平行普通列車

常磐線と京成松戸線に魅せられた者のブログです

「JR西日本無限大パス」は使いこなせるのかを考える

JR西日本無限大パス」の利用価値について考えてみました

JR西日本から、2025年2月12日付けで「さあ、西日本の無限大の旅へ!『(ICOCA で GO)JR 西日本無限大パス』を発売!」のニュースリリースがありました。

「JR 西日本無限大パス」を利用する人ははたしてどの程度いるでしょうか。

今回は、このパスでの様々な条件と、筆者の意見とを順不同で列記したいと思います。

 

〇 利用期間について

2025年2月15日から4月10日の間での連続30日間の利用ですが、発売は3月12日で終わってしまいます。

30日間利用だからというのは分かるとしても、3月13日以降ではもう購入できないというのは、あまりに発売終了が早すぎるように思われます。

 

〇 発売枚数について
枚数限定で、上限に達したら発売終了ですが、そもそもどの程度の発売枚数なのかは不明です。

枚数は公開してもよいのではないでしょうか。

ただし、それ以前に、そもそも「JR 西日本無限大パス」を購入する人はいるのだろうかと感じます。

 

〇 30日間の有効期間について

青春18きっぷの連続3日間でさえ使いづらくなった印象なのに、普通列車で連続30日間の無限大旅行をする人はいるのでしょうか。

特急には料金別払いで乗車可能とはいえ、要の山陽新幹線乗車不可が魅力を減らしています。

JR西日本全体の1か月定期券的なイメージですが、西日本の全路線乗車可能ではなく、普通列車だけでの30日間では非現実的に感じます。

 

〇 特急乗車について

特急券を購入すれば利用できるのは利点ですが、WESTERポイントには反映されず、返還されないことは、このパスのルールとは言え、やはり不満を抱きます。

 

〇 新幹線乗車について

有効期間が30日間ありながら、新幹線が一切、乗車対象外なのは実用性に欠けます。

新幹線特急券別払いでも最小限6回程度の乗車を認め、運賃分のみWESTERポイント対象とするのが自然ではないかと思います。

山陽新幹線で、新大阪-岡山、岡山-広島、広島-新下関の相互区間のみで新幹線乗車を計6回まで認めるという方法もあるのではないかと思います。

 

〇 購入方法について
「KANSAI MaaS」アプリでの発売ですが、会員登録等、手間を要します。

もっと手軽に手に入れることを考えた方がよいと思います。

50,240円の現金払い、クレジット払い等だけで気軽に購入できるような発想は、JR西日本にはないのでしょうか。

 

〇 利用列車について

JR西日本ICOCAエリア内を前提としての、普通列車普通車自由席が対象です。

山陰線では京都から出雲市までの連続性がありません。

JR西日本の自社区間でさえも全区間がフリーでないのは、利用価値を下げています。

 

〇 200キロ以内の乗車について

北陸線敦賀から山陽線下関まで、連続したICOCAエリアではあっても、200キロを超えると、まったくWESTERポイント対象外となるのは厳しすぎます。

また、用がなくても、200キロ以内の区間の途中で、いちいち途中下車して改札口を出入りするのは理不尽です。

北陸線敦賀から山陽線下関までの場合でいえば、途中駅でわざわざ3回の下車が必要です。

その結果、直行できる青春18きっぷに比べると、3時間前後遅れる可能性があります。

これでは、無用な途中下車が必要ない青春18きっぷに流れても仕方ありません。

 

〇 ICOCAエリアを超えた場合について

例えば、伯備線経由で山陰線の出雲市まではWESTERポイント対象ですが、次の西出雲で下車するとWESTERポイントを失ってしまうのは厳しすぎます。

出雲市で下車して、再び乗車券購入で乗り直せば済むだけのことということで割り切れるでしょうか。

 

〇 他のJR路線乗車について

一切乗車対象とならず、仮にJR西日本路線と跨って乗車した場合、WESTERポイントの対象外となる、これも厳しすぎるルールです。

敦賀から下関で下車ならOKでも、門司で下車したら全区間がアウトです。

これでは、他のJRにも乗れる青春18きっぷの方が便利です。

 

〇 乗車運賃の一時立替について

50,240円で「JR 西日本無限大パス」を購入しながら、駅での乗降の都度、ICOCAにより運賃をいったん支払う形をとり、あとでWESTERポイントで全額返却するという方法です。

これでは、購入時の50,240円と、乗降精算時のチャージ用50,240円の、合計100,480円以上の準備資金が必要になります。

このような高額準備金の手法が一般の人に理解され、受けとめられるでしょうか。

100,480円の準備金、負担についての配慮の方が重要と考えます。

JR西日本にそれらの議論があったのでしょうか。

30日間の連続旅行パスだから、10万円程度の資金を準備できる人が利用すればいい、あとで乗車分は返金されるのだから、不満なら購入しなければいいというだけの認識でしょうか。

 

〇 関西主要駅での、8回までの割引クーポンについて

このような気遣いよりも、準備資金合計10万円以上を中心とした利用者負担に対する気遣いが必要です。

 

○   結論

「JR 西日本無限大パス」より「青春18きっぷ

「JR 西日本無限大パス」を使いこなすのは無理と考えます。

初期購入額の50,240円でさえ負担感は大きく、30日連続利用も非現実的です。

他社の事例ですが「北海道&東日本パス」7日間11,330円の方がよほど自然です。

 

JR西日本エリア内の中のICOCAエリア内のみ、200キロ以上は一旦途中下車、ICOCAエリアを超えたらWESTERポイント還元無効など、制約が多すぎ、資金準備の高額も加わって利用する気にはなれず、まして他の人へのお薦めなどはできません。

 

連続5日間(3日間)で本人使用のみの条件により不評の「青春18きっぷ」の方がずっと使いやすいといえます。

「JR 西日本無限大パス」のおかげ?で「青春18きっぷ」の良さが見直された形になりました。

 

枚数限定の「JR 西日本無限大パス」、どの程度売れるか、完売するか、結果を待ちたいと思います。

 

(※ 筆記にあたり、旅行総合研究所タビリス、2025年2月13日付け「『JR西日本無限大パス』の使い道。どうすればお得に楽しめる?」を参考にさせていただきました。)