平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

利用者前年度割れ危機感 吾妻線大前まで2024夏全線乗車をお薦めします

2023年度利用者が前年度減の吾妻線に大前まで全線乗車の計画案です

JR東日本から、2024年7月19日付けで「2023 年度各駅の乗車人員等のデータ公開について 」のニュースリリースがありました。

その中に「路線別ご利用状況」があります。

路線別及び主要区間別に分けて、2023年度の平均通過人員をはじめ、2019年度から2022年度まで4年間の状況変化、利用が盛んだった1987年度の数値も加えたデータで公表しています。

表全体を見ていくと、JR東日本の全路線の中で、とくに利用の少ない路線・区間については将来が気になります。

その一部区間について、2022年度と2023年度の平均通過人員の変化はどうだったかを見てみました。

以下、路線名、区間、2022年度平均通過人員、2023年度平均通過人員の順で列記します。

なお、あくまで筆者の主観による一部路線のみの掲載になりますので、予めご了承ください。

   路線    区間     2022年度 →  2023年度(単位:人)

〇 陸羽東線 鳴子温泉-最上      44 →   51

〇 久留里線 久留里-上総亀山     54 →   64

〇 花輪線  荒屋新町鹿角花輪    55 →   62

〇 山田線  上米内-宮古       64 →      71

〇 飯山線  戸狩野沢温泉-津南         76 →    84

〇 只見線  会津川口-只見      79 →     103

〇 只見線  只見-小出      107 →   121

〇 北上線  ほっとゆだ-横手     90 →   101

〇 水郡線  常陸大子-磐城塙   143 →   147

〇 大糸線  白馬-南小谷     188 →   189

〇 磐越西線 野沢-津川        70 →   102

〇 磐越東線 いわき-小野新町   203 →   216

〇 奥羽線  新庄-湯沢      262 →   291

〇 吾妻線  長野原草津口-大前  263 →   260

 

他にもまだ多く路線に続きますが、ここでは上記にとどめさせていただきます。

 

吾妻線長野原草津口-大前だけが、2022年度よりも2023年度数値が下がった?

上記14区間で、2023年度の平均通過人員が前年度(2022年度)を下回ったのは吾妻線長野原草津口-大前だけで、263人から260人へと3人減となりました。

ずか3人の減ではありますが、平均通過人員が全体的に増加をしている中での、吾妻線の微減は気がかりです。

吾妻線長野原草津口-大前間については、年間4億円台の赤字のこともあって、JR東日本が総合的な交通体系の議論を沿線自治体の長野原町嬬恋村に申し入れ、地元で協議が始まっているからです。

今回の2023年度平均通過人員の対前年比減は、わずか3人減とはいえ、同区間の鉄道の在り方の議論を加速させることも予測されます。

なお、同じ吾妻線でも渋川-長野原草津口は2022年度2,461人から2023年度2,468人へと7人増となっています。

 

吾妻線大前駅までの乗車へのこだわり

吾妻線の特徴は、渋沢-万座・鹿沢口52.2キロまでなら通常の路線なのですが、万座・鹿沢口から大前まで、一駅だけ3.1キロ延長して終わっていることです。

そのため渋川-大前全線で55.3キロになっています。

長野原草津口から万座・鹿沢口までは下り11本、上り10本、計10.5往復で、特急は万座・鹿沢口までは乗り入れなくなりました。

大前発着列車は下りは4本、上りは5本、計4.5往復でこれも変則的な本数です。

 

万座・鹿沢口-大前の車窓に何が見えるか、大前駅に何があるかといっても特別な見どころがあるわけではありません。

万座・鹿沢口で終わっていればとくに気にかけなかったものの、大前まで一駅だけ延ばして終わっているところと、大前駅の孤独感、哀愁そのものに特徴があります。

かつての信越線豊野まで延伸しようとして中座した名残りともなっています。

大前の終着駅の孤独感は、小野田線長門本山駅、山陰線の支線の仙崎駅銚子電鉄外川駅にも共通するものを感じます。

 

吾妻線は、渋川-万座・鹿沢口までの乗車は比較的容易ですが、最後の区間万座・鹿沢口-大前の3.1キロは列車時間が特定されます。

しかし万座・鹿沢口で折り返してしまっては、どうしても大前駅から後ろ髪を引かれます。

 

大前まで午前列車か?午後列車か?

一番列車の新前橋6:23発→大前8:10着列車に乗るには、新前橋付近、高崎や前橋などでの前泊が必要です。

また、最終の大前行き、高崎18:10発→大前19:54着では、ほとんど車窓が見られません。

大前到着時には暗い空の世界です。

そのため、高崎8:53発→大前10:41着か、新前橋15:20発→大前17:11着の列車の二者択一になります。

 

高崎8:53発→大前10:41着列車は、10:50発で新前橋に向けて折り返します。

東京からは6:48発籠原行き列車で、籠原で高崎行きに乗り継げば間に合います。

大前での折り返し時間は9分ですが、吾妻線全線の車窓が往復見られるのが利点です。

また、午後の時間に余裕があります。

吾妻線内での途中下車や上越線両毛線の旅を追加することもできます。

 

新前橋15:20発→大前17:11着列車は上記の逆で、この列車の時間帯まで吾妻線で途中下車を楽しむか、他の路線に寄り道してからこの列車時間に合わせて大前まで乗ることになります。

大前折り返しは17:32発で、大前では21分の時間があり、終着駅下車体感時間としては理想的です。

ただし、大前からの帰路の車窓は途中から暗くなります。

新前橋からは普通列車乗り継ぎで東京21:23着です。

 

岩島駅下車で吾妻峡レールバイク「アガッタン」体験はどうか?

吾妻線は2014年からの線路切り替えにより、一部区間が新線に切り替えられ、旧線は廃止になりました。

その廃線跡の線路を活用したアトラクションとして、吾妻峡レールバイク「アガッタン」があります。

日本一短いトンネルで有名だった樽沢トンネルをレールバイクで走り抜け、八ッ場ダムなどを見る約2.4キロのコースです。

レールバイクによる吾妻線の過去を懐かしむのも一興です。

岩島駅から西へ約2.5キロの位置に、トロッコが発着する雁ヶ沢駅があります。

 

東京基準に前記2案の高崎線接続列車を考えると、午前の列車の方がよいように思います。

先に大前まで乗車しておく方が気が楽であり、「アガッタン」にも心置きなく乗れます。

吾妻線の全区間車窓が往復で見ることができます。

大前行きの午後列車の場合、「アガッタン」に乗ってから16:34発の大前行きに間に合うのか、気になってしまいます。

帰路は仮眠の世界かもしれませんが、吾妻線車窓が暗い時間帯なのも、吾妻線を目的に乗っているだけに心残りがあります。

 

吾妻峡レールバイク「アガッタン」のダイヤ

雁ヶ沢と吾妻峡八ッ場のダイヤは以下のとおりです。

◆ 雁ヶ沢発  → 吾妻峡八ッ場着

     9:25 →   9:55

   10:45 → 11:15

   13:05 → 13:35

   14:25 → 14:55

   15:45 → 16:15

 

◆ 吾妻峡八ッ場発 → 雁ヶ沢着

                10:05  → 10:30

      11:25  → 11:50

      13:45  → 14:10

      15:05  → 15:30

      16:25  → 16:50

 

注意点として、火曜・水曜・木曜は運休日があること、事前に予約した方が確実なこと、発車時刻15分前までに集合、受付を済ませることなどの注意点があります。

7月24・25・31日、8月7・8・20~22、28日、9月4日が運休となる日です。

 

岩島駅からは、片道2.5キロの徒歩が基本ですが、連絡バス時刻も紹介されています。

◆ 岩島駅前発 → 川中温泉口バス停下車のバス

     12:34 → 12:38  毎日運行

     14:55 → 14:59 月曜~土曜運行

     17:01 → 17:05 日曜・祝日運行

◆ 川中温泉口バス停発  →  岩島駅前着のバス

           9:51 →   9:55 月曜~土曜運行

         15:07 → 15:11 日曜・祝日運行

         17:13 → 17:17 月曜~土曜運行

         18:44 → 18:48 月曜~土曜運行

 

2024年夏、青春18きっぷ吾妻線大前までの全線乗車はいかがでしょうか?

青春18きっぷの2024年夏の利用が開始されました。

7月20日から9月10日までの期間に5回乗車の中の1回分を、吾妻線大前までの全線乗車に充てるのも、後になって貴重な財産になっていくかもしれません。

この夏の青春18きっぷ計画に組み入れてみてはいかがでしょうか。

なお、レールバイクと連絡バスの運行と時刻、事前予約無しでのレールバイク乗車可否等についてはインターネット情報による参考までの記載であり、乗車の際はご自身での確認をお願いいたします。

 

※ 写真は本文と無関係です。