅子あり)
→階段を上がり終わって、改札口を出た後は休憩
(体力に余裕のある人は486段階段を降りて土合駅下りホームに辿り着き、再度486段階段を上がる。土合駅にカフェあり)
→土合駅の下り線トンネル駅と、途上の上り駅との対照性を体感する
→土合15:34発、上越線上り列車
→進行方向右下に、先ほどの湯檜曽駅と線路がはるか下に見える
→湯檜曽駅15:43発
→水上15:48着→乗換
→高崎16:57着→乗換
→東京18:55着
→5人単位で東京駅の改札口を出た後、解散
〇 留意事項について
・普通列車の自由席乗車のため、列車によっては着席できない場合もあること
・ロングシート車が中心であり、4人掛けボックスシートではない車両が多いこと
→ 東京-高崎の列車では、東京側(東京出発時は最後部車両)の1・2号車はボックスシートがあって、1号車にはトイレもある。
・乗り継ぎ時間が短い駅もあるので、団体行動に協力のこと
・団体貸切バスとは違うので、駅ホームや列車内での大声での会話、スマホ電話、強引な座席確保等は自粛のこと
・人数一体型の切符のため、個人での別行動はできないこと
また、有人改札口を通っての、全員同一での入場・出場となること
・列車は定刻発車のため、集合時間は厳守のこと
※ あまり列記すると、行くこと自体をためらってしまいがちですが、誘導者の心得としての内容です。
総括
東京-土合172.1キロ、往復6,590円のところを2,410円で行けるのはよいとしても、それ以前に、一般的な視点では片道3時間半以上で強硬的、タイトな行程すぎるとは思います。
帰路の高崎での2分乗り継ぎは混乱のもとで、1本あとの列車の方が無難です。
高崎からの帰路を普通列車グリーン車にして、Suicaを使うと1,550円、尾久駅で普通車に移動すれば1,000円ですが、支出増を伴うほか、高崎駅での乗り継ぎ時間が短く、参加者それぞれへの説明、操作手順が必要なため、普通車としました。
上越新幹線への変更も、新幹線乗車体験と併せ、移動時間は短縮されますが、運賃・料金の別途負担額が大きいため見送りました。
外国の人に驚きと関心を抱いていただく想定ですが、面白いと思ってくれる人はいかばかりでしょうか。
今回の上越線のほか、富士山がよく見える路線・駅として富士急行、御殿場線の企画などもありますが、立つ鳥跡を濁さずの言葉もあります。
拙ブログ上だけでの、また別の機会とさせていただきたいと思います。