売上高20億円重視で今後も発売継続か、利用者7~8割減重視でJR各社単独切符に移行か、何年度頃荷動きがあるのか等、探ってみました
旅行総合研究所タビリス、2025年8月10日付け「青春18きっぷ、利用者7~8割減で『都合のいい存在』に。新ルールでも『悪くない』理由」を拝読しました。
2024年冬季からの青春18きっぷの新ルール適用による、これまでとの販売枚数及び売り上げ総額の減少を分析した、分かりやすく参考になる内容です。
記事の一部を引用させていただきます。
(以下引用)
まとめると、青春18きっぷは、新ルールになって、7~8割の売上げ減少に見舞われたことになります。
近年の青春18きっぷの販売枚数に、この割合を当てはめると、2025年度の販売枚数は、15万~20万枚程度になるとみられます。単価の安い3日間用(10,000円)が多いでしょうから、平均単価は1.1万円程度で、売上総額は年間20億円前後にとどまるのではないでしょうか。コロナ前までは、平均すれば年間80億円規模の売上げだったので、4分の1になってしまいます。
ただ、20億円というのは、企画きっぷとしてみれば、悪くない売上高です。「ご利用状況」から、にわかに廃止されるような数字ではありません。
一方、自動改札対応になったことで、改札係員の負荷が小さくなりましたし、一部区間の列車の激しい混雑も緩和されたようです。
JRからみると、青春18きっぷの本来の目的である、学休期の普通列車の空席利用としては、適度な利用状況になったともいえます。これにより、青春18きっぷは「刷るだけでお金になるきっぷ」という、JRにとって都合のいい存在に収まったようにも見受けられます。
(以上引用)
「売上総額は年間20億円前後」の捉え方によって変わる青春18きっぷの未来像
上記引用させていただいた、20億円の売上高については、二つの受け止め方があるかと思います。
一つは、「企画きっぷとしてみれば、悪くない売上高」という前向きな受けとめ方です。
その場合、「にわかに(今後、青春18きっぷが)廃止されるような数字ではありません」と理解できます。
まさに「刷るだけでお金になるきっぷ」です。
もう一つは、「新ルールになって、7~8割の売上げ減少に見舞われた」という部分を重視して、8割近くもの売上げ減少では、もはや価値がないという、後ろ向きの受けとめ方です。
今後の青春18きっぷの集計、前回比較作業の流れを想像する
青春18きっぷについて、JRグループは今後も「刷るだけでお金になる」から発売を継続していくでしょうか。
それとも7~8割の売上げ減少により、見切りをつけ、JR各社単位で自社版専用の青春18きっぷ等に移行していくでしょうか。
今後の流れを以下のように想像します。
(1)青春18きっぷは、2024年冬季から実施の新ルールになって、まだ1年を経過していませんので、ひとまず「2025年夏季の販売枚数を集計」し、2024年夏季と比較すると考えます。
(2)2025年夏季の集計、2024年夏季との販売枚数比較が終わると、2024年冬季、2025年春季、2025年夏季の3回分、次に「新ルール実施後の1年間の集計」に移ると思われます。
(3)次に、2025年冬季、2026年春季の販売枚数を集計すると思われます。
それにより、2025年夏季、2025年冬季、2026年春季の、「2025年度1年間の集計」としての青春18きっぷの集計を行ない、2024年度と販売枚数を比較していくと考えます。
ただし、2024年度の数値は、夏季が従前のルール、冬季と春季が新ルールであるため、年間を通して従前ルールの2023年度との数値との比較も同時に行なうと思われます。
(4)2025年度の販売枚数が集計し終わる2026年夏頃の時期に、2024年度及び2023年度との「年度での販売枚数実績を比較する」と考えます。
つまり、青春18きっぷの新ルールは2026年夏季までは継続と考えます。
(5)2026年度夏季の販売枚数を集計します。
(6)2026年度夏季と、2025年度・2024年度・2023年度の、いずれも「夏季の販売枚数」を比較します。
(7)2025年度・2024年度・2023年度の、いずれも「年度としの販売枚数を比較」します。
(8)2023年度から2026年度までの「夏季」としての販売実績と、2023年度から2025年度までの「年度」としての販売実績により、以下の方向性を選択します。
①「刷るだけでお金になるきっぷ」ということで、連続5日間・3日間使用のルールで、2026年度冬季以降も青春18きっぷを継続する
②2026年度冬季以降も青春18きっぷを継続するが、販売促進策として2日間用7,000円、1日間用4,000円を設定し、5日間用12,050円は廃止する
→ここには筆者の希望的観測も入っています。
前記①の5日間・3日間のままの現状継続の方が、可能性は高いかと思われます。
③「7~8割の売上げ減少」と、2026年度販売枚数が下降の一途で、回復も見込めないことから、青春18きっぷに区切りをつける。
そのフォローとして、JR東日本単独では「東日本のんびり旅パス」、JR東日本とJR北海道では「北海道&東日本パス」、JR東海単独では「JR東海☆夏の乗り放題きっぷ」「JR東海&16私鉄乗り鉄☆たびきっぷ」といった、「青春18きっぷ」のJR各社版への移行を促す。
④「秋の乗り放題パス」は、青春18きっぷの新たな移行に合わせて、2027年度秋季移行、①であれば同パスも継続、③であれば区切りをつけるかと考えます。
以上、勝手に想像してみましたが上記③の場合、JR西日本にはまだ普通列車専用全線フリー切符がありません。
JR西日本の場合、新幹線や特急を含む「WESTERポイント全線フリーきっぷ」の方向で割り切り、そのまま移行していくのか、今後の状況を見守りたいと思います。
※ 筆記にあたり、旅行総合研究所タビリス、2025年8月10日づけ「青春18きっぷ、利用者7~8割減で『都合のいい存在』に。新ルールでも『悪くない』理由」から一部を引用及び参考にさせていただきました。