平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

東海道・山陽新幹線「のぞみ」自由席2両化による混乱はないか?

2両でも実質は1.5両相当の座席数。自由席志向者は指定席に転移するか?
東海道・山陽新幹線「のぞみ」の1~3号車の自由席が、2025年ダイヤ改正後、1~2号車で1両減となり、3号車を指定席に変更の方向であることが話題になっています。

3号車を指定席化する理由として、確実に座れるという「のぞみ」の着席保証、安心感を望む傾向の高まりによる指定席数の増加対応事情があると思われます。

今回は、2両になる「のぞみ」自由席の混雑の影響について考えてみたいと思います。

 

自由席を選ぶ人の理由

一般的に、「のぞみ」に限らず、自由席を選ぶ理由は主に次のような理由かと思われます。

〇 どの時間帯の列車を選んでも自由なので、予定変更があっても手続きが不要で気軽なこと

〇 好みの空席を選べること

〇 乗車時間が短い場合

〇 乗車列車が、混雑する時期や時間帯ではないと思われる場合

〇 通常、指定席より530円安価で、往復では千円以上安くなること

〇 「のぞみ」の場合、東京-博多の自由席は、指定席より1,590円安くなり、往復の自由席と指定席とでは3,180円の節減ができること

 

2両の「のぞみ」の着席率と混雑状況は

自由席には、座れないこともあるというリスクがありますが、運悪く立席であっても安さ優先ゆえ割り切ることになります。

しかしながら「のぞみ」自由席が1・2号車の2両のみ、1号車は先頭車で座席数は65席であり、実質的には1.5両分の座席数ゆえに着席率はかなり厳しくなります。

駅ホームに立つ自由席の列は、100席ある2号車に集中しそうです。

「のぞみ」自由席で着席が厳しいとなると、指定席に変えるか、あるいは「ひかり」「さくら」の自由席に変えるかの選択になってきます。

東海道・山陽直通利用の場合、東海道は「ひかり」、山陽は「さくら」での新大阪乗り継ぎは効率的な接続ダイヤとはいえず、「のぞみ」指定席ということになるでしょうか。

指定席であってもシートマップで好みの席が選べることは、自由席愛用者にとっても実用的です。

余談ですが、一時期の国鉄時代の特急料金のような、自由席料金は指定席料金から100円引きであったなら、ほとんどの人は指定席になるでしょう。

もちろん、当時と物価価格は全く違いますが、100円差と530円差との、指定席誘導イメージの違いです。

 

乗車列車を特定できない、特定したくない利用者や、少しでも安く行きたい利用者が2両に減った「のぞみ」自由席に集中しての、列車混雑や遅延が気になります。

自由席2両化による「のぞみ」の混乱はないでしょうか。

指定席のデッキに立つ自由席利用者の光景は多くなっていくでしょうか。

それとも、前記しましたが2両では着席率が厳しいので、これまで自由席中心だった人も、今後は指定席利用に変えるケースが多くなっていくでしょうか。

「のぞみ」は全般的に指定席は混んでいるが、自由席は空いているという話もよく聞きますが、さほど「のぞみ」に乗ってはいない筆者に断言はできないものの、「のぞみ」の自由席は空いていると感じたケースは多くはありませんでした。

乗車時期、時間帯、乗車区間、定期列車と臨時列車、乗車列車前後の「のぞみ」の運転状況によって差があるのかもしれません。

 

鉄道側にとっての自由席の存在

自由席は通常、指定席より530円、東京-博多の「のぞみ」自由席は、指定席より1,590円、それぞれ安くなります。

利用者には安い自由席があることは歓迎であっても、鉄道側にとって自由席があることは、全車指定席よりも一人あたり530円の減収になります。

それが「のぞみ」で東京-博多では1,590円差となると、さらに大きな減収になります。

指定席増による増収効果も計算にあるかと思います。

 

鉄道側は、指定席の方が増収になることは脇に置き、指定席の着席需要が高まっていることを前面に出して指定席の強化が利用者サービスという論法の展開もあるのではないでしょうか。

 

いきなり全車指定席では混乱するので、ひとまず自由席を1両減らす方法?

うがった見方ですが、鉄道側は「のぞみ」を全車指定席に戻したいのではないかとも感じます。

ただし、毎時最大12往復もの「のぞみ」急を急に全車指定席にすると混乱するため、ひとまず自由席の1両減、2両化の暫定措置を取ったようにも思います。

そして、次の段階(2026年?)に向けて全車指定席化に向かうのではないかとも考えられます。

現在の最繁忙期における全車指定席の「のぞみ」と同様、「のぞみ」の通年全列車指定席化の際は、自由席特急券で「のぞみ」に乗った場合の対応(デッキでの立席乗車の可否)を明確にした上で進んでいくかと思います。

「ひかり」「さくら」「こだま」の自由席に特定しての乗車、「のぞみ」の自由席特急券での乗車不可の措置は、本数の多い「のぞみ」では難しいかと思われます。

JR東日本東北新幹線はやぶさ」のような、乗車列車の満席を前提とした上での、列車を指定しての立席特急券の扱いは、「のぞみ」では行なわないと考えます。

 

今後の「のぞみ」の自由席の動向、全車指定席化に向けての動き等の状況変化を見守りたいと思います。