もし今回の橋上6時間停止列車に乗っていたらどうだったか、仮想してみました
2024年1月10日7時40分頃、瀬戸大橋線上り線の瀬戸大橋上で、高松発岡山行き快速「マリンライナー10号」が、架線の切断で停車し、乗客約150人が最大約6時間車内に閉じ込められた事故がありました。
事故のあった上り列車の位置に、別の下り列車を横づけしたのは13時頃で、橋上で横づけした列車に乗り移ってから児島駅に到着したのは14時過ぎでした。
複線区間の瀬戸大橋線で、事故のない側の下り線に救出列車を横付けするまで6時間を要したのは、瀬戸大橋の橋上という特殊事情を考慮しても、長すぎる感じがします。
長い橋上での停車では、列車を降りて線路脇の橋の上を歩いて児島駅に向かうわけには行かないことは分かります。
児島駅は、瀬戸大橋線を所管するJR四国と、岡山側を所管するJR西日本の境界駅です。事故現場の瀬戸大橋の橋上はJR四国ですが、児島-岡山はJR西日本になるため、両社相互の意思疎通、連絡調整、救出列車手配に時間を要した可能性があります。
もしも自分が同日、同列車に乗っていたら、行動はどうだったか?
もしも自分が当日の「マリンライナー10号」に乗っていて、瀬戸大橋の橋上で6時間もの間、電車内に閉じ込められ続けたらどうなっていただろうかと、ふと考えました。
通常の地上走行区間や高架橋での停車とは違う、長大橋梁上での高所条件下ゆえに、体調不良になったかもしれない不安もよぎりました。
救出列車をじっと待つしかないわけですが、その列車が来るまで1~2時間ならともかく、6時間は想定外です。
一人での乗車で、話し相手がいない状況は不安になります。
非常時に備えての持ち物
話は逸れますが、筆者は新幹線等、長時間列車乗車時は、万一の非常停車に備えて、ペットボトル2本のほか、煎餅・チョコレート菓子類、パン、充電済みスマホバッテリーを持つことが多いです。
何もなければ無用の長物になることもありますが、高速新幹線という特有の路線事情では非常時の保険と思っています。
また、メモ用紙と筆記具を持ちます。
非常時に物を書くことで気持ちを落ち着かせるものです。
スマホのメモ帳入力よりも発散的な効果があります。
話は戻って今回の瀬戸大橋線では坂出-児島間、通常は所要約15分の走行時間内での事故でしたが、15分という駅間所要時間や、高松-岡山約1時間の運転時間中では、長時間停車があったとしても大丈夫だろうと楽観視しただろうと思います。
飲料2本は持ったとしても、非常用の食料持参はしなかったと思います。
飲料2本といっても2リットルタイプでなく、500~600ミリのペットボトルなので6時間では到底足りませんが、ないよりはいいかというレベルです。
事故での長時間停車で辛いのは長大トンネル内
もっとも辛い長時間停車場所は青函トンネルを筆頭とする長大トンネル内です。
在来線では長大トンネルのある、山陽線の関門トンネル、ハピラインふくいの北陸トンネル、上越線下り線の新清水トンネルなどが挙げられます。
真っ暗なトンネル内での6時間停車、その間の列車内は非常灯だけ、地上に出るまで10キロ以上の距離があったったら、体調不良はおろか、パニックにならないとも限りません。
トンネルではなく地平であっても、車窓が真っ暗なだけの夜も不安になりがちです。
夏季の冷房、冬季の暖房が停電で機能しなくなると、体調不良の要因を増幅します。
停電ゆえ、トイレは使用不能だったとしても、トイレのない列車よりは安心感だけはあったかと思います。
トイレのない列車だったら騒動は大きくなったと思われます。
気持ちの落ち着かせ方
夜の非常時は悪い方向、暗い方向に思考が向きがちです。
しかし悪いことばかり思い浮かべても結局、よいことはありません。
そうした時、水分補給は気持ちを落ち着かせるのに有効で、空腹時の飲食補給も同じです。
その意味では、旅行バッグは大型ペットボトルが入るリュックタイプの方が勝ると言えそうです。
家族や職場への緊急連絡用にスマホバッテリーもやはり必需品です。
座席に充電設備があっても列車が停電しては役立ちません。
停止している列車の窓から店舗の明かりや車のライトが見えると、いくらかは落ち着きそうです。
暗い時は外の光、明かりが癒やし、慰めになります。
他の乗客の人と「困りましたねえ」など、声をかけると気持ちは互いにいくらか落ち着いてきます。
黙っているより会話した方が不安や不満は発散します。
また、鉄道乗務員に大声で一方的に文句を言うのは簡単ですが、列車内や周囲の人や列車内全体の空気を重くしてしまうことには配慮が必要です。
先を急いでいるのは誰しも同じです。
一般論すぎる内容であり、上から目線的視点だったかもしれませんが、その点はご了承ください。
※ 写真は本文と無関係です。