名鉄は途中下車しなければ全線乗車可能?南海は高野線下古沢~極楽橋をフリー区間から除外して高野山観光を推奨?
近鉄・南海・名鉄の3社連名で、2025年10月7日付け「「3・3・SUNデジタルフリーきっぷ オリジナル入場券セット」を発売します~スタンプ設置や車両にPRロゴ掲出も!~ 」のニュースリリースがありました。
なお、「3・3・SUNデジタルフリーきっぷ 」については、先に2025年3月31日付けで「— 近鉄・南海・名鉄が連続3日間乗り放題 —「3・3・SUNフリーきっぷ」がデジタルきっぷになって19年ぶりに再登場~ 連続2日間利用の商品も発売 ~」が3社連名でプレスリリースされていました。
「3・3・SUNデジタルフリーきっぷ 」の内容から一部を引用させていただきます。
(以下引用)
・・・・・近鉄・南海・名鉄が連続3日間乗り放題になる・・・・・
~中略~
・・・・・高野山や奈良、伊勢志摩、犬山など各社沿線の観光地が対象エリアに含まれている・・・・・
~中略~
※きっぷの概要欄、対象エリアの項で、
近鉄:全線(ケーブルカーを含む、ロープウェイを除く)
南海:全線(ケーブルカーを含む、汐見橋線・多奈川線・高野線:下古沢駅~極楽橋駅を除く。)
名鉄:中部国際空港駅、名鉄名古屋駅、金山駅、東岡崎駅、神宮前駅、国府宮駅、名鉄一宮駅、新木曽川駅、笠松駅、名鉄岐阜駅、犬山駅、知多半田駅、西尾駅の計13駅(上記13駅以外では乗降できません)
(以上引用)
対象エリアの妙
各社のフリー区間エリアで、南海と名鉄で気にかかった点がありましたので、書かせていただきたいと思います。
【南海】高野山へ向かう際、高野線下古沢~極楽橋はフリー区間外?
「高野山や奈良、伊勢志摩、犬山など各社沿線の観光地が対象エリアに含まれているため」とある中での、高野山についてですが、「3・3・SUNデジタルフリーきっぷ 」(以下、「3・3・SUNきっぷ」)を使って、南海で高野山へ向かう際、高野線の下古沢~極楽橋はフリー区間から除外されています。
「高野山(中略)が対象エリアに含まれているため」とありますが、下古沢~極楽橋は別途運賃(片道290円)を支払っての乗車ということでしょうか。
下古沢~極楽橋の区間は、高野山の対象エリアとして狭義の意味としてはともかく、広い意味でも含まれないのか、あるいは含まれてはいても、この末端区間だけは運賃が別途必要ということでしょうか。
高野山の対象エリアに含まれる謳い文句に対して、下車駅で別途運賃を支払うのはすっきりしない感じがします。
【名鉄】指定の13駅以外では乗降できないが、下車せずに電車に乗るだけの行動は?
名鉄指定の13駅を名鉄名古屋基準に、おおよそのフリー区間を頭の中で浮かべてみると名鉄岐阜〜東岡崎の本線、中部国際空港への常滑・空港線、犬山への犬山線などを思い描きます。
名鉄では、フリー区間の指定ではなく「対象エリア」として13駅を指定しており、「13駅以外では乗降できません」とも明記されています。
「3・3・SUNきっぷ」で本線乗車の場合、東岡崎~名鉄岐阜の範囲内で、名鉄指定の金山や名鉄一宮などの駅で下車する分には何も問題はありません。
ネットで見てみると、東岡崎〜豊橋には二つの解釈に分かれていました。
(1) 一つは、東岡崎~豊橋に乗車の際、豊橋で下車せずにそのまま東岡崎に戻るならば「東岡崎~豊橋の往復運賃は不要」という考え方です。
(2) もう一つは、東岡崎をフリー区間の末端として東岡崎から先、豊橋まで乗車する以上は、豊橋で下車しないとしても、東岡崎~豊橋の乗り越し往復運賃が必要、という考え方です。
「3・3・SUNきっぷ」チラシの「エリアMAP」を見る
「3・3・SUNきっぷ」のチラシを見ると、「エリアMAP」のイラストがあります。
ここで名鉄本線は、名鉄岐阜から東岡崎までの線引きがされています。
すなわち、「エリアMAP」の略図を見れば、上記(2)の、東岡崎~豊橋はフリー区間ではないから、豊橋で下車しなくても運賃は必要という受けとめ方ができます。
しかしながら、ネットの一部には、13駅以外では下車はできないとの表現までであるから、乗車不可の路線とまでは明記していないのだから、改札口を出ないで電車に乗るだけなら有効(東岡崎〜豊橋の乗り越し往復運賃不要)という考え方も見受けられました。
「3・3・SUNきっぷ」チラシの別表で、「対象エリア」という見出し項目でありながら、下車できる計13駅だけを掲げ、「上記13駅以外では乗降できません」というのは、前記(1)のように受けとめ、誤解を生じる可能性はあります。
見出しが「対象エリア」なのですから、一例として「本線:名鉄岐阜~東岡崎」「常滑・空港線:(名鉄名古屋)神宮前~中部国際空港」のように、エリアMAPを文章化して表記した方がよいと考えます。
そしてその次に、下車できる13駅をイラスト地図内で図示した方が誤解がないと思われます。
チラシの中では「近鉄・南海・名鉄の路線が乗り放題 ※一部区間を除く」とも表記しています。
また、この中で名鉄については、「※名鉄は、指定区間内での指定13駅のみ乗降可能」という補足を添えてはいかがでしょうか。
南海の場合、フリー区間を明示した方がよいのでは?
「3・3・SUNきっぷ」の南海高野線、下古沢~極楽橋についても、一部のネットでは下古沢~極楽橋も乗車可能のように受け取れるものが見受けられました。
「高野山(中略)が対象エリアに含まれているため」とある点では、極楽橋までフリー区間内であるか、あるいは、少なくとも往復無料で乗れるような印象を与えるようにも思われます。
同区間で別途運賃が必要ならば、「高野山が対象エリアに含まれているため(※下古沢~極楽橋のみ運賃は別途)」という補足が望ましいと思われます。
しかしながら長い目で見れば、同区間をフリー区間にするか、フリー区間にはしないまでも途中下車せず、同区間の1往復乗車だけは運賃不要という方向で検討をしてはどうかと感じました。
その他の意見
3社共通ですが、料金が必要な特急列車等については、別途料金を支払っての乗車が可能なことも添えたほうがよいと思います。
JRの青春18きっぷのイメージで、特急は料金を払っても乗れない、別途運賃も必要と思っている人もいるかと思われます。
以上、「3・3・SUNデジタルフリーきっぷ」での感想、意見等を書かせていただきましたが、大手私鉄相互間で手を組んで鉄道利用促進を図る姿勢は良いことと考えます。
他の大手私鉄でも導入拡大を期待したいところです。
