グリーン車乗車時の2&1席と2&2席の違い、座席横幅の留意点についての話です
「お前、もう高齢なんだからグリーン車くらい乗れよ」と言われることが多くなりました。
加齢とはいえ筆者は元来、あまり気前のよい性分ではないので、グリーン車よりも普通車派です。
普通車の方が気楽であり、列車内でもグリーン車では静粛、上品過ぎて、列車の車窓自体に一定線以上楽しめない空気感が漂うためです。
グリーン車に乗る場合でも、東京から新大阪や盛岡へグリーン車で行く場合でも、乗車時間の短い「のぞみ」「はやぶさ」よりも、「こだま」「やまびこ」なら長時間ゆったり座れる分、楽しめるよなどと思ってしまいます。
ただ、首都圏の通勤電車では、普通車での着席確率と長時間乗車を考慮して、普通列車のグリーン車に乗車することは以前よりも多くなりました。
グリーン車と言っても、普通列車の場合、2階建ての魅力はありますが、座席自体は特急普通車と大差なく、青春18きっぷなどでの利用時は除き、通常切符やICカード乗車の場合、特急普通車指定席の方を選択する方が多くなりました。
年齢とともに着席保証を以前よりも気にするようになったことは確かです。
その意味では、JR西日本で話題の「うれしート」方式にも関心があります。
今回は、グリーン車に乗るなら、座席の横幅スペースが狭い列車は避け、横幅がゆったりした列車をお薦めする話です。
JR北海道・JR西日本・JR四国・JR九州の特急グリーン車はお薦めできます
在来線特急のグリーン車に乗るなら、2&1席配置の列車をお薦めします。
JR北海道、JR西日本、JR四国、JR九州の4社の在来線特急については、2&1席配置なのでお薦めできます。
その主な列車は、以下のとおりです。
函館・室蘭線「北斗」、石勝・根室線「おおぞら」「とかち」など。
湖西線「サンダーバード」、阪和・紀勢線「はるか」「くろしお」、山陰・福知山線「きのさき」「はしだて」「こうのとり」、智頭急行「スーパーはくと」、伯備線「やくも」など。
〇JR四国
〇JR九州
鹿児島線「きらめき」、長崎・佐世保線「リレーかもめ」「みどり」「かささぎ」、日豊線「ソニック」「にちりん」「ひゅうが」など。
いずれも2&1席で、とくに一人での利用の際の、単独1席側は格別です。
新幹線グリーン車は基本的に2&2席で横幅は広く快適
新幹線は、東海道・山陽・九州・東北・北海道・上越・北陸の各新幹線は、幅広い車体での2&2席配置で、横幅がゆったりしており、普通車の3&2席配置と比べれば、楽なことは明白です。
普通車ではとくに3人掛けのA席から、通路に向かってのB・C席の人の前を出入りする時は気を遣います。
山陽・九州新幹線「みずほ」「さくら」は、普通車指定席も2&2席の優れものですが、グリーン車はまた別格と受けとめます。
さて、東北新幹線・北海道新幹線ではE5系・E2系を中心とする、通常の幅広型の新幹線車両の「はやぶさ」「やまびこ」「なすの」ならば2&2席でも横幅は十分です。
留意が必要なのはまず、秋田新幹線「こまち」、山形新幹線「つばさ」です。
盛岡~秋田、福島~新庄は「新幹線」の名称を使っていますが、実態は在来線であり、高速の東北新幹線列車が秋田・山形方面に直通するという状尿になっています。
そのため、秋田・山形新幹線車両の横幅は在来線の大きさしかなく、普通車は3&2席ではなく、2&2席です。
それならば、グリーン車は2&1席かと思いきや、普通車と同じ2&2席で。グリーン車の乗車定員を少しでも多くしています。
その結果、グリーン車であっても、着席時の座席の横幅については普通車とあまり大差なく、お薦めはできません。
むしろ、新幹線普通車が3&2席のところを、秋田・山形新幹線車両では2&2席の点で、お得感があります。
「はやぶさ」「やまびこ」の普通車3&2席に乗るなら、「こまち」「つばさ」の普通車2&2席を選ぶのも賢明な一つの方法です。
「こまち」「つばさ」連結のない単独「やまびこ」に注意を
「やまびこ」のうち、山形新幹線「つばさ」を併結しない、単独の「やまびこ」の中には、「こまち」「つばさ」の車両を併結した列車も一部にあります。
この場合、列車名は「やまびこ」ですが、その一部のグリーン車は「こまち」「つばさ」型のため、2&2席ではあっても車体幅が狭いため、乗ると損をした気になります。
単独「やまびこ」は、グリーン車利用時には9号を選ぶことがポイントです。
11号車のグリーン車は「こまち」「つばさ」編成のため、9号車と同じ2&2席グリーン車ではあっても居住性は大きく異なります。
「やまびこ」グリーン車は9号車を選びましょう。
JR北海道・JR西日本・JR四国・JR九州の特急グリーン車は2&1席でお薦めできますが、JR東日本とJR東海のグリーン車には留意が必要です。
在来線特急のほとんどが2&2席配置のためです。
JR東日本の場合、常磐線「ひたち」「ときわ」、中央線「あずさ」「かいじ」、東海道線「踊り子」、総武・成田線「成田エクスプレス」「しおさい」、奥羽線「つがる」など、グリーン車は2&2席です。
ただし、2&1席の列車も一部にあります。
東海道線「サフィール踊り子」と、羽越線「いなほ」は2&1席で、この2列車はお薦めできます。
JR東海では、中央・篠ノ井線「しなの」、高山線「ひだ」は2&2席です。
ただし、「しなの」の下り長野行き列車は、2&2席ではありますが、展望車なので、その意味では加点できます。
JR東日本、JR東海とも、JR発足当初は常磐線、総武・成田線、紀勢線などでグリーン車は2&1席でしたが、その後は強気になったのか、定員増、収入増のためか、2&2席ひと筋です。
JR東海は中央線「しなの」に今後、新型385系を投入しますが、グリーン車の2&1席化は残念ながら期待できそうもありません。
以上ですが、グリーン車で困るのは一つ。
グリーン車に乗り慣れてしまうと、普通車が狭苦しく窮屈になってしまい、普通車では窮屈になってしまうことです。
クルマでいえば、最初から高級車に乗るようなものです。
物には順番があり、最初は小型車、徐々に中型車、大型車へと段階を踏んで進んで行く方が楽しめると思います。