「WESTERポイント」をフリーきっぷの購入条件とする発売手法は疑問
Yahoo!ニュース(まいどなニュース)、2024年12月8日付け「『青春18きっぷ』リニューアル後→フリーきっぷ存在しないJR西日本はどうする!? 移動生活ナビアプリ『WESTER』だからできること」を拝読しました。
JR各社が自社エリア内のフリーきっぷを販売している中で、JR西日本だけがフリーきっぷを発売していないことに触れた内容です。
記事の一部を引用させていただきます。
(以下引用)
JR西日本には通年に近い形で、全線区、もしくは広範囲で利用可能な「きっぷ」は存在しません。
~中略~
実はJR西日本にはJR西管区内で使えるフリーきっぷの販売実績があります。2024年7月初旬から9月中旬にかけて、「WESTERポイント全線フリーきっぷ」を販売しました。
~中略~
ポイントを貯めるために、飛行機のマイルを貯めるような感覚で、WESTERポイントを貯める活動に励む方が出現。JR西日本からすると、「積極的なポイ活」により、鉄道収入がアップすれば万々歳といったところでしょうか。おそらく、今後も「WESTERポイント」を利用したフリーきっぷが販売されることでしょう。
JR西管区内の利用者であれば、青春18きっぷのリニューアルを機に、ポイントで購入するフリーきっぷを夢見て「WESTERポイ活」に励むのもいいかもしれません。
(以上引用)
「WESTERポイント」を貯めることが前提のJR西日本のフリー切符発売方法
JR西日本のフリー切符を手に入れるには普段からJR西日本の路線に乗車して「WESTERポイント」を貯めることが前提です。
貯めた累積ポイントにより、「tabiwa周遊パス」や「WESTERポイント全線フリーきっぷ」が手に入る仕組みです。
記事にあるような、「ポイントを貯めるために、飛行機のマイルを貯めるような感覚で、WESTERポイントを貯める活動に励む方が出現」といっても、JR西日本のフリー切符がほしいために、普段からJR西日本路線を多く乗っておく必要があります。
必要があって列車に乗った結果、ポイントが貯まったならまだしも、フリー切符がほしいために背伸びをしてまでポイント貯蓄に励まないとフリー切符が手に入らないというのは、はたしてどうかと思います。
今後も「WESTERポイント」を利用したフリーきっぷが販売されることでしょう」というのは確かであるにしても、「青春18きっぷのリニューアルを機に、ポイントで購入するフリーきっぷを夢見て「WESTERポイ活」に励むのもいいかも」という発想まで進んでいくでしょうか。
そこまでしないとJR西日本のフリー切符が手に入らないのはいかがなものでしょうか。
会員登録制による、自社路線の鉄道利用実績ポイントに応じてのフリー切符購入という手法はかなり特殊であり、強引な手法にも感じられます。
それがJR西日本の考え方なのだから、不満なら買わなければよいことと割り切るには極めて残念な発売制約方法です。
JR西日本も時刻表冊子「JRのトクトクきっぷ」に掲載するような気軽な販売方法を
この件については、2024年7月20日付け、拙「JR西日本「WESTERポイント全線フリーきっぷ」は購入条件が厳しすぎるのでは?」でも書かせていただきましたが、重複する点はご了承ください。
JR西日本以外のJR5社では、自社路線のフリー切符購入に際して、JR西日本のようなポイントに応じてのフリー切符購入という手法はとっていません。
乗車日や乗車列車の種別で条件をつけた上で、誰でも購入できるようにしています。
これが自然ではないでしょうか。
時刻表冊子の冒頭には「JRのトクトクきっぷ」のコーナーがありますが、JR各社管内のフリー切符が出てこないのはJR西日本だけです。
その理由の一つが、現金やICカードでの気軽な購入ができない、自社会員制度によるポイント活用という特殊な要件による発売方法だからです。
JR西日本管内の普通列車に乗り放題のフリーきっぷを基本に、そこに一部の第三セクター路線も加えたタイプや、特急券別購入で在来線特急にも乗れるタイプ等のオプションを加える方法もあるかと思います。
いずれにしても、JR西日本管内の普通列車乗り放題切符が時刻表「JRのトクトクきっぷ」でも掲載されることを待ち望みます。
(※ 筆記にあたり、Yahoo!ニュース(まいどなニュース)、2024年12月8日付け「『青春18きっぷ』リニューアル後→フリーきっぷ存在しないJR西日本はどうする!? 移動生活ナビアプリ『WESTER』だからできること」から一部引用及び参考にさせていただきました。)