平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

東海道新幹線「ひかり」静岡停車型と米原停車型、どちらが速く感じるか?

東京-新大阪の所要時間は2時間54分で同じですが、速さの実感は異なります

東海道新幹線「ひかり」はタイプが2つあります。

一つは、東京毎時03分発、静岡・浜松停車、新大阪-岡山は各駅停車の岡山行き「ひかり」で、ここでは「静岡ひかり」と表記させていただきます。

「静岡ひかり」は時間帯により、熱海または三島にも停車します。

 

もう一つは、東京毎時33分発、小田原または豊橋停車、加えて岐阜羽島米原停車の新大阪行き「ひかり」で、ここでは「米原ひかり」と表記させていただきます。

今回は、「静岡ひかり」と「米原ひかり」を比べてみたいと思います。

 

区間の所要時間の比較

東京-新大阪間の所要時間はどちらも2時間54分で同じです。

ただし、名古屋、京都利用時の所要時間は異なります。

標準的な所要時間は以下のとおりです。

太字は、速い列車の方の所要時間を示します。(単位:時分)

 

区間      静岡ひかり  米原ひかり   時間差

東京-新大阪   2:54      2:54      0

東京-京都    2:34      2:39      5

東京-名古屋   1:58      1:41       17

名古屋-新大阪  0:54      1:08       14

名古屋-京都   0:34      0:53       19

 

「のぞみ」に追い抜かれる駅と本数の比較

「静岡ひかり」「米原ひかり」とも、途中停車駅では「のぞみ」に追い抜かれるのが通常です。

追い抜きされる駅と「のぞみ」が追い抜く本数は以下のとおりです。

太字は、追い抜かれる列車側の駅と、追い抜かれる本数を示します。

 

区間      静岡ひかり      米原ひかり   

小田原     (通過)      追い抜かれ無し

熱海     追い抜かれ無し    (通過)   

三島     追い抜かれ無し    (通過)   

静岡     2本追い抜かれ    (通過)

浜松     2本追い抜かれ    (通過)

豊橋      (通過)      追い抜かれ無し

名古屋    追い抜かれ無し   1本追い抜かれ

岐阜羽島     (通過)     2本追い抜かれ

米原       (通過)     2本追い抜かれ

京都     1本追い抜かれ   追い抜かれ無し

 

区間別に、速い方の「ひかり」を選定すると

東京-名古屋は「米原ひかり」の方が「静岡ひかり」よりも17分速いです。

これ以外の競合区間である、東京-京都、名古屋-新大阪、名古屋-京都は「静岡ひかり」の方が「米原ひかり」よりも速いです。

名古屋-新大阪・京都については、「静岡ひかり」は岐阜羽島米原を通過し、「米原ひかり」は両駅に停車し、2駅とも「のぞみ」に追い抜かれますので、改めて説明するまでもなく、単純明快です。

 

東京-新大阪は「静岡ひかり」よりも「米原ひかり」の方が速く感じるという心理

同じ所要2時間54分なのに、「米原ひかり」の方が速く感じるのはなぜでしょうか。

米原ひかり」は、小田原または豊橋での「のぞみ」の追い抜かれがないため、東京-名古屋は「のぞみ」並みの速さを実感します。

米原ひかり」は名古屋から新大阪まで各駅停車ですが、東京から名古屋までの1時間41分、ほぼ無停車運転(品川と新横浜は停車)のイメージから、高速運転の満足感があり、名古屋から先は新大阪までの末端区間ゆえに、各駅停車型であってもさほど苦痛でない印象を持ちます。

大手私鉄の特急・急行が終点に近い末端の区間で各駅停車になるのと似ています。

京急でいえば堀ノ内から先の久里浜方面、京成でいえば京成佐倉から先の京成成田方面が各駅停車になるのも同じです。

 

これに対して「静岡ひかり」の場合、三島では「のぞみ」に追い抜かれないものの、静岡と浜松でそれぞれ「のぞみ」2本に抜かれ、東京-名古屋が遅く感じてしまいます。

名古屋-京都がノンストップで「のぞみ」と同じ高速運転をしますが、名古屋-京都の乗車時間は34分、ノンストップ高速運転距離が短く、「米原ひかり」の東京-名古屋ノンストップ1時間41分との差を感じてしまいます。

 

新大阪直前の京都で「のぞみ」に先を越されるのも、イメージ的にマイナスです。

米原ひかり」も名古屋で同じ状況になりますが、新大阪直前の京都で越されるよりも不快にならないのは、東京-名古屋の長距離高速運転の快適さがカバーしているからと思います。

東京-京都の所要時間は「静岡ひかり」の方が「米原ひかり」よりも5分速いのですが、東京-名古屋の所要時間の長さが、名古屋-ではカバーしきれない印象があります。

米原ひかり」が小田原や豊橋で「のぞみ」に追い抜かれていたら、印象は変わっていたと思います。

小田原・豊橋の「のぞみ」追い抜かれ無しのダイヤが、「米原ひかり」の方が速い印象を植えつけると言えます。

 

新大阪→東京の上り「ひかり」も、下り「ひかり」と同じ所要時間、「のぞみ」待避待ち時間です。

「静岡ひかり」は新大阪を出て、次の京都で6分停車します。

京都-名古屋は高速運転で、名古屋停車時間もわずかです。

浜松と静岡はそれぞれ、「のぞみ」に2本抜かれます。

 

米原ひかり」は、京都2分停車後、米原岐阜羽島でそれぞれ「のぞみ」2本、名古屋で1本、先を越されます。

豊橋または小田原停車での「のぞみ」追い抜かれはありません。

名古屋-東京は「のぞみ」1時間39分、「米原ひかり」1時間41分で、1駅停車が多いながらもわずか2分差で追い抜かれないのは快適、快感です。

 

岡山発着はなぜ「静岡ひかり」なのか?

理由は二つあると思います。

一つは、「のぞみ」が通過する静岡において、山陽区間に直通するということで、「静岡ひかり」に価値、意義があるからです。

静岡を通過する「米原ひかり」を岡山まで延ばしても、広島「のぞみ」とあまり差がありません。

もう一つは、「米原ひかり」は名古屋-新大阪が各駅停車なので、その各駅停車区間が名古屋-岡山に拡大してしまっては、東京-名古屋は「ひかり」でも、名古屋-岡山の長距離区間は「こだま」ということで、「ひかり」の速達イメージがなくなるためと思われます。

 

「のぞみ」ほど速くはないまでも、「こだま」ほど遅くはない、程々に速い「ひかり」。

たまには東京-新大阪を「静岡ひかり」と「米原ひかり」とで乗り分けて往復するのも一興です。

 

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