EL・DLの後継GV-E197系のJR東日本ニュース見出しと牽引力の話です
JR東日本高崎支社から、2025年6月4日付けで「夏の「SLぐんま」でGV-E197系デビュー!!~ “SLを引くのは俺だ” SL×GV運転開始 ~ 」のニュースがありました。
7月19日からのGV-E197系(以下、「GV」)デビューに合わせ、各種イベントや様々な企画を案内した内容です。
GVの「SLぐんま」については拙ブログでも、2025年5月17日付け「2025年夏 信越線・両毛線「GV・SLぐんま横川(桐生)」の当日乗車率に注目」と、同18日付け「信越線・両毛線 「GV・SLぐんま横川(桐生)」の今後を考える」で触れさせていただきましたが、GVの牽引力が気になります。
今回は、GVのデビューによる意気込みPR見出しを中心に考えてみました。
GVの「SLを引くのは俺だ」の意気込みデビュー
JR東日本高崎支社の今回の見出しで、中間部に「GV-E197系デビュー!!~ “SLを引くのは俺だ” 」という表現があります。
「SLを引くのは俺だ」とは、随分と勇ましく、たくましい見出しです。
反面、見方によっては威張ったような、自慢しているような感じも受けます。
言葉尻ばかりを捕らえるつもりはありませんが、よほど牽引力のある、長編成でも牽引できる車両がデビューするのだろうという印象は与えられます。
「SLを引くのは俺だ」はジョークであっても背伸びし過ぎ?
実際のGVにかつての電気機関車、ディーゼル機関車ほどの牽引力があるかと言えば、ディーゼルカーの区分車両なので、大きな差があります。
これまでの「SLぐんま」は客車5両でしたが、2025年度から牽引を引き継いだGVは、信越線・両毛線では最後部のSLを牽くことも合わせて、客車は3両が上限となりました。
従来の重量機関車ほどの牽引力は望まないとしても、DC車両区分とはいえ、最新車両でありながら2両減の3両までしか牽引できないとはいささか寂しい話です。
GVによって「SLぐんま」が存続するだけでも喜ぶべき話ではありますが、貨物列車ならともかく、最後部のSLを含めて客車3両が上限での登場には、喜びもやや冷めてしまいますが、それはさておき、GVという新たな牽引車をPRし、親しみをもってもらおうとする企画自体はよいと思います。
ただ、今回のニュース見出し「SLを引くのは俺だ」という表現を見ると、一種のジョークとはいえ、さほどの牽引力は無いでしょうに、そんなに威張れるのかという受けとめ方をしてしまいます。
「新たにSLを引くGVです、よろしく」というような謙虚的な表現の方が、筆者のようなひねくれ者には自信満々の印象を与えず、その牽引力と比べないように思います。
しかし、かしこまった、遠慮したような表現では、高崎支社から見れば折角のデビューなのにインパクトがない、弱すぎるということになるでしょうか。
ただ、利用者が少なくなっての客車2両の減車措置、半減近い措置ではないだけに、「SLを引くのは俺だ」と張り切った後、「実はあまり牽引力はないんだけどね」と小声で言っているようで、今回のニュース見出しは愛嬌とはいえ、2両減車となったGVの性能からして背伸びし過ぎのように感じました。
ともあれ、 7月1日からのウェルカムGVキャンペーン、7月19日から運転開始の「SLぐんま」とヘッドマーク装着、7月20日と8月11日の走るGV・SLぐんま横川撮影会、9月23日のぐんま車両センター GV見学会等による賑わいと成功を期待します。