西九州新幹線が佐賀駅を経由するか、しないかで佐賀発着の特急本数はどう変わるでしょうか?
旅行総合研究所タビリス、2025年9月28日付け「JR九州社長「並行在来線の経営分離を前提とせず」。西九州新幹線問題は前進するか」を拝読しました。
読後感として、JR九州は西九州新幹線の博多(新鳥栖)〜武雄温泉〜長崎の全線開業後も、博多から佐世保への特急「みどり」、肥前鹿島への特急「かささぎ」の運転は継続し、両特急により博多~佐賀〜武雄温泉間の西九州新幹線並行区間に、在来線特急も走る形とすることで、西九州新幹線に対する佐賀県の不満に対して応えた印象を受けました。
現在、「みどり」は16往復、「かささぎ」は7往復の設定で、「かささぎ」のうちの1往復は博多~佐賀となっています。
「みどり」「かささぎ」のほかに、博多から武雄温泉折り返しの特急「リレーかもめ」が17.5往復あります。
今回は、博多(新鳥栖)~長崎の西九州新幹線全線開業後の、佐賀~博多の在来線特急について、考えてみたいと思います。
なお、ここでは「みどり」併結の特急「ハウステンボス」は除かせていただきますので、ご了承ください。
西九州新幹線が佐賀駅を経由するかどうかで大きく変わる佐賀~博多の特急
その前に、そもそも西九州新幹線新鳥栖〜武雄温泉のルートが決まっていません。
在来線に沿って、佐賀駅に新幹線駅が併設されるかは不鮮明です。
佐賀県側には、西九州新幹線の佐賀空港付近経由ルートの考えもあるようです。
また、佐賀駅の北側に西九州新幹線の単独駅(新佐賀駅?)というルート案もあります。
この2ルートは、現在の佐賀駅を経由しないのが特徴で、博多〜佐賀駅は現特急で十分という認識と思われます。
すなわち、少なくとも佐賀駅経由の博多〜佐世保「みどり」は残るという考えがあるでしょうか。
仮に、西九州新幹線が佐賀駅を経由しないで開通の場合、博多〜佐賀の輸送は「みどり」「かささぎ」に頼ることになります。
また、「リレーかもめ」について、佐賀~武雄温泉区間の運転をやめて、博多〜佐賀区間専用の特急として、別の愛称で生まれ変わる含みや可能性もありそうです。
JR九州が博多~武雄温泉は西九州新幹線、武雄温泉~佐世保は「リレーみどり」という輸送形態は考えていないとするならば、「みどり」は博多~佐世保直通を基本として設定、その副産物的な結果として、博多~佐賀の特急便宜も図ることが可能という形になるでしょうか。
博多~肥前鹿島の「かささぎ」も肥前鹿島までの輸送を主目的としながらも、博多~佐賀の輸送力確保の意義が含まれています。
そうしてみてみると、西九州新幹線は、仮に佐賀駅を経由しないならば「みどり」「かささぎ」の本数は現行のまま維持し、「リレーかもめ」だけは廃止というイメージを描きます。
「リレーかもめ」の全廃はしても、「みどり」「かささぎ」はごく一部の列車だけ削減はしたとしても、そのほかは現状維持という感じがします。
佐賀駅の利用者は博多へ行く際、在来線特急を選ぶか、西九州新幹線を選ぶか。
博多から佐世保、ハウステンボスへ、在来線特急で行くか、西九州新幹線で武雄温泉乗り継ぎをするかどうか。利用状況をしばらく見るということになるかと思います。
その選択は、西九州新幹線が全線開業後も博多止まりか、山陽新幹線新大阪まで乗り入れるかにもよると思われます。
長崎から新大阪直通なら、佐賀駅から新幹線、博多止まりなら在来線ということになるか、あるいは博多止まりでも西九州新幹線か。
九州新幹線の博多「つばめ」、新大阪「さくら」方式が、西九州新幹線でも採用されるでしょうか。
その際、長崎からの新大阪行きはどの程度の本数、運転間隔でしょうか。
佐賀から博多への新幹線は、在来線特急と比べてどの程度の料金差でしょうか。
また、所要時間短縮度はどうでしょうか。
仮に、博多〜佐賀、武雄温泉の利用者が、在来線特急よりも新幹線を選び、武雄温泉で佐世保行きに乗り換える実績が多いならば、「みどり」の(仮称)「リレーみどり」化があるかもしれません。
また、「リレーみどり」化した場合には、列車種別を特急でなく快速化ということも考えられます。
佐賀県民の人が全般的に佐賀駅経由よりも佐賀駅以外のルートを望むのは変わらないか。
北陸新幹線敦賀〜新大阪のルート問題の方に話題が集まっていますが、西九州新幹線新鳥栖〜武雄温泉ルートの行方にも注目したいと思います。
※ 筆記にあたり、旅行総合研究所タビリス、2025年9月28日付け「JR九州社長「並行在来線の経営分離を前提とせず」。西九州新幹線問題は前進するか」を参考にさせていただきました。

※ 写真は本文と無関係です。