「四季島」の申込費用が全額返還され、別日程を案内しているようですが、最上級クルーズトレインとして失った信頼回復は容易ではありません
JR東日本びゅうツーリズム&セールスから、2025年8月13日付けで「「TRAIN SUITE 四季島」トレインクルーによる不祥事について」、併せて JR東日本から、2025年8月21日付けで「「TRAIN SUITE 四季島」運休について 」、それぞれのニュースがありました。
内容的には、「TRAIN SUITE 四季島」でのトレインクルーの飲酒により、JR東日本が同列車の2025年8月30日出発分について、運休することとしたものです。
8月30日以降、9月末までの毎週土曜日出発分は、今のところ実施予定ではありますが、列車運行に影響がある場合には、分かり次第お知らせするとのことです。
ちなみに「TRAIN SUITE 四季島」の「1泊2日コース(長野)」コースは、上野→高崎・上越・信越線→新津→列車泊での信越線・えちごトキめき鉄道・しなの鉄道・篠ノ井線→姨捨→篠ノ井と、下諏訪→中央・武蔵野・常磐線→上野で、費用は2名1室で一人当たり44万円~61万円、1名1室で66万円~91.5万円となっています。
「TRAIN SUITE 四季島」は、観光目的に特化させた周遊型豪華寝台列車、いわゆる「クルーズトレイン」のうちの一列車で、JR東日本では最高級、最大級のデラックス看板列車です。
今回の内部不祥事による運休は、最上級の優雅な列車旅を期待していた人の夢を無にするもので、遺憾なことです。
JR東日本では、8月30日乗車の利用者には既に連絡済みで、全額返金の上、別日程を案内するようですが、はたして「では別の日にしよう」という流れになるでしょうか。
「TRAIN SUITE 四季島」への憧れが一挙に冷めていかないか、気になります。
「TRAIN SUITE 四季島」の旅行計画は、かなり前々から決めていた人がほとんどで、キャンセル待ちででも急に利用する列車とは性格が異なります。
運転日自体が限られているほか、10両編成でわずか34人定員という厳しさも抱えています。
JR東日本はひとまず、今後の乗車を予約している人への配慮が不可欠です。
9月以降の運転日の代替乗務員確保、規律の徹底による列車運行の確実性が重要です。
多くの列車や駅頭で人員削減を進めている中で、「TRAIN SUITE 四季島」はその方向とは対照的に、多くの人材による、人的サービスを売り物にする列車です。
出発期日に近づくほど、急な運休日を追加していては、信頼を失いかねません。
「信用を失うのは一瞬、取り戻すのは一生」 の言葉がありますが、一瞬で失った信用を取り戻すのは容易なことではありません。
JR東日本には8月30日以降の「TRAIN SUITE 四季島」利用者への信頼回復に努めていただくほかはありませんが、最近でも再び東北新幹線での長時間運転休止の事例が発生しています。
「TRAIN SUITE 四季島」だけでなく、東北・山形・秋田新幹線等、JR東日本の他の列車も含め、JR東日本への信頼を失う行為や故障、事故等がないよう、まずは安心して乗れる平常運行を願いたいところです。
※ 筆記にあたり、新聞各紙及び鉄道コムの2025年7月13日(日)10時29分付け更新の「TRAIN SUITE 四季島 1泊2日長野コース(ツアー)」を参考にさせていただきました。
※ 写真は本文と無関係です。