車両形式、運用情報、編成番号の3種の情報提供があります
車両の車体側面・正面への広告用ラッピング電車については、首都圏を中心とする大手私鉄各社でも行われているところです。
ラッピング情報は鉄道各社のホームページ(以下、「HP」)にも掲載させますが、その際、情報提供範囲として車両形式まで、運用情報まで、編成番号までの3つがあります。
鉄道ファンの理想としては、編成番号を知ることですが、車両形式の情報にとどめる会社もあります。
また、HP上の文面では表記しないものの、写真を掲出しているケースもあります。
写真の場合、編成番号まで分かるものと、番号までは見えないものがあります。
写真を見て該当車両の形式やラッピングの雰囲気は分かるものの、編成番号が分からないとじれったくなるファンもいるかもしれません。
一例として、新京成のラッピング状況を見る
新京成では、2024年5月29日付け、「夏の高校野球千葉大会応援トレインを運行します」のニュースリリースがありました。
第106回 全国高等学校野球選手権千葉大会を応援するもので、5月31日から8月末頃まで1編成をラッピング電車として運行する企画です。
車内には千葉大会の歴代優勝校を紹介したポスターや、同大会の名場面の写真が掲出されます。
新京成のラッピングのニュースリリースで特徴的なことは、今回に限らず毎回、ラッピングする編成番号は明示しないことです。
編成番号も明示してくれた方がより親しまれると思われますが、そこまでは公開しないのはなぜでしょうか。
該当する車両を探すのも鉄道の楽しみのうちということか、沿線に鉄道ファンが集中して運転に影響することを避けるためか、ラッピングのない車両の方が、編成全体として美しいという声も一部にあることへの気遣いか、どのような考え方でしょうか。
今回の新京成の場合、ラッピング該当車両は、リリースの中で「8800形6両1編成 ※京成千葉線に乗り入れできる車両」の範囲までの公表です。
8800形で、京成乗り入れ車で、検査入場中でなく、現在ラッピング中でない編成となると、8802・8807・8808・8812・8814・8816の6編成のいずれかとなります。
HP掲載当時、いろいろ思考するうちに、新京成線運用情報やブログでのネット情報の掲載の方がいち早く、8807編成がラッピング車両ということを知りました。
当日と翌日の運用についてはHPで毎日掲出しています。
編成番号まで知らせなくても、運用情報で十分という考え方かもしれません。
ラッピング車 形式は明示しても編成番号までは明示しないケースもある
関東・関西の大手私鉄他社の、最近のラッピング編成の情報はどうなっているか、ネットで見てみました。
なお、直近のごく一部のラッピング編成状況を見たものであり、すべてのラッピング編成を調べたものではありませんので予めご了承ください。
京王、西武、相鉄、京阪は、車両形式のほかに、編成番号が明示してありました。
西武はアプリで列車位置情報も提供しています。
他の私鉄は、形式のみの表記と見受けました。
京成では、文面では編成番号を表記しないものの、写真で編成番号が分かるケースがありました。
京急では、鉄道側は編成番号を明示していないものの当日と翌日の行路(運用情報)は掲出しており、関係する沿線自治体(横須賀市)HPでのラッピング車両の写真から編成番号が間接的に分かりました。
小田急では、自社のアプリでラッピング列車の走行位置を確認できる方法をとっていて、回送列車での運行時も含めて走行情報を提供していました。
阪急では、運行情報は掲出していました。
編成番号までHPに明記してある方がありがたい鉄道ファン心理
ラッピング車の編成番号を知りたいなら、ネットで調べればよいという結論にはなりそうですが京王、西武、相鉄、京阪のように明確にしてくれた方が鉄道ファンだけでなく、一般的には関心や親しみが増すように思われます。
ラッピング編成の外観上の編成美に対する意見も見聞きしますが、京成「スカイライナー」のように、洗面所の壁の位置等を利用しての、車体のごく一部分に貼付して編成美観を保つ手法も見受けられます。
ラッピングによる話題性、興味関心、親近感、宣伝効果、収入確保、時代の趨勢等を総合的に考慮すると、一部の編成でラッピングを行なうことは鉄道会社にとっても利用者にとっても意義はあると感じました。
※ 写真は本文と無関係です。