切符の格安さと、EXサービス利用による新幹線乗車要件が絶妙なJR東海の計算力
2025年6月15日付け、拙「東日本のんびり旅パスが発売される理由を考える」の、「JR東海☆夏の乗り放題きっぷ」編です。
JR東海から、2025年6月20日 付けで「『JR東海☆夏の乗り放題きっぷ』新発売! ~今年の夏はJR東海の在来線の旅をおトクに満喫しよう~」のニュースリリースがありました。
「JR東海☆夏の乗り放題きっぷ」(以下、「JR東海夏きっぷ」)は、2025年7月19日から9月10日までの連続2日間、大人3,900円、こども1,900円で発売されます。
JR東海では、従来から「JR東海&16私鉄乗り鉄☆たびきっぷ」(以下、「16私鉄きっぷ」)を、土曜・休日限定で連続2日間、大人8,620円、小児4,040円で発売しています。
その「16私鉄きっぷ」を、2025年7月19日から9月10日までの期間中は毎日利用可能という扱いにはしませんでした。
これには、16私鉄それぞれの夏季期間中の平日を含めた扱いの拡大の関係や、特急券別購入により東海道新幹線熱海~米原を4回まで利用できることの、夏季期間中との絡み等があろうかと思われます。
また、16私鉄に少しでも多く乗ることが主眼の切符であり、JR東海の在来線は16私鉄乗り継ぎのための移動手段的な役割のイメージもあります。
裏返すと、JR東海在来線に乗るために「16私鉄きっぷ」を購入するケースは少ないと言えるでしょうか。
「JR東海夏きっぷ」は、JR東日本の「東日本のんびり旅パス」同様、JRグループやJR他社との共同のパスでなく、JR東海単独のパスであることが特徴です。
「東日本のんびり旅パス」のJR東海版、「青春18きっぷ」のJR東海版とも言えます。
発売条件として、「『EXサービス』で熱海駅~米原駅を着駅とする東海道新幹線をご予約した方限定」としたことが、いかにもJR東海らしい、大きな特徴となりました。
「JR東海☆夏の乗り放題きっぷ」が発売される理由を想像
以下、2025年夏限定で「JR東海夏きっぷ」が発売される理由を想像してみました。
毎回のことですが、何の根拠もない勝手な想像ですので、予めご了承ください。
〇 「JR東海夏きっぷ」は、他のJRや、16私鉄が絡まない、JR東海だけのフリー切符であること。
〇 JR東海単独の切符ゆえ、他のJRや私鉄への収入配分が不要なこと。
〇 万一、JRグループが青春18きっぷ発売を終了したとしても、JR東海は「JR東海夏きっぷ」での継続も可能なこと。
〇 フリー区間内での熱海~米原間の東海道新幹線利用を不可とすることで、「JR東海&16私鉄乗り鉄☆たびきっぷ」での新幹線利用時とは異なり、特急料金のほかに運賃収入も見込めること。
〇 大人2日間3,900円の設定により、「青春18きっぷ」5日間用の1日2,410円相当、同じく3日間用3,333円相当よりもさらに安価な、1日1,950円の格安イメージで利用促進が期待できること。
〇 2日間3,900円であっても、「EXサービス」による熱海駅~米原駅を着駅とする東海道新幹線を予約する前提の発売条件とすることで、首都圏からは少なくとも東京~熱海、関西圏からは新大阪~米原の、それぞれの新幹線利用による運賃・料金収入が見込めること。
〇 フリー区間内の駅で「JR東海夏きっぷ」を購入したとしても、少なくとも名古屋~三河安城、熱海~三島など短区間であっても、新幹線乗車による運賃・料金の追加収入が見込めること。
〇 かといって、東海道新幹線乗車の条件をなくして「JR東海夏きっぷ」を発売すると、今回の設定価格を引き上げる結果を招き、それが購入促進を抑制しかねないこと。
〇 在来線利用による東京~熱海、新大阪~米原での「JR東海夏きっぷ」使用であっては、東京~熱海、新大阪~米原でJR東海の収入にはならないこと。
〇 また、状況によっては東京~名古屋、新大阪~静岡のような区間での新幹線利用による一層の収入増も見込めること。
〇 東海道線・中央線等、315系ロングシート車主体車両の変化により、新型車両での普通列車利用への親しみ.利用促進を図るとともに、ロングシート化による抵抗感を抑止すること。
〇 JR東日本の「東日本のんびり旅パス」よりも安価なこと。
青春18きっぷの将来像?
以上、JR東海の絶妙な計算力を含めて勝手に想像してみましたが、いかがでしょうか。
「東日本のんびり旅パス」同様、「JR東海☆夏の乗り放題きっぷ」登場により、何となく青春18きっぷの未来像暗示のようにも感じとれるというのは考えすぎでしょうか。
なお、本件はJR東海や鉄道全体に対する悪意的なものではありませんので、筆者の勝手な想像に対しての誹謗中傷的なコメントはご遠慮ください。
(追伸)
先般、総アクセス数100万回声のお礼と、1,000回掲載のお礼の2件を掲載後、励ましのコメントをいただきまして、ありがとうございました。
日々掲載意欲が高まり、嬉しく思います。
この場をお借りしてお礼申し上げますとともに、今後ともよろしくお願いいたします。
